皆様、こんにちは。U5swです。
ここ最近、大阪を中心とした京阪神や都内で新型感染症の感染者が増え、4月25日より東京、大阪、京都、兵庫の1都2府1県で緊急事態宣言が再度発令されることとなりました。
また、政府は緊急事態宣言が発令された地域を走行する鉄道会社に、主にGW中の鉄道の運行本数を減便する要請を出し、現在鉄道会社では実際に減便に踏み切った会社も続々と出ています。
減便に関するニュースはこちら↓
もちろん、感染拡大を防ぐ意味では行うべき手段の1つだと思いますし、人の流れを抑制しないといけない状況であることは十分わかります。
しかし、今回の鉄道の減便に関しては、正直、
「感染を抑制する根本的な解決にはならない」
と考えています。その理由を今回説明していこうと思います。
1番の理由はまさにこれでしょう。
感染拡大を防ぐためには、ソーシャルディスタンスを保つことが必要と言っているのに、減便してしまうとその分1列車に乗車する乗客が増えてしまい、余計混雑が増してソーシャルディスタンスどころではなくなってしまいます。なぜ逆効果を生むような発想にしか至らないのでしょうか?
GW期間中とはいえ、今回の要請期間には一部平日も含まれています。この1年で急速にテレワークやオンライン授業が普及したわけでもなく、また、中には導入できない職場や学校も存在し、通勤通学せざるを得ない方もいるというのに、減便で余計に使いづらくしてどうするのか?車内の混雑を増して感染拡大のリスクを上げてどうするのか?というのが素直な疑問です。
実際に、各鉄道会社は換気や営業前のアルコール除菌等の対応を行い、感染対策に尽力されていますが、混雑が増してリスクが高くなってしまえばその努力の効果も減ってしまう可能性が高いことは言うまでもありません。
「減便すれば人の流れをしっかり抑えることができる!」という考えなんでしょうけど、あまりにも安易すぎると思います。中にはGW中のテーマパークやショッピングモール、公共施設の休館もあり、移動の目的を制限しているところもありますが、それでもほんの一部にしか過ぎませんし、移動手段を減らしても、移動目的をしっかり減らさないようでは根本的な解決に至りません。
そこまで人の流れを止めたいのであれば、
くらいしないと効果がないと思います(ただ実際にやったところで好転するかと言われるとその保証もないし…)。
減便の影響は通勤通学といった利用客だけにとどまりません。要請を受けた鉄道会社にも負担が増えてしまいます。主な負担を以下に示すと、
そもそも鉄道の運行は、決められた時間、決められた行路に沿って列車を走らせるダイヤグラムに基づいて運行を行なっているのであって、単に気まぐれに走らせているわけではありません。
その鉄道の運行本数を1本減らすだけでも、鉄道会社にとっては労力を使うこととなります。実際行わねばならない対応は以下の通り。
これらの対応が加わる上に、政府から「直ちに減便しろ!」って言われたら「そんな無茶な」ってどこの鉄道会社も思うことでしょう。このことから、鉄道会社の配慮と手間に関しても、安易に考えすぎなのでは?と言わざるを得ません。
臨時列車の運休や台風といった自然災害に伴う間引き運転ならやむを得ないと思いますが、今回のこのような事態の中で定期列車を含めた減便や運行区間の短縮、終電の繰り上げへの対応はそう簡単にできるようなものではないということをなぜ考えられないのかな?と疑問に思うばかりです。
「増便しろ!」とまでは言いませんが(減便が簡単にできないのなら増便も勿論簡単にできない)、減便はせずに現状維持で良いと私は考えています。
これは鉄道会社に限らず、飲食店や観光地、宿泊施設といった自粛を要請されている所にも当てはまっていますが、ただでさえお客さんが減少して経営のやりくりも苦しいのに、「自粛しろ!減便しろ!無観客にしろ!ただし経営は自己責任でやってね。」って言われたらたまったもんじゃないでしょう。鉄道会社に関しては、国や自治体からの補償が出ているということも聞いたことがないですし、何も対応してくれなければ「言うことなんて聞くか!」ってなるに決まっています。
もちろん国や各自治体からの補償が全くないとは言いませんが、十分な補償も得られないまま要請に従うことで、更に窮地に追い込まれた結果、経営が破綻してこれまで利用できていたお店や施設、交通機関等が利用できなくなったら誰に対しても得はしないでしょう。また、1度潰れたものが復活するのもそう簡単にできるようなものではありません。
そんな切羽詰まった状況を見て、これだけ無責任な行動や言動が簡単にできる神経が私にはわかりません。単に要請だけすれば国民全員が従ってくれるとでも思っているのでしょうか?正直甘すぎると思いますし、余計に国民からの反感を買うだけだと思います。
「仕事を任せる分それに見合った対価を与える」のと全く同じで、「協力してもらう分それに見合った補償を出す」のは最早当たり前の話。それをきちんとこなした上で国民に要請していただきたいものです。
ここまで、鉄道会社の減便要請が感染抑制の根本的な解決に至らない理由に関して私の考えを述べてきました。
しかし、現在も緊急事態宣言を再度発令しないといけない状況ではありますし、感染を抑制するために、私たちが節度ある行動を取るべきだと思います。ここは決して勘違いしてはいけません。
感染のリスクが高くなる場所に行かないこと、リスクの高い行為を避けること、衛生面により気を遣って行動すること、健康状態を良好に保つことなど、私たちがやるべきこと、できることはたくさんありますし、しっかり実行していくべきです。
感染に対する不満、制限に対するストレスなど、依然ネガティブな要因はつきものですが、いい方向に向かうためにも1人ひとりが責任を持って過ごすように努めましょう。
そして、今の政府に関しては、日本の現状をしっかり踏まえ、考えた上で判断を下していただきたいです。これ以上国民を振り回して国が壊滅的な状況にならないよう、適切な策を講じてもらいたいものです。
今回は私がどうしても気になって仕方がなかった話題だったため、1つの記事にしてみました。勿論、感染対策を徹底することは大事ですし、要請に正直に従った鉄道会社を責めることは全くありません。
中々本来の生活に戻れないもどかしさでいっぱいですが、1日でも早く感染が収まって欲しいと願っていますし、日本経済が悲惨なことにならないよう、政府にはしっかりと役割を果たしてもらいたいものです。
そして、今回の要請により対応をなされた各鉄道会社さん、本当にご苦労様です。シビアな状況の中でも、利用客と今後の日本のためにやり繰りしていただいている鉄道会社さんに、この場をお借りして感謝申し上げます(勿論、バスや飛行機といった公共交通全般に関しても同様です)。
以上となります。