【首都圏の顔】JR東日本のE233系に関して解説!

鉄道
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皆様、こんにちは! U5swです。

今回はJR東日本の首都圏で活躍する、E233系に関して、これまでの導入目的と、今後の進展も踏まえて説明します!

E233系とは?

E233系とは、2006年にデビューした、JR東日本の首都圏エリアで活躍する通勤型車両です。これまでの旧型車両の置き換えをメインに、省エネ化やバリアフリー化、車内サービスの向上を目的に、首都圏の各路線に導入されていき、今では首都圏の鉄道の顔となりつつあります。

そのE233系は、導入線区や仕様によって、大きく8種類に分けられます。詳細は以下の通り。

  • 0番台→中央快速線、青梅線、五日市線用
  • 1000番台→京浜東北線、根岸線用
  • 2000番台→常磐緩行線用
  • 3000番台→東海道線、宇都宮線、高崎線用(上野東京ライン、湘南新宿ライン)
  • 5000番台→京葉線用
  • 6000番台→横浜線用
  • 7000番台→埼京線、川越線用
  • 8000番台→南武線用

各番台の詳細

0番台

  • デビュー年:2006年
  • 所属車両センター:豊田車両センター
  • 営業路線:
    • 中央快速線
    • 青梅線
    • 五日市線
    • 八高線(拝島〜高麗川間、2022年3月改正で乗り入れ休止)
    • 中央本線(高尾〜大月間)
    • 富士急行線
  • 編成両数:692両
    • (内訳:10両固定編成43本<T編成>、6+4両分割編成17本<H編成>、6両編成10本<青600番台編成>、4両編成8本<青400番台編成>)
  • 今後の展望:
    • 現在、T編成、H編成に車内トイレを増設する工事が施工中。
    • 2023年に中央快速線にグリーン車自由席を導入予定、将来的にグリーン車2両を組み込み12両編成で運行予定。
    • 青編成にワンマン運転対応工事を施工予定。

E233系の第1陣としてデビューした車両です。国鉄型車両の201系を置き換えるために導入され、当時の201系のカラーであるオレンジを側面の帯に纏い、中央快速線、青梅線、五日市線の主力車両として活躍を続けています。

10両固定のT編成は主に中央快速線の東京〜高尾(一部大月)間、青梅線の立川〜青梅間での運用が中心です。6+4両分割のH編成はこれらに加え、朝夕時間帯や土休日のホリデー快速において、大月駅や拝島駅で分割・併合を行い、青梅線の青梅〜奥多摩間、五日市線、八高線(2022年改正で乗り入れ廃止)、富士急行線にも乗り入れます。また、青編成は青梅線の青梅〜奥多摩間や五日市線の線内運用を中心に、それぞれ活躍しています。

車内トイレの設置、グリーン車の組み込みへ

現在、0番台の10両編成および6両編成の4号車に、車内トイレを設置する工事を行なっており、設置された編成に関しては使用することが可能です。2023年度までに対象編成全てに設置する予定です。

なお、改造工事を行っていることから、車両不足が生じるため、元々常磐緩行線で活躍していた209系1000番台の2編成を、一時的に中央快速線に転属させて運用に就かせています。

中央快速線で活躍を続ける209系1000番台。

また、2023年度末を目標に、中央快速線・中央本線の東京〜大月間と、青梅線の立川〜青梅間(但し、中央快速線との直通列車に限る)の列車に、グリーン車2両が組み込まれることが発表されています。対象編成は58編成、グリーン車の総製造数は116両が予定されています。

これにより、10両固定編成は12両固定編成に、6両分割編成は8両分割編成と増結される他、グリーン車が営業される区間の駅では、12両編成に対応するホーム延長工事を施工しています(なお、東青梅駅はホーム有効長と踏切の関係により、1面2線から1面1戦のホームになる予定)。

後継車両のE235系が登場する中、2022年以降もE233系の増備は続くこととなります。

2020年に導入されたT71編成と今後の行方

2006年のデビューから14年が経った2020年、異例中の異例という、0番台の10両固定編成が新製導入されました。それがT71編成です。

E233系の編成単位での最新型車両、T71編成。
2020年に製造されたことがわかる。

このT71編成は209系1000番台同様、改造工事の予備車確保の意味合いが強いと言われていますが、この編成は車内トイレ未設置、グリーン車組み込みの対象外編成とされています。

おそらく、改造工事とグリーン車導入完了をもって、他線区に転属となる可能性が高く、その中で最も有力視されているのが、京葉線への転属です(番台は5500番台?)。

その理由として、京葉線にはE233系5000番台が主力として活躍しているものの、1編成のみE233系に置き換えられずに残存している209系500番台、ケヨ34編成が在籍しており、このケヨ34編成を将来的にT71編成で置き換える可能性が高いからです。

ワンマン化改造を実施?対象線区は青梅線末端部と五日市線?

2022年度に、0番台の一部編成においてワンマン対応工事を施工するという噂があります。おそらく対象路線は、4両編成および6両編成が走る青梅線の末端部(青梅〜奥多摩間)、五日市線が有力であり、対象編成は青編成が有力と思われます。

これに関しては情報が少ないのではっきりと言えませんが、JR東日本でワンマン運転を行う路線が拡大している傾向を踏まえると、可能性は十分あり得ると言っていいでしょう。

なお、青梅線の青梅〜奥多摩間と五日市線では、2022年3月の改正から、ホームの発車メロディの取り扱いをやめ、車内促進メロディで発車扱いをおこなっています(ワンマン化に向けての準備?)。

ソースはこちらから。

https://4gousya.net/forums/post/e233系0番台がワンマン化労組資料

1000番台

  • デビュー年:2007年
  • 所属車両センター:さいたま車両センター
  • 営業路線:
    • 京浜東北線
    • 根岸線
  • 編成両数:830両(内訳:10両固定編成83本)
  • 今後の展望:
    • ワンマン運転対応に伴う改造工事、および機器更新が行われる模様

E233系の第2陣として、209系を置き換える目的で導入されました。ラインカラーは水色。東神奈川〜大宮間では全てこの形式で運行されています。

0番台の仕様変更として、列車番号表示器が種別行先表示器と分けられる形で、全面窓の右下隅(車内から見て)に表示されるようになった(以後登場する番台は全てこのスタイルになる)のと、車内のLCDが17インチ(0番台は15インチ)に拡大されました。

また、全線において保安装置がD-ATCとなっており、それに対応した機器が備わっています。

当初は新型車両に置き換えられる予定だったが、一転してワンマン化対応へ?

登場から今年で15年となる当形式ですが、数年前からワンマン運転を行うため、新型車両に置き換えられるというニュースが話題となっていました。

しかし、コロナ禍による情勢の変化から、全870両を置き換えるのは厳しいという判断?から、一転して置き換えを行わず、代わりに当形式をワンマン運転対応の改造工事を施すという情報が入ってきました。

2022年度から随時改造工事が行われる予定であり、同時に機器更新も実施される見込みです。

ソースはこちらから。

https://4gousya.net/forums/post/京浜東北線e233系1000番台がワンマン化・機器更新労組

2000番台

  • デビュー年:2009年
  • 所属車両センター:松戸車両センター
  • 営業路線:
    • 常磐緩行線
    • 東京メトロ千代田線
    • 小田急小田原線(代々木上原〜伊勢原間、但しダイヤ乱れ時には小田急新宿〜代々木上原間も走行)
    • 小田急多摩線(現在は代走時のみ)
  • 編成両数:190両(内訳:10両固定編成19本)

当初は常磐緩行線および千代田線乗り入れ用として、203系および209系1000番台置き換え用として導入されました。地下鉄線内を走行することから、従来のE233系とはデザインが異なり、前面は非常貫通扉を搭載したデザイン、側面は垂直な断面となっています。

2016年にJR⇄東京メトロ⇄小田急の3社の車両で通しで直通運転を行うこととなり、千代田線を介して小田急線にも乗り入れることとなりました。2022年現在は朝夜に伊勢原駅まで運行される以外は、基本的に向ヶ丘遊園駅まで顔を出します。

また、常磐緩行線、千代田線ではE233系で唯一自動運転「ATO」が搭載されています。

3000番台

  • デビュー年:2007年
  • 所属車両センター:国府津車両センターおよび小山車両センター
  • 営業路線:
    • 東海道線(東京〜沼津間)
    • 横須賀線(大船〜逗子間)
    • 伊東線
    • 宇都宮線(上野〜黒磯間、但し2022年改正で宇都宮〜黒磯間の定期運行終了予定)
    • 高崎線
    • 上越線(高崎〜新前橋間)
    • 両毛線(新前橋〜前橋間)
    • 上野東京ライン
    • 湘南新宿ライン
  • 編成両数:525両
    • (内訳:<国府津車>10両編成17本,5両編成21本、<小山車>10両編成16本、5両編成18本)

東海道線、宇都宮線、高崎線といった中長距離路線を走行する「近郊型タイプ」の形式です。これまで、113系や211系といった「3扉の近郊型車両」で運行されてきた路線に、「4扉の近郊型車両」のE231系1000番台が導入されていました。ここに、当形式を導入することで、211系を完全に置き換え、「4扉の近郊型車両」に統一しました。カラーはE231系1000番台に準じた湘南色の帯を纏っています。

外観は従来の1000番台に準じた設計となっているものの、「近郊型タイプ」の車両のため、車内の仕様はE233系1000番台に準じており、車内の案内表示器はLCDでなくLEDが採用されたり、一部車両がボックスシートになっているなど、違いが見られます。また制御装置も日立製のIGBT-VVVFを採用している(その他のE233系は三菱製)ことから、走行音も異なります。

編成は基本編成の10両編成と付属編成の5両編成があり、10両、5両での単独運転から、連結した15両での運転までをこなします。また、10両編成の内、4号車と5号車はグリーン車自由席を連結しています。

E231系1000番台と共通運用を組む他、E231系1000番台との混結運用も日常的に見ることができます。

5000番台

  • デビュー年:2010年
  • 所属車両センター:京葉車両センター
  • 営業路線:
    • 京葉線(市川塩浜〜西船橋間、西船橋〜南船橋間含む)
    • 外房線(千葉〜勝浦間)
    • 内房線(蘇我〜上総湊間)
    • 東金線
  • 編成両数:240両
    • (内訳:10両固定編成20本、6+4両分割編成4本)

京葉線で運用されていた201系、205系、209系500番台を置き換えるために導入されました。205系、209系500番台同様、赤色の帯を纏っています。

京葉線の東京〜蘇我間の運用を中心に、房総地区の乗り入れも行なっています。また、4編成ある分割編成に限り、朝夜の多層立て列車(成勝運用)の運用にも就き、東金線にも乗り入れます。

なお、本来は京葉線の車両(武蔵野線の車両は除く)を当形式で統一する見込みでしたが、現在は1編成少なく、209系500番台1編成(ケヨ34編成)が今も活躍していますが、先述した通り、0番台のT71編成がケヨ34編成を置き換える形で転属する可能性があります。

6000番台

  • デビュー年:2014年
  • 所属車両センター:鎌倉車両センター
  • 営業路線:
    • 横浜線
    • 京浜東北線(東神奈川〜横浜間)
    • 根岸線
  • 編成両数:224両(内訳:8両固定編成28本)

横浜線の205系を置き換えるために導入されました。山手線と区別を行うため、帯は黄緑と緑の2色の帯を纏い、横浜線の車両であることを示すため、「YOKOHAMA LINE」と書かれたロゴが特徴です。

横浜線での運用が中心ですが、日中時間帯は根岸線に乗り入れ桜木町駅まで、朝夕夜の一部列車は磯子駅、更には大船駅まで乗り入れる運用が存在します。なお、東神奈川以南の運行に対応するため、1000番台同様「D-ATC」が搭載されています。

いずれは6000番台もワンマン化へ?

先述した1000番台の解説で、将来的にワンマン運転を行うと説明しましたが、実は横浜線も、当初は当形式を新型車両に置き換え、ワンマン運転を行う対象路線として話題に挙がっていました。

しかし、昨今の情勢から、長編成の車両を全て置き換えるのは厳しいという判断から、1000番台では2022年度からワンマン運転対応の工事を行うことが明らかとなりました。

そこで、8両編成の当形式も、将来的に横浜線でワンマン運転を行う見込みであることから、1000番台と同様、いずれはワンマン運転対応の工事を行うのではないかと思われます。具体的な計画はまだ明かされていないので推測となりますが、今後の状況次第では十分可能性はあると思われます。

7000番台

  • デビュー年:2013年
  • 所属車両センター:川越車両センター
  • 営業路線:
    • 埼京線
    • 川越線(大宮〜川越間)
    • 東京臨海高速鉄道りんかい線
    • 横須賀線(蛇窪信号場〜武蔵小杉間、但しダイヤ乱れ等で品川〜蛇窪信号場間、武蔵小杉〜横浜間に乗り入れる場合がある)
    • 武蔵野・東海道貨物線(武蔵小杉〜羽沢横浜国大間)
    • 相鉄本線(西谷〜海老名間、但しダイヤ乱れや代走時は相鉄横浜〜西谷間に乗り入れる場合がある)
    • 相鉄いずみ野線(ダイヤ乱れや代走時のみ)
    • 相鉄新横浜線
  • 編成両数:380両(内訳:10両固定編成38本)

埼京・川越線で運用されてきた205系の置き換え用として導入されました。当初は埼京・川越線とりんかい線のみの運用で、10両編成31本を導入して205系を置き換えましたが、2019年11月に相鉄・JR直通線が開業し、相鉄線に乗り入れる対象車両となったことから、新たに10両編成7本が導入され、現在に至ります。

7000番台のみの特徴として、車内のLCDが他の番台と異なり、アニメーションの付いた案内を行なっている(但し相鉄線内は除く)ことが特徴です。また、埼京線内では移動閉塞方式の「ATACS」が採用されており、その保安装置が搭載されています。

8000番台(8500番台)

  • デビュー年:2014年
  • 所属車両センター:鎌倉車両センター(中原電車区)
  • 営業路線:南武線
  • 編成両数:216両(内訳:6両固定編成36本<内1本は8500番台>)

南武線の205系、209系を置き換えるために導入されました。中央・総武緩行線と区別するため(?)、黄色の帯を中心にオレンジ、茶色の帯を纏い、側面には南武線の沿線をイメージするロゴが付いています。また、E233系の番台で唯一、1路線のみでの運用です。

0番台から転属、改番された8500番台

8000番台の導入によって、205系、209系を続々と置き換えましたが、1編成のみ209系が残存した状態となっていました。

そこで、ダイヤ改正で減便が行われ、編成数が余った0番台の青編成の内、6両編成1本の青670編成が、残存していた209系を置き換える目的で転属され、8000番台に合わせた仕様に改造された後、2017年に8500番台のN36編成として南武線で営業運行を開始しました。

なお、0番台からの転属ということから、8000番台と異なる部分があり、

  • 列車番号表示器が従来の0番台同様、種別・行先表示器と一体化している
  • 0番台時代に搭載されていた半自動ドアボタンが、転属後も残存している(8000番台には搭載されていない、なお半自動ボタンは現在使用されていない)

以上の2つの特徴が8000番台と8500番台の違いです。

まとめ:総両数は3000両超え!今後も首都圏の顔として活躍する!

いかがでしたでしょうか?

今回はJR東日本のE233系に関して説明しました!

首都圏のあらゆる路線に導入され、路線の発展と共に現在も増備が続けられており、今後導入される0番台用のグリーン車を含めると、総両数は3403両にも及びます。これはJRグループの中で最多の両数を誇ります。

今後も各路線の主力して活躍を続けるE233系に、これからも注目していこうと思います!

今回はここまでとなります!最後までご覧いただきありがとうございました!

E233系関連動画はこちら!

コメント

  1. Rapid Semi Express より:

    とても詳しい記事で、読みごたえがありました。
    補足として、2000番台の定期唐木田乗り入れは2022年ダイヤ改正によって回送ですが復活しました。
    これからも質の高い記事を期待しています。

    • U5sw より:

      コメントありがとうございます。
      このように言っていただき光栄です。

      E233系2000番台の唐木田乗り入れ、回送で復活したみたいですね。
      乗車はできませんが、多摩線で見られる機会が復活したのはよかったと思います。

      これからも質の高い記事執筆に努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします!

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