皆様、こんにちは! U5swです。
今回は、今話題となっている、JR東海の新型通勤型車両、315系と導入に伴う既存車両の動きに関して予測していこうと思います!
315系は、JR東海で新たに導入する通勤型車両であり、313系以来23年ぶりの新形式車両となっています。導入によって、現在も運行を続けているベテラン車両、211系や213系、311系を全て置き換える予定となっています。
そんな中、先日遂に、315系の記念すべき第1編成が豊川の日本車輌工場から出場し、お披露目されることとなりました。
この出場で特に注目されたのが、これまでのJR東海の通勤型車両では見られなかった「8両固定編成」で出場したことでしょう。JR東海の通勤型車両は、1編成あたり2両から6両までで構成されており、これらを繋ぎ合わせて最大8両や10両編成を組むなど柔軟に運用していましたが、今回出場した車両は8両固定編成。このことから、315系によって今後の運用が大きく変わっていくものと思われます。
2021年11月17日に、JR東海が315系に関するプレスリリースを発表しました。
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041578.pdf
運行面に関して、プレス発表前の事前情報をまとめると、
このことから、中央西線の名古屋口から315系の新時代が始まることが確定となりました。第1編成が8両固定編成のロングシート、かつ中央西線の車両が所属する神領車両区の編成であることから、中央西線の車両であることは確定事項でしょう。
それよりも気になるのが、
「中央西線の名古屋〜中津川間を走る通勤型車両を、2023年までに315系に統一」
という文面です。そもそも315系の導入目的として、
「ベテラン車両の211系、213系および311系を置き換えるため」
という目的で導入に至ったわけですが、全て315系に統一となると、今回置き換え対象とならない313系も、今後中央西線の運用から外れることとなりました。
中央西線の名古屋〜中津川間において、なぜ315系で統一する必要があるのかに関して、以下のような意図を考えてみました。
まず、315系導入前の中央西線の名古屋〜中津川間の通勤型車両は、現在以下の車両が営業運行に就いています。
両形式とも併結運転を行い、211系と313系の異形式連結も日常茶飯事に行われています。
このことから、ロングシートとクロスシートが混在する列車が当たり前のように運行されており、運用もそこまで固定されていません。
これにより、列車、または車両によって混雑度や快適性に格差が生まれてしまい、使いにくさを生んでしまうことがあります。
中長距離利用者からすると、快適なクロスシートで移動したい方がほとんどだと思いますが、ラッシュ時を始めとする混雑時間帯には、収容力に優れたロングシートが重宝されます。どちらか選択できるという意味では便利な側面もありますが、サービスの平準化を図るという意味では、車内設備を可能な限り統一した方が良いでしょう。
特に、中央西線は名古屋〜大曽根間は名古屋市内を横断しており、高蔵寺や多治見、中津川といった名古屋のベッドタウンが連なり、一定の利用客で賑わっています。そこで、315系に統一することによって、全車両をロングシート車両にすることによって、車両における格差をなくし、混雑を分散させようとしていることが考えられます。
次に、第1編成が8両固定編成で出場したことを受けて、固定編成の長編成化によって、先頭車同士の連結をなくし、利用客が立ち入れないデッドスペースをなくすことによる混雑緩和、および運転台といった機器類の設置を極力減らすことによるコストダウンが図れます。
中央西線では、2022年3月のダイヤ改正より、名古屋〜中津川間を運行する全ての普通列車、および快速列車を“8両編成に統一”して運行を行っております。
これまでは4両編成、6両編成、8両編成、10両編成と列車によって車両の両数にばらつきが生じ、乗車位置が多種類あったこと、および列車によって混雑度に違いが生じていました。
今回の315系導入と共に、名古屋〜中津川間の普通列車と快速列車を全て8両編成に統一することによって、乗車位置が統一され、混雑がより平準化することとなります(10両編成の運転が無くなったが、本数の増発を行うことで補填している)。315系が8両固定編成で導入された意図も両数統一が目的であることが分かります。
また、一部列車では、途中駅および終着駅で増解結を行う列車も存在していましたが、8両編成に統一されたことによって、増解結を行う必要性が無くなったため、その分の手間やコスト削減にもつながっています。
懸念点として、中津川に近づくにつれて利用者が減少するため、輸送力過剰になってしまい、輸送効率が悪くなってしまうことが考えられますが、名古屋市内が混雑激化によって積み残しが発生する方が問題なため、問題ないと考えています。
名古屋〜中津川間の315系統一により、神領車両区に所属している313系の一部編成は他線区に転属する可能性が高いです。
2021年現在、神領車両区に在籍している313系と活躍線区を以下に示します。
番台 | 主な運行路線 | 編成両数 | 在籍本数 | ワンマン対応有無 |
---|---|---|---|---|
1000 | 中央西線(名古屋〜南木曽間) 愛知環状鉄道(高蔵寺〜瀬戸口間) 関西線(名古屋〜亀山間) 東海道線(名古屋〜岐阜間) | 4両 | 3本 | なし |
1100 (1000番台増備車) | 中央西線(名古屋〜南木曽間) 愛知環状鉄道(高蔵寺〜瀬戸口間) 関西線(名古屋〜亀山間) 東海道線(名古屋〜岐阜間) | 4両 | 2本 | なし |
1300 | ・B400編成 中央西線(名古屋〜中津川間) 関西線(名古屋〜亀山間) ・B500編成 中央西線(名古屋〜塩尻間) 篠ノ井線(塩尻〜松本間) 関西線(名古屋〜亀山間) 武豊線(大府〜武豊間) 東海道線(大垣、岐阜〜大府間) | 2両 | B400編成 →8本 B500編成→16本 | B400編成→なし(準備工事あり) B500編成→あり |
1500 | 中央西線(名古屋〜南木曽間) 愛知環状鉄道(高蔵寺〜瀬戸口間) 関西線(名古屋〜亀山間) | 3両 | 3本 | なし |
1600 (1500番台増備車) | 中央西線(名古屋〜南木曽間) 愛知環状鉄道(高蔵寺〜瀬戸口間) 関西線(名古屋〜亀山間) | 3両 | 4本 | なし |
1700 | 中央西線(名古屋〜南木曽間) 愛知環状鉄道(高蔵寺〜瀬戸口間) 関西線(名古屋〜亀山間) 飯田線、中央東線、篠ノ井線 (豊橋〜辰野〜岡谷〜上諏訪、塩尻間、塩尻〜松本間) | 3両 | 3本 | なし |
8000 | 中央西線(名古屋〜南木曽間) ※ホームライナー瑞浪運用 | 3両 | 6本 | あり |
これより、中央西線の名古屋口で活躍している車両のうち、8000番台を除いた全ての車両が関西線でも運用されている他、1300番台のうちB500編成はワンマン対応が行われているので、全てが転属するわけではありません。
ただし、4両編成の1000番台や1100番台に関しては、置き換えられる311系が4両編成であることから、大垣車両区へ転属して、球突きで311系を運用離脱させる可能性が高いと思います。
また、3両編成の1500番台や1600番台に関しても、静岡地区に転属して、211系を置き換える可能性も考えられます(もしくは3+3の6両編成として大垣車両区に転属もあり)。ただし、静岡地区の通勤型電車は全てロングシートのため、転換クロスシートからロングシートに改造されるのかが気になるところですね。
そして、かつてはセントラルライナー専用車両であり、現在は普通、快速運用を中心に一部ホームライナー瑞浪としても使用される8000番台は、他線区に転属する可能性が高そうです。
そもそも運用範囲が315系に取って代わる区間のみであること、他の番台と仕様が異なる点から、ライナー運用が存在する他の線区に転属するかもしれません。
個人的な予想として、静岡地区で運行されている「ホームライナー」に転用される可能性が高いかなと考えています。ホームライナーは現在、特急型車両で313系よりもベテランな373系を使用して運行しており、1編成あたりの両数も3両で一緒のことから、373系の役割を受け継ぐことは可能であり、かつ一部のホームライナーは普通列車に代わる運用を掛け持っており、2ドアの373系より3ドアの313系の方が普通列車の役割を担う上でふさわしいことから、こう予想しました。
ただし、座席のグレードが373系よりも格段に劣ってしまうので、この転用に関しては賛否両論別れそうですね… 大半の方は373系のままが良いというでしょうし。
他の番台と同様、中央西線名古屋口以外の普通、快速列車として混じって運用されるのか、車内のグレードを落とした改造を施すのか… 8000番台の動向が1番気になりますね。
いかがでしたでしょうか?
今回はJR東海の新型車両315系と、315系導入に伴う車両の動きに関して説明していきました!
315系の導入によってJR東海の車両事情がどのように変わっていくのか? 今後も目が離せません。
今回はここまでとなります!最後までご覧いただきましてありがとうございました!