皆様、こんにちは。U5swです。
今回は半直系統(東急田園都市線、東京メトロ半蔵門線、東武スカイツリーライン)の車両動向に関して説明していきます!
半直系統は、東急田園都市線の中央林間から渋谷を通り、渋谷から東京メトロ半蔵門線を経由して押上へ、押上から東武スカイツリーライン(伊勢崎線、日光線)を経由して久喜、南栗橋までを結ぶ長距離の系統です。
2003年より3社での相互直通運転が開始されており、東急車、メトロ車、東武車全て10両編成の車両がほぼ終日行き来しています。
現在、半直系統で使用されている車両は、東急車、メトロ車、東武車共に世代交代が進んでいます。まず、2021年6月前半において、活躍していた車両は以下の通り。
次に、数年後の半直系統で活躍する車両はこのように変わります。
つまり、東急からは8500系、東京メトロからは8000系、東武からは30000系がそれぞれ半直系統から撤退し、全て新型車両or転属車両によって統一されることとなります。
ちなみに、東急2020系がデビューする前後では、
が田園都市線、半蔵門線で営業運転を行っていました(両者とも東武線には乗り入れ不可のサークルK限定運用だった)。
次に、各会社ごとの世代交代に関して詳しく説明していきます。
ステンレスの車体に爆音モーターを唸らせて走る8500系。1975年から1991年の間に400両製造され、半直系統の他、以前は大井町線でも活躍していました。
当初は2020系の前の新型車両5000系で全て置き換えを行う予定でしたが、5000系新造時に、東急と関係のあった航空会社JALが経営破綻してしまったことによる計画変更、および2013年の東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転に伴う、東横線系統の新型車両投入優先などが重なり、5000系を中々導入できず、半数以上の8500系を置き換えられないまま引き続き運用に就いていました。
しかし、これらの事情がひと段落したことで、5000系に代わる新型車両として2020系を導入し、8500系を完全に置き換えることとなりました。2018年3月より2020系がデビューしており、今年度の設備投資計画より、8500系を完全に置き換えると明記されています。
置き換えによって、田園都市線の車内サービスが向上し、爆音モーター車から静かなモーター車になることによって、消費電力や騒音面が改善されます。また、田園都市線や半蔵門線を中心にホームドアの設置が進んでいるものの、8500系が走っていることから、自動列車停止装置(TASC)が未だ導入できていない現状から、導入が可能とするために置き換えを行うことも挙げられています。
ちなみに、8500系は他の地方鉄道にも譲渡されており、秩父鉄道と長野鉄道で第2の人生を過ごしている他、海を渡ってインドネシアのジャカルタでも活躍しています。
営団時代、というよりは半蔵門線の開業時から主力として活躍している8000系。1980年から1994年までに190両が製造され、田園都市線、スカイツリーラインにも乗り入れながら縦横無尽に活躍していきました。
しかし、その8000系も後継車両18000系によって置き換えられることとなっています。半蔵門線のイメージアップとして、最新技術を取り入れた新型車両が、今年8月に半直系統でデビューすることとなっています。
ちなみに、8000系の一部の中間車は、南北線で活躍している9000系に編入されるという噂があります。これは、南北線およびその乗り入れ先において、8両編成に増結されるためであり、かつ8000系の中間車と9000系の製造年がほぼ同じであることから、一部の中間車が異例の再活用をする可能性があります。実際にどうなるかはまだ未定ですが…
(2020.8.26追記)今月、新型車両の18000系の定期運用が開始となり、それに合わせて8000系の廃車回送も始まっています。
なお、営団時代に最後に製造された08系に関しては、引き続き全編成が半直系統で活躍します。
東急、メトロが旧型車両を新型車両を置き換えるのに対し、東武は異なる事情による車両の置き換えが行われていました。
そもそも東武が半直系統に加わったのは2003年とつい最近の話であり、乗り入れ開始当初は、1996年から2003年までに製造された30000系が直通対応車両として活躍し始めました。
しかし、最近の車両ではありながらも、30000系は次第に50050型に置き換えられることとなります。その理由として、
「30000系が純粋な10両固定編成ではなく、6両編成と4両編成を連結した10両編成で運行されていたことによる、収容効率の悪さが目立ってしまっていた」
からです。6両編成と4両編成を連結しているため、先頭車同士で連結を行なっており、その部分は乗務員室となっているため、一般の利用客が立ち入ることのできない「デッドスペース」が生まれていました。その他の10両固定編成は乗務員室はなく、座席を始め利用客が立ち入ることができるため、乗客の収容力で優劣が発生しています。
加えて、田園都市線のラッシュ時は、全国の路線において屈指の混雑路線でもあり、特にラッシュ時は多くの乗客で埋め尽くされます。そのラッシュ時において、「デッドスペース」が発生している車両は、大量輸送に拍車をかけてしまう厄介者となってしまいました。これを受けて東急は、「10両固定編成を用意してくれ」と東武にリクエストしたとのことです。
これを受けて、当時東上線用の新型車両として製造されていた50000型の半直系統シリーズとして、50050型が製造されることとなり、導入と共に30000系を半直系統から追い出すという取り組みが行われました。
その結果、30000系のほとんどが東武の本線地上運用を経て東上線に転属しており、一方で半直系統はほとんどの車両が10両固定編成の50050型になりました。
しかし、50050型の導入が完了した後も、主に予備車の役割として、30000系の2編成(31406F+31606Fと31409F+31609F)が転属しないまま半直系統車両として残されていました。
このまま半直系統に残されるかと思いきや、2020年に30000系の1編成(31406F+31606F)が、検査を迎えるタイミングで東上線に転属することとなり、入れ替わりとして、元々東上線用の50000型(51008F)が半直系統にやってくることとなりました。
このことから、最後の生き残りとなった30000系1編成も、次第に50000型とトレードする形で東上線に転属するのではないかという可能性が高くなりました。
いつトレードされるのか気になっていた矢先、今月ついに残りの1編成(31409F+31609F)が半直系統から退いたというのが明らかになりました。これにより、半直系統の東武車の世代交代が完了することとなりました。今後、30000系側は東上線に転属し、入れ替わりで50000型(51009Fが有力?)が半直系統にやってくる模様です。
<2021.8.26追記>先日、東上線の50000型51009Fが、本線転属に向けて南栗橋の車両基地に回送されたとのことです。これで50000型は7編成が東上線地上運用で、2編成が半直系統で活躍を続けることとなります。
<2021.10.9追記>先日、東上線に転属された31609F+31409Fが東上線で営業運転を開始しました。これにより、30000系全15編成が東上線に揃いました。
いかがでしたか?
今回は半直系統の世代交代に関して説明していきました!
これまでを支えてきた古き良き車両から、これからの未来を担う新たな車両への世代交代。月日が進んで行く中で避けては通れないことです。歴史を作ってきた車両が姿を消すのは悲しいですが、新たな車両のデビューを讃え、半直系統の今後に期待していきたいと思います。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!