皆様、こんにちは。U5swです。
今回は、西武鉄道の話題から、2019年にデビューした新型特急車両、001系「Laview」についての未来予測です。
まず、001系「Laview」に関する説明です。
前回の記事でも説明しましたが、2019年3月にデビューした新型特急車両であり、これまで活躍してきた10000系「ニューレッドアロー」を置き換えるために導入された車両です。
全て銀色の車体に、丸みを帯びた前面デザインから、導入発表当時は「走る弾丸」と呼ばれるなど、斬新かつ奇抜なデザインが話題になりました。また、今までの鉄道車両の概念を覆すような、「側面窓の大きさ」が特徴です。座席の足元まで窓を拡大することで、側面の景色はもちろん、足元の景色まで見ることができる構造になっています。車内の座席は黄色を基調とした暖かみのある雰囲気が特徴です。
2020年までに8両編成7本が製造され、現在は池袋〜西武秩父間を走る「ちちぶ号」、池袋〜飯能間を走る「むさし号」、そして野球開催日に臨時列車として池袋〜西武球場前間を走る「ドーム号」の全ての列車で活躍しています。
そして、001系の隠れた秘密兵器?として、前照灯と尾灯を使ってあることができるのです。それがこちら。
「なんと、電車が笑っているではないですか…」
流石に走行中は一般の表示で走行しますが、車庫見学会といったイベント時のサービスの一環として、スマイル表示ができるシステムが搭載されています。遊び心が感じられますし、可愛いですね(*^ ^*)
ところで、元祖スマイルトレインといえば通勤型車両の西武30000系が愛称として親しまれていますが、こっちが真のスマイルトレインでしょうか…?
ここまで001系の紹介を行いましたが、実はこの車両は、「スマイル表示」以外にも秘めたるポテンシャルを持っています。それは…
「地下鉄に直通できる可能性がある」
ということです。では、その根拠は何か?以下にまとめてみました。
現在の001系は、西武線内の特急のみを走行していますが、西武線内のみを走る車両の場合、前面の非常用扉を設置する義務はありません。先代の特急型車両の10000系を見ると、非常用扉が付いていないのがわかります。
しかし、001系に関しては、つける必要のない非常用扉が設置されています。これを見ると、トンネル内を走るため、非常用扉設置が義務化されている地下鉄線(有楽町線や副都心線)に乗り入れる可能性があるといえます。
実際、西武の通勤型車両を見ると、相互直通運転用車両の6000系や40000系には前面の非常用扉が設置されているのに対し、西武線内のみを走る20000系や30000系に関しては、乗り入れないことを前提に設計していることから、非常用扉は設置されていません。
これは個人的な推測ですが、先代の10000系「ニューレッドアロー」が7両編成で活躍していることに対し、001系が8両編成で製造されたことです。
その理由としては、従来よりも1両増やすことで、特急の着席需要を増やし、多くの方に利用していただくことが挙げられます。また、Laviewの車両が、自宅のリビングのようにゆったりと過ごせるよう、座席のスペースが広く取られている設計となっているため、その分従来の特急車両よりも座席数が少なくなることを懸念して1両分増やしたことが挙げられます。
しかし、8両編成で製造された理由はこれだけではないと考えています。私自身は、上記の理由に加えて、地下鉄の直通に対応することも関係しているのではないかと考えています。
現状、西武池袋線が相互直通運転を行っている東京メトロ有楽町線・副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線において、有楽町線(小竹向原〜新木場間)は10両編成のみ、それ以外は8両編成と10両編成の車両が運行されています。
また、乗り入れ路線において、みなとみらい線の新高島駅を除く全駅において、ホームドアが設置されています。そのホームドアに関しては、8両編成(有楽町線除く)と10両編成の車両に対応しています。
このことから、仮に001系を7両編成で製造した場合、新たに7両編成用の停車位置やホームドアの対応を行わねばならず、もし直通運転を行うってなった場合に、手間がかかってしまいます。そのため、8両編成で製造することによって、もし直通運転を行うとなった際に、対応工事の手間を減らせるのではないかと考えています。
また、001系は他の4扉通勤型車両の扉規格に合わせた扉の配置になっているため、東京メトロ、東急、横浜高速のホームドアにも物理的に対応しています。西武線内でも、特急停車駅の所沢駅が既にホームドア設置の駅となっており、一般の4扉通勤型車両に合わせる形で、一般のホームドアが稼働しています。
なお、本川越駅の特急専用ホームが7両編成にしか対応していない新宿線系統では、引き続き先代のニューレッドアローが運行されており、西武新宿駅や高田馬場駅、新宿線の所沢駅では、ニューレッドアローの扉配置に対応した大開口のホームドアが稼働しています。
西武線内では、車外に青、黄、赤の現示を行う信号機が設置されており、その現示に従って列車を運行するATS(自動列車停止装置)が保安装置として搭載されています。しかし、直通先の東京メトロや東急、横浜高速の各路線では、信号機でなく、車内の速度メーターに表示された現示を使用して運行させるATC(自動列車制御装置)という保安装置を使用しています。また、副都心線内においては、自動運転を行うためのATO、TASCという保安装置も使用されています。直通対応車両に関しては、これらの装置が全て搭載されている一方、直通非対応の車両にはATCといった保安装置が搭載されていません。
しかし、001系に関しては、直通運転ができるような保安装置が製造当初から搭載されています。
また、行き先表示に関しても、「池袋」や「西武秩父」といった西武線内のみの行き先に加えて、みなとみらい線の「元町・中華街」といった行き先も表示できるよう搭載されています。
このことから、いつでも東京メトロや東急、横浜高速に乗り入れる準備が万全であることがわかります。
その証拠となるソースとしては、こちらの動画で確認することができます。
また、Laviewの地下鉄乗り入れの可能性に関しては、こちらの記事でも紹介されており、その中では、「Laviewが地下鉄直通に対応している」旨が記されています。詳しくはこちらの記事をご覧ください!
乗りものニュースさんから引用
以上の根拠から、001系が将来的に直通運転を行えることがわかりました。では、その直通先はどこになるのでしょうか?
直通運転のパターンは2つあり、一方が東京メトロ有楽町線に直通し、都心中心部を経由して新木場に向かうパターン、もう一方が東京メトロ副都心線に直通し、新宿や渋谷といった副都心、更に東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線に直通し、横浜やみなとみらい、元町・中華街に向かうパターンです。
個人的に、後者が有力となるでしょう。その理由として、
以上の2つが考えられます。
現状、土休日限定で西武秩父、飯能、所沢〜元町・中華街間を結ぶ座席指定列車「S-TRAIN」が運行されています。ライナー運用にも対応した通勤型電車40000系が使用され、座席指定券を購入することで座って移動でき、観光やお出かけの需要に応えています。
しかし、本数が少なく(1日に横浜方面2本、所沢方面3本のみ)あまり身近に感じない列車である?ためか、現状S-TRAINの利用率はそこまで高くありません。一応フリーWi-Fiや電源コンセント、車内トイレが設置されていますが、通勤型車両のため、座席にリクライニング機能がないなど、物足りなさがあるというのも課題です。
そこで、現状よりも多くの方に利用してもらうとなると、従来のS-TRAINを置き換える形でLaviewを元町・中華街まで運行させるのが最善策かなと考えます。
Laviewは通勤型車両と比較対象にならないほど快適性や居住性に優れており、特別な空間の中で移動を楽しむことが可能ですし、現在は通勤型車両しか運行されていない副都心線や東横線、みなとみらい線に特急型車両が来るとなると、沿線や利用客から大きな注目を集めることができ、S-TRAINよりも更に利用率が伸びることが予想できます。
実際、東京メトロ千代田線では、北千住や大手町から小田急線に直通し、都心と郊外を結ぶ通勤ライナーの役割を持つ「メトロモーニングウェイ号」「メトロホームウェイ号」や、箱根や江ノ島といった観光地を結ぶ観光特急の役割を持つ「メトロはこね号」「メトロえのしま号」に、小田急の特急ロマンスカー「MSE」が使用されており、通勤需要や観光・お出かけ需要に応えているという実績があります。そのため、LaviewにもMSEのような効果を与える期待が大きく膨らみます。
もし、001系「Laview」が直通運転を行うとなれば、現在運行されている副都心線のS-TRAINはどうなるのか?また、専属車両の40000系はどうなるのか?いくつか案を考えて見ました。
まず、Laviewが横浜方面にまで乗り入れるとなると、現在運行されている副都心線系統のS-TRAINは、Laviewに置き換わる形で運転を取りやめると考えます。設備やサービスがグレードアップしたLaviewと並行して運行させるメリットはほぼないと思うからです。
では、S-TRAINに使用された40000系はどうなるのか?ということですが、以下の可能性が考えられます。
まずは、「有楽町線系統のS-TRAIN」を土休日にも運行させる案ですが、単純に現在は平日の朝と夕方以降に運行されている、小手指、所沢〜豊洲間で運行されているS-TRAINを土休日にも運行させることで、西武沿線〜都心のお出かけや観光需要を生み出せるのではないかと思います。副都心線系統で使用していた車両を有楽町線系統に移行させれば良いので、そこまで手間はかからないと踏んでいます。
例えば、西武秩父〜新木場間のS-TRAINを運行させることで、都心から秩父観光へ乗り換えなしでアクセスできたり、西武沿線から都心へのお出かけや、新木場で京葉線に乗り換えることで「東京ディズニーリゾート」に快適に遊びにいけたりという需要が生まれます(現在は新型感染症でそういう状況でもないですが…)。
次に、西武40000系で運行されている”もう1つ”の座席指定列車「拝島ライナー」の増発対応です。拝島ライナーは2019年のダイヤ改正で登場した、西武新宿から拝島を結ぶ座席指定列車で、平日・土休日共に西武新宿17:15〜22:15発で1時間おきに1本運行、全体で6本運行されています。
その拝島ライナーにおいて、副都心線系統のS-TRAINを活用して拝島ライナー分に回し、増発させるという案を考えてみました。ただし、この案に関しては、平日は有楽町線のS-TRAINが運行されており、増発の余裕が出るのが土休日のみに限定されてしまうため、可能性は低いと思います。
そもそも拝島ライナーは都心から拝島線沿線の帰宅需要に対応した座席指定列車のため、土休日より平日の方が需要が多いので、土休日のみ増発させるのは考えられないと思います。
もし平日にも増やすとなると、予備車確保の観点から40000系を増備する必要性があり、デュアルシートや車内トイレといった設備を必要とする観点から、製造コストが高くつくため、現実的ではないでしょう。
最後に、何も手を加えず一般の通勤型車両として運行させる案ですが、40000系はライナーの固定運用に入らない場合は、急行や準急といった一般列車の運用に入っていますし、ごく稀に地下鉄直通の運用にも入っています(ライナー運用の間合い運用は存在する)。上記のようなライナー列車を運行させる必要性がない場合は、ロングシート状態で一般車運用に入れさせれば手間もかからなくて済むので、こちらの方が現実的かなと考えています。
いかがでしたでしょうか?
今回は001系「Laview」の秘めるポテンシャルとして、東京メトロ、東急、横浜高速に乗り入れる可能性と未来予測を行いました。
今後直通列車の運行が実現できるかは未定であり、現在具体的な計画がある状況ではありませんし、Laviewを直通するにあたって、運行計画や他社線での習熟運転を行わねばなりません。
ただし、個人的に渋谷や横浜といった直通先でLaviewが見たいなと思っています。新型特急「Laview」の未来に関して、これからも注目していきたいと思います。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!