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【遂に世代交代】特急やくも号に新型車両273系を導入!

皆様、こんにちは。U5swです。

今回は先日発表された、特急やくも号の新型車両、273系に関して説明します。

特急やくも号とは?

まず、特急やくも号に関して説明します。

特急やくも号のルート。

特急やくも号は、岡山県の岡山駅から、島根県の出雲市駅までを結ぶ、JR西日本が運行している在来線特急です。山陽本線(岡山〜倉敷間)、伯備線(倉敷〜伯耆大山間)、山陰本線(伯耆大山〜出雲市間)を経由し、新幹線接続駅の岡山と山陰地方の中心都市である米子、松江、出雲を結んでいます。

やくも号では、今でもベテラン国鉄型車両が活躍中!

そのやくも号では、JRの前身である国鉄時代から活躍を続けている、「381系」という特急型電車が使用されています。

やくも号に使用される381系。

この381系は、カーブを曲がる際に車体を傾け、減速を行わずに通過できる「自然振り子方式」を採用し、スピードアップによる所要時間の短縮を実現した車両であり、このやくも号以外にも、以下の在来線特急で活躍しました。

  • しなの号(名古屋〜長野間)
  • くろしお号、スーパーくろしお号(京都〜新宮間)
  • こうのとり号(新大阪〜城崎温泉間)※
  • きのさき号(京都〜城崎温泉間)※
  • はしだて号(京都〜天橋立間)※

※の特急列車に関しては、「振り子制御」を停止した状態で営業運転に就いていた。

しかし、民営化後は新型車両の導入が進み、2022年現在、381系が営業運転に就いているのは、「やくも号」のみとなっています。

加えて、2021年3月の改正をもって、JR東日本の国鉄型特急車両、185系が特急「踊り子号」の運用を終了したため、本州の鉄道において、国鉄型特急型車両が活躍しているのも、この「やくも号」のみとなっています。

そのやくも号にも、遂に新型車両を導入!

国鉄型電車特急の、本州最後の生き残りとなっていたやくも号ですが、先日、JR西日本より、特急やくも号用の新型車両を導入する旨が発表されました!

プレスリリースは以下の通り。

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220216_03_yakumo.pdf

形式も新たに「273系」と定められ、2024年春にデビューする予定となっています。

編成両数と編成数は”4両編成11本”となっており、381系を完全に置き換えます。

新型車両導入の目的

今回、新型車両273系を導入する目的を次にまとめましたので、説明していきます。

① 老朽化に伴う世代交代

381系は国鉄型車両と言うだけあり、登場から既に30年以上が経過している大ベテラン車両です。1973年〜1982年に製造されているため、当然老朽化も進行しています。走行機器も製造が打ち切られていますので、世代交代は時間の問題でした。

② 乗り心地の改善 〜ぐったりはくもの脱却へ〜

381系の特徴と言えば、「自然振り子制御を使用した所要時間の短縮」に貢献した特急型車両です。車体を傾けることによって速達化を実現し、後継車両にもその技術が活かされた原点の車両となっていますが、一方、課題となったのが、

「乗り心地が悪く、乗り物酔いする乗客が多い」

ことが挙げられます。

381系が採用した「自然振り子式」は、車体に不自然な揺れが生じたり、カーブ走行時に他の車両にはない縦方向の荷重がかかることから、振り子式の車両に慣れていない方は乗り物酔いを起こしやすくなるというデメリットがあります。乗務員も「酔い止め」を持参して業務に就いていたほどです。

※「自然振り子」に関する詳しい説明は、こちらのリンクを参照してください。

国鉄381系電車 - Wikipedia

そんな「自然振り子式」の車両を今日まで使用している「やくも号」ですが、2006年〜2011年に、車内の居住性を向上する目的でリニューアル工事が行われ、「ゆったりやくも」という愛称が与えられています。

「ゆったりやくも」のロゴ。

しかし、先述した「自然振り子」の脅威は留まらず、乗り心地は改善されないままとなっているため、利用者からは、

「ぐったりはくも」

と言われてしまっています。

381系の課題から、JR化後の車両においては、乗り心地を改善するために、「制御付き自然振り子式」や「空気ばねによる車体傾斜方式」を使用する車両の導入が進められています。また、くろしお号の287系や289系(元683系)のように、スピードを犠牲にし、「振り子式を採用していない車両」も導入されました。

今回導入が決定した、新型車両、273系に関しては、乗り心地を改善しつつ、スピードダウンを起こさないよう振り子式を採用することとなっています。しかも、国内では初となる、

「車上型の制御付自然振り子方式」

を採用する予定となっています。これは、「車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し、適切なタイミングで車体を傾斜させる」という装置を、鉄道総合技術研究所と川崎車輛の共同開発により273系に搭載することで、課題としていた乗り心地の改善を図ります。

カーブの曲がり具合や距離、列車の速度や乗車率に応じてリアルタイムで計算を行うことで、より最適な振り子の稼働を実現する、ある意味最新技術を取り入れたシステムによって、従来の振り子式車両よりもどのような改善が見られるのかは、車内の快適性に限らず、今後の車両開発の面においても非常に重要なものとなるでしょう。

③その他、最新設備の導入により、安全性と快適性を向上

上記の他、昨今の新型車両に導入されている最新設備を採用することに、更なる安全性と快適性の向上を図ります。主な設備の導入は以下の通り。

  • 安全性
    • 防犯カメラ設置に伴う車内セキュリティの向上
    • 車体の衝突安全対策、機器の二重化に伴う故障に対する強化
  • 快適性
    • 座席間のスペースを拡大、座り心地を更に良くした座席の採用による、居住性の向上
    • 車内にフリーWi-Fi、座席に電源コンセント、大型の荷物スペースの設置による、車内空間の充実

まとめ:国鉄型特急の一時代が終焉へ

381系の記録はお早めに!

いかがでしたでしょうか?

今回は、特急やくも号に導入される新型車両273系に関して説明しました!

273系の導入により381系は引退し、本州の国鉄型特急が完全に無くなります。今後は381系の国鉄型色ラッピングの復刻等といったイベントが行われる予定ですが、記録はお早めに行われることをお勧めします。

今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!

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