皆様、こんにちは。U5swです。
今回は京王線に関する話題から、現在行われている高架化工事に関する説明と予測を行なっていきます!
京王線は新宿〜京王八王子間を結ぶ路線であり、調布からは橋本方面に向かう相模原線、北野からは高尾山口方面に向かう高尾線が分岐しており、いずれの路線も終日新宿方面へ列車が乗り入れています。
そのため、京王線の笹塚〜橋本間に関しては、運行本数が非常に多い区間であり、日中時間帯も上下線いずれも毎時21本の定期列車が行き交う超過密路線になっています。
しかし、この区間において、八幡山駅(高架化)、国領〜橋本間(地下化)以外は全て地上区間を走っているため、踏切がとても多く、高頻度運行に伴う踏切の閉鎖時間の長さや、踏切における事故等で遅延が発生するなど、様々な課題を抱えています。
そこで京王電鉄はこの区間のうち、笹塚〜仙川間の約7.2kmの区間を高架化する事業を行っています。
高架化事業の概要はこちらのホームページも参照願います。
高架化工事の準備が行われている様子はこちらの動画からも確認ができます!
ここで、地上区間を走る路線を高架化することでどのような効果が生まれるのでしょうか?以下に示します。
まず、1番効果があるのが「踏切の減少」でしょう。列車の通過によって待ち時間や渋滞が増えるという無駄を解消することで利用しやすくなるのはメリットしかありません。京王線は本数も多いので、頻繁に行き交う列車を何本も見送らずに済みますね。
特に朝ラッシュ時間帯における明大前駅付近は有名な「ダンゴ運転」という、列車が短い間隔で絶え間なく行き来する運転を行なっており、周辺の踏切は「開かずの踏切」状態となるため、それがなくなるのはとても大きいでしょう。
次に、高架化を行うことで新たに高架駅となる駅(今回でいえば代田橋駅、明大前駅、下高井戸駅、桜上水駅、東北沢駅、芦花公園駅、千歳烏山駅の7駅が高架駅に)においては、周辺用地の関係で狭くなっていたホームを全体的に広げられ、かつホームドアを設置できるため、ホーム内の安全性を高めることが可能となります。高架化した場合、道路の真上にもホームを作れるため、設置の自由度が広がるのも大きなメリットでしょう。
最後に、周辺の建物や道路の関係から急カーブで作らざるを得ず、列車のスピードダウンによる影響を緩和し、速達性の向上を図ることができるのも高架化の強みです。
また、今回の高架化事業において、駅構内の線路数を倍にする駅が誕生します。
それが、「明大前駅」と「千歳烏山駅」です。
明大前駅はその名の通り「明治大学」の最寄り駅であり、京王電鉄においては、京王線と井の頭線の乗換駅であり、京王線では京王ライナーを除く全ての種別が停車、井の頭線も急行を含む全列車が停車する中心駅です。
その京王線ホームにおいて、現在の相対式2面2線のホームを高架化と同時に2面4線に拡大することとなっています。
千歳烏山駅は世田谷区にある中心駅の1つであり、利用客の多さから2015年に準特急が停車するようになり、京王ライナーと特急以外全ての種別が停車しています。
この駅も相対式2面2線のホームを高架化と同時に、現在の2面4線に拡大する予定となっています。
以上の2駅を2面4線化することで、以下のような効果を得られることができます。
列車が入線できる線路数を増やすことで、入線できる列車が増えるため、前の列車が駅に停車していることで、後続列車が詰まってしまう問題を解決することができます。
京王線の笹塚〜調布間で緩急接続や追い越し、待避ができる駅は桜上水駅、八幡山駅(追い越しと待避のみ)、つつじヶ丘駅の3駅のみで、京王線の中で1番運行頻度の高い区間の割には待避設備が少なく、よく列車が詰まってしまうため、駅の線路数を増やすことで課題を解決し、所要時間の短縮にも繋げることができます。
また、明大前駅や千歳烏山駅は多くの列車が停車することもあり、優等列車と各駅停車の緩急接続を行えたり、通過列車の待避を行うことが可能です。
加えて、京王ライナーにおいては、信号システム(駅近くの踏切)の都合で運転停車を余儀なくされていた明大前駅を速度を落とさずに通過できるようになり、かつ先行列車を追い抜けるため、所要時間の短縮を実現できます。
以上のことから、笹塚〜仙川間の高架化によって、これまでのダイヤに何らかの変更が加えられると思います。そこで、現在のダイヤと高架化後のダイヤでどんな変更がなされるのかに関して、日中時間帯のパターンダイヤを用いて予測してみます。なお、都営新宿線のダイヤも併せて掲載しています。
なお、あくまでも予測ですし、今後の京王線の利用状況において大きな変更がなされることもあるので、参考程度にご覧ください。
今回重視した点に関しては、
以上の3点を意識した上で予測しました。
まずは現行ダイヤの時刻表です。細かいところが多く見辛さもあるため、以下にダウンロードできるPDF版も載せておきます。
続いて、高架化完了時の予測ダイヤです。こちらもPDF版を載せておきます。
現行ダイヤと高架化後ダイヤを比較し、変更となったポイントを挙げていくと、
新たに2面4線化される明大前駅では、新宿駅が近いため緩急接続は行わないという設定にしていますが、上下線で毎時21本走る過密ダイヤのため、交互発着という形で活用すると考えました。下り線で例を示すと、
このように本線と待避線をフル活用して交互発着を行うことで、後続列車がホーム直前で徐行および停車することなく捌けるため、円滑な運行が可能となります。
続いてもう1つの2面4線化される千歳烏山駅。この駅に関しては橋本発着の(B)準特急と橋本発着の快速が緩急接続を行えるようになると考えました。
現在のダイヤでは八幡山駅で快速が(B)準特急の退避を行うため、
新宿、笹塚、明大前〜[(B)準特急]〜千歳烏山〜[快速]〜仙川、つつじヶ丘〜[各駅停車]〜柴崎、国領、布田
という速達ルートが作られています。これを千歳烏山駅で緩急接続を行うことで、
下高井戸、桜上水、八幡山〜[快速]〜千歳烏山〜[(B)準特急]〜調布、京王稲田堤、京王永山、京王多摩センター-橋本間各駅
という新たな速達ルートが完成するため、主に相模原線の準特急停車駅の利用客にとって利便性が大きくなると思います。
最後に橋本発着の(B)準特急ですが、よく先行列車に詰まりがち、かつ接続列車が少ないため、桜上水駅での各駅停車退避、および調布駅での京王線各駅停車との接続を考えてみました。
桜上水駅での退避を行うため、橋本準特急の1分後に新宿駅を出る各駅停車を、八王子(高尾)準特急の2分後に新宿駅を出る設定に変えることで(新宿行きはその逆)、橋本準特急の1〜2分の速達化ができると考えています。
ただし、問題点として、各駅停車の新宿駅折り返しに影響が出てしまいます。この予測ダイヤだと、新宿行きの各駅停車が新宿駅を発車する各駅停車を待たないといけないため、所要時間が余計に伸びてしまうこと(桜上水退避ももちろん)、運用数が余計に増えてしまうことが懸念点として挙げられます(こちらに関しては、今後考え直してみます)。
そして、調布駅での各駅停車の接続ですが、日中時間帯に限り京王八王子および高尾山口発着の特急および準特急の詰まり防止のため、対面接続は行われておらず、
という形でしか接続されていません。これを対面接続できるようにすることで、
新宿、笹塚、明大前、千歳烏山〜[橋本準特急]〜調布〜[各駅停車]〜西調布-府中間各駅
という速達ルートが実現できます。実現に向けて、京王八王子および高尾山口発着の特急や準特急の調布駅での停車時間が増えていますが、そこまで影響がないという風に考えています。
いかがでしたでしょうか?
今回は京王線の高架化の概要と高架化後のダイヤ予測に関して説明していきました。
高架化工事はすごく時間のかかる工事のため、完成がいつになるかはわかりませんが、高架化によってどのような効果が生まれるのかが楽しみですね!
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!