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【東横系統大丈夫?】東急の新空港線建設と直通列車の設定について

皆様、こんにちは。U5swです。

今回は、最近具体案が示された、羽田空港アクセスルートとして建設が予定されている、東急新空港線と、東横線との直通列車設定に関する説明と私見を述べていきます。

現状の羽田空港アクセス路線をおさらい。

東京をはじめとする首都圏から各地方空港、および諸外国への空の玄関口として代表の1つとなっている“羽田空港”。この羽田空港にアクセスする鉄道路線は2路線あり、

  • 京急空港線(羽田空港〜京急蒲田,横浜方面,品川・押上・成田空港方面)
  • 東京モノレール(羽田空港〜浜松町間)

以上が空港アクセスの役割を担っています。

羽田空港へのダイレクトアクセスに関する課題と解決に向けての動きをおさらい

以上の2路線において、鉄路における羽田空港へのダイレクトアクセスを実現させていますが、首都圏全体を広く見てみると、ダイレクトアクセスが可能なエリアはとても限られています。特に、

  • 渋谷・新宿・池袋といった副都心エリア
  • 中目黒や自由が丘といったお出かけの街
  • 首都圏中心部の北の玄関口となっている大宮のある埼玉県
  • 北関東に属する群馬県・栃木県・茨城県

これらのエリアからアクセスする場合、必ずどこかの駅で京急空港線や東京モノレールに乗り換える必要が生じています。特に飛行機の利用者に関してはキャリーバッグといった大きな荷物を持ってフライトに向かう方が多いことから、途中駅での乗り換えは身体的にも精神的にも大きな負担になることは言うまでもありませんし、わざわざ鉄路を利用せずにタクシーや空港リムジンバスを利用されるでしょう。

このような鉄路におけるダイレクトアクセスの課題を解決すべく、現在主に2つのプロジェクトが進行しています。それが、

  • JR東日本羽田空港アクセス線(羽田空港〜新橋・東京・上野〜宇都宮線・高崎線・常磐線方面)
  • 東急新空港線(京急蒲田付近〜蒲田〜多摩川〜渋谷・新宿三丁目・池袋方面)

以上が“羽田空港への新たなダイレクトアクセス路線”として建設計画が進んでいます。

https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230404_ho03.pdf

↑JR東日本羽田空港アクセス線(仮)の工事着手に関するプレスリリース

https://www.tokyu.co.jp/company/news/pdf/20250117_newairportline_d.pdf

↑東急新空港線整備に向けての営業構想の認定申請に関するプレスリリース

その中でも今回は、“東急新空港線”に関して深掘りしていきます。

東急新空港線とは?

東急新空港線は、東急多摩川線・池上線とJR京浜東北線の接続駅である蒲田駅と、京急本線・空港線の京急蒲田駅を結ぶ予定の新線であり、徒歩で移動するには絶妙な距離のある両駅を結ぶことで、東急沿線から1度の乗換で羽田空港方面へアクセスすることが可能となります。

↑現在のJR・東急蒲田駅と京急蒲田駅の両駅の位置関係。ご覧の通り徒歩移動だと約11分と、大きな荷物を抱えながら空港へ移動するには地味にキツい距離がある(Google Mapより引用)。

また、蒲田駅から先は東急多摩川線に直通して多摩川駅へ、更に一部列車は東横線へ直通し、渋谷・新宿三丁目・池袋方面へ結ぶ列車を設定する予定となっています。

車両運用はどうなる?気になる編成両数は?

今回の東急新空港線の建設、ならびに直通を予定している東急多摩川線および東急東横線の路線事情はどう変わるのでしょうか?現状の様子と、東急電鉄が既に発表されている計画を元に考察していきます。

https://www.tokyu.co.jp/company/news/pdf/20250801_newairportline_d_1.pdf

↑東急新空港線整備に向けた速達性向上計画の認定を申請のプレスリリース

東急新空港線・多摩川線

まず、東急新空港線は蒲田から先東急多摩川線にのみ直通を行います。旗の台・五反田方面へ向かう池上線に直通列車は走らない予定です。

次に、現在の東急蒲田駅は5面4線の頭端式ホームとなっており、正面に改札口を設けた完全ターミナル駅として機能していますが、新空港線は新蒲田駅と蒲田駅の両駅が”地下ホーム”で設けられる予定であり、蒲田〜矢口渡間で地上に上がり多摩川線へ直通し、多摩川方面へ向かうようになります。よって、新空港線開業後の蒲田駅地上ホームには、池上線の列車と、雪谷検車区の入出庫関係や池上線との直通を行う多摩川線の列車のみ発着することとなります。

車両面に関してですが、現在の多摩川線は18m3ドアの3両編成の車両が、池上線と共用で使用されており、ひたすら蒲田〜多摩川間をピストン運行しています。

日中時間帯は平日が毎時8本(7分30秒ヘッド)、土休日が毎時9本(6分40秒ヘッド)での運行となっています。

東横線直通列車と新空港線・多摩川線との関係

今後の新空港線開業を機に、東横線との直通列車が走るようになるため、現行の18m3ドアの3両編成に加えて、“20m4ドアの8両編成”の車両が新空港線・多摩川線を走るようになります。現在の東横線は20m4ドアの車両で10両編成と8両編成の車両を運行していますが、プレスリリースを見ると、“8両編成のみ新空港線・多摩川線に乗り入れる”との記載があります。

これは、多摩川線内各駅の有効長が目蒲線時代の18m3ドア4両編成しか対応しておらず、ホーム延長を行うにあたって流石に20m4ドア10両編成用まで用地を確保することが厳しいため、8両編成のみの乗り入れとしたと考えられます。

また、“東横線から乗り入れる列車が停車できるよう、東急多摩川線多摩川駅および下丸子駅の乗降場(プラットホーム)の整備などをあわせて行う計画”と明記されていることから、“東横線直通列車は多摩川線内で通過運転を行うこと”が確定しており、多摩川駅と下丸子駅、そして蒲田駅(地下ホーム)と新蒲田駅は、18m3ドア3両編成の車両と、20m4ドア8両編成の車両が同じホームに停車することとなります。

よって、そもそも車両の規格が異なる車両を並行して走らせること、東横線内はホームドア、多摩川線内はセンサー式ホーム柵を設置しており、ワンマン運転を行なっていることと、安全性の面からホーム柵は設置される見込みなので、どうやって設置するのか気になるところです(昇降式ロープ柵を採用?)

東横線(目黒線)と多摩川線の連絡線

現在、東横線(目黒線)と多摩川線の系統は多摩川駅にて完全に分断されていますが、田園調布〜多摩川間において連絡線が敷設されています。目蒲線時代は目黒〜蒲田間を直通する定期列車が当たり前のように走っていましたが、分断後は主に池上線・多摩川線の車両が全般検査で長津田・恩田に運ぶ時、またはGW時のこどもの国線増発時に、輸送増強用として7000系をこどもの国線への応援に就かせるための送り込みに役立っています。

これが直通列車設定後は、東横線↔︎多摩川線の直通列車が恒常的に連絡線を使用することとなります。また、連絡線は目黒線と直接繋がっており、すぐ側に東横線↔︎目黒線を互いに行き来できるシーサースクロッシング分岐器が設置されていますが、直通運転実現に併せて、連絡線の直接接続を目黒線から東横線へ変更し、目黒線の列車と干渉することなく田園調布〜多摩川間を行き来できるようにします。

一方で目黒線への直接入線ポイントは消滅するため、多摩川線↔︎目黒線の車両の行き来は、シーサースクロッシング分岐器で一瞬だけ東横線の線路を跨いだ上で連絡線を行き来するものと思われます。

新空港線・多摩川線↔︎東横線直通列車設定における所要時間短縮効果は?

今回の新空港線の整備と東横線への直通列車の設定により、所要時間の短縮効果はどれくらいあると言われているのでしょうか?東急電鉄のプレスリリースによると、

  • 新蒲田(仮)駅〜中目黒駅間:<現行>約36分→<直通>約23分(13分短縮)
  • 新蒲田(仮)駅〜自由が丘駅間:<現行>約37分→<直通>約15分(22分短縮)

という、約10~20分レベルの短縮効果が見込めると試算しています。

現状だと蒲田駅〜京急蒲田駅間で10分以上徒歩で行き来する必要があること、多摩川線は各駅停車しかないこと、多摩川駅での乗り換えを必要とすることなど、多くの時短を阻む問題が重なっていることで、所要時間がかかってしまっているのを、新空港線整備と東横線直通列車の設定で大きく改善できることから、整備効果は非常に大きいと言って良いでしょう。

更にキングオブカオス化に… 東横線の運行形態はどうなる?

この多摩川線↔︎東横線の直通列車の設定により、更にキングオブカオス化してしまうのが東横線の渋谷〜田園調布間です。東横線系統は2013年より副都心線との相互直通運転を開始し、東急・横浜高速・東京メトロ・東武・西武との5社直通運転を実現しました。これだけでも十分カオスなのに、10年後の2023年より東急新横浜線を介した相鉄との相互直通運転も開始し、6社直通運転の実現で更にハイパーカオス化しました。

そこに更に多摩川線の直通列車を差し込むとなると… もはや訳がわかりません()

事実、東横線とほぼ並行しており、競合関係となっているJRの横須賀線・湘南新宿ライン・相鉄線直通列車が一同に介する蛇窪信号場〜武蔵小杉間もカオスですが、その路線とは本数や距離が比較にならないほど多く長くなるため、ますます混乱を招くでしょう。

どう見ても入る隙がない平日朝ラッシュ時

更に言えば、一部時間帯において、“多摩川線直通列車が入る隙のない時間帯”が存在します。それが“平日朝ラッシュ時”です。

1番の混雑のピークとなる平日朝ラッシュ時間帯において、特に上り(渋谷方面)は、

  • 元町中華街始発の通勤特急が毎時4本
  • 元町中華街始発の急行が毎時4本
  • 相鉄から直通の急行が毎時4本
  • 元町中華街始発の各停が毎時12本

の毎時計24本もの列車が都心方面へ向かいます。約5分間隔で優等列車と各駅停車が交互に発着する過密運転を行なっており、更に渋谷〜田園調布間にある待避可能駅は祐天寺と自由が丘にしかなく、両駅の朝ラッシュ時間帯は常時優等列車が先行の各駅停車を追い抜いているため、多摩川線からの直通列車が東横線に入る隙がないのです。

東横線は横浜方面の輸送が主体のため、元町中華街始発の列車を削減することは考えられません。となると、考えられる運行形態としては、

  • 多摩川〜新蒲田間のピストン運行
  • 相鉄線から東横線へ直通する列車の削減(削減分は目黒線へ直通する列車で補填?)

となります。但し、後者としては日吉・武蔵小杉から渋谷方面へ向かう列車が削減されるので、比較的利用者の多い両駅からの優等列車削減はダメージがデカいと思うので、前者の方が可能性が高いと見ています。

運行開始にはまだ多くの年数がかかるため、その間に信号シズテム等を改修し、毎時24本よりも更に多くの列車を走らせることも可能なのでしょうか…?(正解は数十年後)

日中時間帯は毎時2本、平日夕ラッシュ時は毎時4本運行も可能?

一方で、平日朝ラッシュ時以外はまだスジを入れる余裕があるため、直通運転はまだ容易にできるものと思われます。

例えば日中時間帯であれば、現在15分サイクルで

  • 元町・中華街発着Fライナー特急1本
  • 元町・中華街発着急行1本
  • 元町・中華街発着各停2本

が運行されており、その間に30分サイクルで

  • 湘南台発着急行1本

が間に入る毎時18本のダイヤを構成しています。

この湘南台発着急行が間に挟まらない隙間を埋める形で、新蒲田発着の多摩川線・新空港線直通列車を30分サイクルで1本、毎時2本運行できると、ダイヤのバランス的に丁度よくなるでしょう。

また、平日夕ラッシュ時間帯であれば、現在15分サイクルで

  • 元町・中華街発着通勤特急1本
  • 元町・中華街発着急行1本
  • 元町・中華街発着各停2本
  • 湘南台発着急行(一部武蔵小杉発着急行or各停)1本

という形で概ね毎時20本のダイヤを構成しています。

そこに新蒲田発着の多摩川線・新空港線直通列車を15分サイクルで1本、毎時4本運行できると、こちらもダイヤのバランス的に丁度よくなるでしょう(毎時24本の限界ギリギリダイヤになってしまうのは承知だが)。

8両編成だからできること?急行に加えて”準急”を新設する説を提唱してみる

これは個人的な妄想に過ぎませんが、東横線↔︎多摩川線・新空港線直通列車の編成両数が“8両編成”で決まっていることから、東横線(渋谷〜多摩川間)の停車駅に関して、

代官山・祐天寺・都立大学の3駅を通過する”急行

に加えて、

代官山・祐天寺・都立大学の3駅に停車する”準急

を設定してみるのはアリだと思います(というか現実味は十分あると思う)。

まず前提条件として、東横線の各停のみの停車駅は“8両編成”しか対応しておらず、10両編成の車両は急行以上の種別でしか運行することができません。

しかし、多摩川線・新空港線直通列車は“8両編成”のみで運行させる計画なため、代官山・祐天寺・都立大学の3駅に停車することは可能であることから、東横線内は無理に通過する必要はありません。

むしろ、羽田空港へのアクセスは、渋谷・中目黒・自由が丘といったターミナル駅に留まらず、どんな小さな途中駅でも僅かながら存在するものと考えれば、

わざわざ停車駅を絞って速達性を確保するよりも、停車駅を増やしてこまめに需要を拾う

この方が理に適っているのではないかと思います。

現在東横線に準急の運行はありませんので、準急新設のハードルは低いと言えますし、代官山・祐天寺・都立大学の3駅の利便性も向上することになるでしょう。

(プレスリリースは速達性の向上に焦点を当てていますが、仮に準急だったとしても多摩川駅での乗り換えがなくなるだけで十分な短縮効果は現れると考えています。)

使用車両はどうなる? 運行開始時期的に既存車の置き換えが発生してもおかしくない状況。

最後に気になるのが使用車両について。東横線系統の8両編成の車両は現在、

  • 東急5050系21編成
  • 横浜高速Y500系6編成
  • 東京メトロ17000系15編成

で運用を回しています。これに多摩川線・新空港線直通列車が加わると、まずは必然的に“直通列車分の列車増備”が行われることでしょう。増える運行区間は全て東急線のため、東急車が増備されると考えています。

但し、直通列車の運行開始時期について、プレスリリースでは”令和20年代前半(2038年〜)”と明記されており、早くても後13年は待つ必要が出ます。そうなると気になるのは車齢。特に2004年に登場した東急5050系の初期車や横浜高速Y500系は、“製造から30年以上が経過”してしまうこととなります。

そうなると、上記に示した車両を置き換える目的で、“開業に併せて新型車両が登場する可能性”も十分にあると言えるでしょう。

また、現在は自社線内での運行のみにとどまっていますが、

西武40000系の8両編成

が直通運用に入る可能性もあります。これは、同形式の10両編成と同様、運番表示やワンマン対応スイッチが取り付けられており、行先表示のROMにも一応和光市といった直通先の行先が用意されていることが確認されています。ホーム監視用モニタは未設置なものの、将来的に取り付けられる可能性があるため、当形式も一応候補に入れてみました。

<ところで> 羽田空港に直接乗り入れはできないのか? “三線軌条”化で京急空港線と線路を共有?

ここまで東急新空港線の整備に関して述べてきたが、読者の皆様からすると1つ大きな疑問が浮かんだことでしょう。

なぜ京急蒲田止まりで、羽田空港に直接乗り入れしないの?

その指摘はごもっともであり、もし新空港線と名乗るならば、ちゃんと空港まで乗り入れるのが筋なのではと思うのは不思議ではありません。

実は今回営業構想が挙がった新空港線はあくまでも“第1期区間”であり、実は“第2期区間”の構想もあります。それは、

新蒲田駅(仮)から地下を進み、京急空港線の大鳥居駅付近でそのまま京急空港線と線路を共有する形で乗り入れて、そのまま羽田空港駅に向かう構想

です。

新空港線「蒲蒲線」、国が東急の構想認定 今夏にも具体案 - 日本経済新聞
東急電鉄の蒲田駅と京浜急行電鉄の京急蒲田駅を結び、羽田空港へのアクセスを改善する新路線「新空港線(通称・蒲蒲線)」が実現へ動き出す。国土交通省は4日、東急などが申請した整備・営業構想を認定した。2025年夏に申請する運営計画の認定を経て正式...

↑日本経済新聞の記事。こちらに第2期区間の構想が掲載されている。

これにより、東急沿線や副都心エリアから乗り換えなしで羽田空港まで辿り着くことができるので、空港アクセスが更に強化されます。また、京急空港線に乗り入れることで新たに建設すべき区間を減らすことができ、工期の短縮や建設費の圧縮を実現することができます。

しかし、この第2期区間の構想には大きなネックがあります。それは、

  • 東急と京急で線路の幅や車両の規格が異なること
  • 京急空港線の線路容量に余裕がないこと
  • ダイヤ乱れ時はとてつもないパニックになること

以上の3つがあります。

まず、線路の幅問題ですが、東急電鉄は世田谷線を除く全線が1,067mmの”狭軌”を採用しているのに対し、京急電鉄は全線が1,435mmの”標準軌”を採用しているため、線路幅が異なります。よって、東急新空港線が京急空港線に乗り入れる形をとる場合、3本の線路が並行する“三線軌条”の区間となります。

現存している三線軌条区間の代表例として、

  • 青函トンネル区間
  • 箱根登山鉄道(入生田〜箱根湯本間)
  • 秋田新幹線と田沢湖線・奥羽本線並行区間

等がありますが、もし三線軌条区間にする場合は大掛かりな線路敷設工事を行う必要があるため、場合によっては京急空港線を運行休止にする必要性も出てくるため、沿線民や空港利用者に大きな影響が出る場合があります。

また、多摩川線と東横線の車両の規格が異なるのならば、京急と東急の車両の規格も当然異なり、

  • 東急東横線:20m4ドア車両(狭軌)
  • 東急多摩川線:18m3ドア車両(狭軌)
  • 京急空港線:18m3ドア車両(標準軌)

ご覧の通りバラバラとなっていることと、京急のドア位置は全体的に真ん中に集中しているので、多摩川線車両のドア位置とも微妙に異なるので、ホームドア関係で色々と面倒なことになってしまいます。

次に、京急空港線の線路容量に余裕がないことですが、現在の京急空港線の日中パターンダイヤは、

  • 羽田空港〜(スカイアクセス線経由)〜成田空港間のエアポート快特or羽田空港〜青砥間の快特<交互運転>
  • 羽田空港〜印旛日本医大間の特急
  • 羽田空港〜逗子・葉山間の急行

この3系統が各々20分サイクルのダイヤを組んでおり、毎時9本運行されている他、他の時間帯ではもう少し本数が増えて毎時10~13本運行される時間帯もあるので、ここに東急からの直通列車を挟む余裕がありません。

また、終着駅の羽田空港第1・第2ターミナル駅は1面2線の地下駅であり、東急直通列車が加わる場合、新たにホームを新設する必要が出てくるのと、地下駅のためホーム増設は容易に行えないことから、この点でも現実的ではないと言えます。

最後に、直通列車=ダイヤ乱れ時の大パニック問題。東急の場合、多摩川線までならまだそこまで影響は広範囲に及びませんが、東横線に直通するとなるとまた話が変わってきます。一方で、京急側も直通網は大きく、京急線内(大師線除く)は勿論、都営浅草線・京成線・北総線・芝山鉄道線にも影響が広がってしまうため、東急の遅れが京急にも響く(その逆も然り)となると、もう首都圏のほとんどの鉄道が麻痺してしまうという恐ろしい事象が発生することとなります。

以上の懸念を踏まえると、東急新空港線が京急空港線に乗り入れる形で羽田空港を目指すのは

正直やめた方がいい

と思います。あまりにも現実味がなさすぎますし、色々と懸念事項が多すぎるので、だったらまだ東急単独で羽田空港を目指す方が望ましいと言えるでしょう。

まとめ: 空港アクセス強化は喫緊の課題、但し東横線は心配

いかがでしたでしょうか?

今回は東急新空港線の建設計画と、それに併せた東急多摩川線・東横線の直通列車設定に関して説明と予想をしました。

羽田空港への鉄路からのアクセスが限定的となっていることから、渋谷・新宿・池袋の副都心エリアと渋谷〜多摩川間の東横線沿線、多摩川線沿線から新蒲田(京急蒲田)乗り継ぎで羽田空港へアクセスすることができ、利便性が向上します。

その一方で直通列車運行による東横線直通により、ただでさえ直通網が複雑かつ膨大な東横線系統に新たに新空港線・多摩川線からの直通列車が加わるとなると、よりカオスな状況となりしっかり運行ができるのかが心配な要素です。

新空港線の開業は早くても17年ほど。果たして、その頃は一体どのようになっているのか?遠い未来ではありますが、今後の進展に注目です。

今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!

U5sw