皆様、こんにちは。 U5swです。
今回は、2022年春のダイヤ改正関連の話題から、鉄道会社の予告なしに突然引退が決まった車両と、なぜ予告なしの引退が行われたのかという経緯に関して考えてみました。
今季のダイヤ改正では、各所で様々なテコ入れが行われた中で、定期運用から引退した車両もあります。その代表車両が、
が挙げられます。これらの車両は、ダイヤ改正のプレスリリースで前もって引退が告げられていたり、新型車両への統一というニュースによって引退が決定したりと、予め情報を発信した上で引退します。
しかし、ダイヤ改正前日となる3月11日当日、突如引退することが発表された車両がいました、その車両とは…
以上の2形式です。
両形式は共に、JR分割民営化前から活躍を続けていた「国鉄型車両」であり、民営化から30年以上経った今でも引き続き現役車両としてそれぞれ走っていました。
そんな両形式が、何の予告もなしに最後を迎えることとなりました…
今回、なぜ予告がない状態でラストランを行う形になったのでしょうか? 考えられることを以下に挙げてみました。
以前猛威を奮っている新型感染症。蔓延を防止するためにも、密集を避けて行動することが求められている中で、ラストランを予告してしまうと、その駅や路線にファンが集結することとなり、自ずと密集が生まれてしまいます。
こうなってしまうと、感染拡大のリスクが高くなってしまうため、このリスクを回避するには、密集を生み出すキッカケを作らないようにするのが最善策です。
このような社会の情勢的な側面から、予告なしのラストランが行われたと考えられます。
ラストランというイベントは、今後特別なことがない限り、その車両を2度と見ることができないため、歴史的瞬間を収めようと、ファンは当然駅や沿線に集結します。
そのため、マナーを守らずに強行して撮影したり、集結しすぎて転落事故や列車の接触事故に繋がったりすることで、列車の運行に支障が生じたり、事件に発展するリスクが高まってしまいます。
このようなことが起こってしまうとなると、盛大なラストランが台無しになることはもちろん、ラストランを目当てにしていない一般の利用者にも多大なる迷惑がかかってしまいます。
以前、ラストランが台無しになった例として、JR東日本山手線のE231系500番台が挙げられます。
このE231系500番台は、現在山手線の主力車両であるE235系の1つ前の主力車両であり、現在は中央・総武緩行線に転属し、第2の活躍を続けています。
そのE231系500番台が山手線でのラストラン運行の際、とあるファンが車両を記録しようと線路内に立ち入り、列車の運行をストップさせてしまう出来事が起こってしまいました。
その結果、E231系500番台のラストランを急遽中止にせざるを得なくなってしまい、一部の人の軽率な行動が悲しい結末に導いてしまうこととなりました。
こういう問題行動が、ルールを守ってラストランを見届けたい方や、一般の利用者、そして鉄道関係者に対して不快かつ迷惑となってしまいます。
残念ながら、鉄道会社が撮影のルールを定めたりしていても、未だルールを守らないファンはいますし、警察を出動させないといけない事態にまで発展するケースも少なくはありません。
よって、運行妨げのリスクや事故防止、人員配置の手間を減らす上でも、「その要因となるラストランをあえてやらない」という判断に至るのもやむを得ないでしょう。
過去の問題を教訓に、ファン集結によるトラブルを未然に防ぐという意味で、予告なしのラストランが行われたと考えています。
今回の「予告なしラストラン」に対して、ファンを中心に賛否両論別れていますが、個人的な意見を述べさせてもらうと、
「予告なしラストランは賛成」
と考えています。その理由として、
という3つが挙げられます。
まず、過去の事例からみても、ラストランの日に何かしらのトラブルが発生する可能性が十分あり得るという見解から、ラストランの予告をしないことは、これらのリスクを回避できる面で大きいと思います。
列車の運行をさせる上で重要なことは、最初から最後まで、事故やトラブルがない状態で安全に運行することですので、これを実現させるためにも、予告なしという方法は最善策と言えます。駅員や警察をより多く配置する手間も省けますからね。
次に、個人的な考えではありますが、「ラストランの日」だけが決して特別ではないと考えています。
もちろん、引退セレモニーや特別アナウンスなど、華やかな儀式が行われるという意味では特別ですし、思い出作りや記録にもってこいなのは承知です。
しかし、ラストランより前の日でも、その車両を記録することができますし、何より、ラストラン日が近づいていく度にファンは増える傾向にあります。
ファンが集結すると、例えばその車両の写真や動画を撮影しようと思っていても、ファンが集結していることで遮られたりして、思い通りの記録ができない可能性が大きくなります。
また、乗ることで思い出を残したい方にとっては、ラストランの日だとファンが集結することで快適に利用できなかったり、特に全車指定席の列車にとっては、指定券が売り切れたことで実際に乗車が実現できなかったりする可能性が大きくなります。
これらのことで後々後悔を生むこととなってしまえば、非常に勿体無いですよね?
だからこそ、ラストランの日に拘らず、余裕をもって記録や乗車をするのが望ましいと考えています。
また、ラストランが全く予告されていない車両でも、特にデビューから年月が経ったベテラン車両に関しては、いつ引退を迎えるかわからない状況となっています。これらに関しても、今から記録や乗車しておけば後悔なく済むと思います。
今後も一部車両には華やかなラストランが行われる一方で、鉄道会社がリスク回避等でひっそりと引退する「予告なしラストラン」は増える傾向にあると思います。
私は一鉄道ファンとして、撮影や乗車といった思い出づくりは行いたいですが、鉄道の運行を妨げたり、周りに悪影響を与えることはあってはならないと考えていますし、余裕をもって記録することをモットーに活動しています。また、ラストランに対してそこまで拘りをもっていないので、予告なし引退は全然あって良いと思います。
いかがでしたでしょうか?
今回は「予告なしラストラン」に対して考えたことを述べてみました。
鉄道会社の中では、リスクを承知でも華やかにラストランを飾りたいというケースもあれば、リスクを踏まえた上で安全に静かに終えたいというケースもあると思います。私としては、どちらのケースもあって良いと思っています。
そんな中で、いつ引退してもいいように、普段から前もって記録、乗車しておくことは重要ですし、ラストランは鉄道会社が決めたことに従うだけではなく、個人がそれぞれで決めておくべきだと思っています。
「安全安心に鉄道車両が有終の美を飾れること」を優先に考え、後悔のない記録作りをしていきましょう!
今回はここまでとなります。最後までご覧くださいましてありがとうございました!