皆様、こんにちは。U5swです。
今回はJR西日本の吹田総合車両所京都支所の車両の大異動と世代交代に関して、2023年3月のダイヤ改正を経て変化したこと、新たに判明したことをまとめていきます!
2021年から始まった、京都支所を中心とした車両の異動が相次いでおり、当ブログでは京都支所の車両の異動に関して経過を追ってきました。以下は、どの車両が転属したかのIN、OUTを簡単にまとめていきます。
2023年ダイヤ改正前の転属、運用離脱編成の詳細は以下の記事をご覧ください!
ここからは改正後の車両の動きに関して、形式ごとにまとめていきます。
221系に関しては、117系置き換え用として6両編成が他所からやって来ている一方で、4両編成がおおさか東線の直通快速運用を確保するため、奈良へ転属しています。ダイヤ改正前に転属した編成は、
の4両編成2本となっています。
そして、改正後の3月19日と23日に、K編成の内更に4編成が奈良へと転属しました。転属した編成は、
これで、221系の4両編成は6本が奈良に転属となり、京都に残ったK編成は15編成(K03~K09,K12~K18,K21)となりました。全24編成在籍していた頃の5/8まで減ったということとなります。
(2024.4.17追記) 一連の転属があったおよそ1年後の2024年2月22日に、ようやくF02編成となりうる6両編成1本の転属が行われました。これで京都の6両編成5本が揃いました。
223系に関しては、113系、117系置き換え用の4両編成、6両編成が出揃ったところで、221系K編成が奈良に転属した分の補填として、223系4両編成が新たに転属しています。また、ここまで全く音沙汰のなかった223系2500番台に関しても、改正後遂に動きが出始めました。
まず、転属に関してですが、改正後の3月18日と19日に4両編成4本が京都に転属してきました。転属編成の詳細は以下の通り。
この4編成に関しては、221系の奈良転属の補填が目的でやって来ましたが、宮原車が担当している丹波路快速や区間快速の運用の一部を、元々直通快速の運用を担っていた明石の207系or321系に置き換えることで、この転属を実現させています。
但し、3月27日に、キトR06編成およびキトR07編成が急遽宮原に返却されるという事態が発生しました。詳しい理由は分かりませんが、どうやら、京都に転属させる編成を間違えたという噂があるようです…(いや、そんなことあるの???)
その入れ替わりとして、3月28日に、宮原の代わりの2編成が京都へと転属した模様です。その2編成は、
となっています。Wパンタの車両が更に必要だったということでしょうか…? なお、返却された2編成に関しては、再度ミハMA21編成、ミハMA22編成として走ると思われます。
また、221系の奈良転属分の補填としては後4両編成2本が必要な状態となっていますが、既に網干から京都に転属したR04編成とR05編成が221系の補填という扱いであり、これ以上の転属はないという可能性もあります。221系と223系に統一されることで運用が効率化され、従来よりも必要編成数が少なくなることもありますし、これ以上他所から223系を持ってくることもできないと考えると、このままで行くこともあり得ます。
2022年3月、多くの鉄道ファンを驚かせた、日根野の223系2500番台の京都転属。元ヒネHE419編成と元ヒネHE420編成の4両編成2本が京都にやって来て、キトR51編成とキトR52編成となりました。
しかし、他の221系や223系とは異なり、座席配置が異なることと、221系や223系5500番台・6000番台との併結実績がないことから、転属後も暫く動きがないまま年月が過ぎていきました。なお、キトR52編成は2022年10月に湖西線内で試運転を行なっていましたが、それ以外は向日町で留置されたままでした。
そして、2023年に入ってからは、新たに日根野から2500番台が一気に6編成も転属して来ました。3度に分けて日根野→京都に転属回送がなされ、元ヒネ(HE421,HE424,HE425,HE433,HE434,HE435)編成がキトR53~58編成となりました。
私自身は、8編成揃った2500番台は座席配置の違いから、221系や223系6000番台と共通運用を持たず、独立した運用を組み、嵯峨野線の朝夕ラッシュ時、観光シーズン時の多客輸送、サンガスタジアムでの観戦客輸送に特化して運用に入るものと思っていました。
そして、2023年3月18日のダイヤ改正当日、長らくおねんねしていたキトR51編成が遂に運用入りしたという情報が入りました。その列車を見ると、確かに2500番台が湖西線で運用入りしていましたが、
223系2500番台が”221系”と併結して8両編成で運用に入っていたこと
が明らかとなりました。
よって、223系2500番台は、他の221系や223系6000番台と”共通運用”を組むことがわかりました。個人的にこれは1番の衝撃でした。
元々2500番台の最高速度が120km/hで221系、223系6000番台と同等の性能でしたが、併結の実績がなかったため、併結運転ができるか不明でした。加えて、クロスシートの座席配置が1+2列の車両と2+2列の車両が混在する列車を運行している路線を見たことがないため、併結はないと考えていました。
それが、運用初日から221系と併結運転を行なっているのを見てびっくりしました… どうやら転属と共に221系や223系6000番台と併結できるよう性能を揃えていたようです(運転席には221系性能であることを示すステッカーが添付済み)。
後日、2500番台の編成も続々と営業運転に入ると共に、2500番台同士の併結や、223系6000番台との併結運転も見られた他、嵯峨野線では福知山の223系5500番台の併結も実現しました。
223系2500番台が湖西線・山陰本線での運用を開始-鉄道ファンの鉄道ニュースより
数年前まで221系と223系5500番台しか見られなかった嵯峨野線のバリエーションが一気に豊富となりましたね…
2023年3月18日のダイヤ改正で、113系と117系の定期運用がどうなるかが注目視されていましたが、
113系、117系共に、定期運用が無くなってしまった
模様です。但し、113系と117系の両形式を完全に置き換えるための221系と223系の編成数が揃っていないこともあり、湖西線や草津線の一部運用は代走という形で113系と117系による運行が残っているとのことです。
そして、改正後のJR西日本の発表によると、
113系が間も無く京都エリアから引退する
というアナウンスがありました(プレスリリースは以下の通り)。
まもなく運用終了・・・「113系(京都支所)」特別展示のおしらせ(京都鉄道博物館)-JR西日本
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230323_00_press_113kei.pdf
また、草津駅での掲出物において、
117系が3月末において、草津線での営業運転を終了すること
が明らかとなりました。
このアナウンスにより、いよいよ京都支所における国鉄型近郊型車両の終焉が近づいていることを改めて実感しました。当時は当たり前のように見られていた国鉄型車両がもうすぐ見られなくなってしまいます…
(2023.4.10追記) 4月1日の運行をもって、京都支所の113系および117系の営業運行が完全に終了しました。これにより、京都支所の近郊型車両の世代交代がひと段落した模様です。
長い間の運行、お疲れ様でした。
およそ3年にわたる、京都支所を中心とした転属がひと段落したため、221系と223系の所属編成をまとめました。形式ごとに紹介します。
221系は、2024年3月時点で、4両編成(K編成)が15本、6両編成(F編成)が5本稼働しています。
元々はK編成が24本でF編成は存在していませんでしたが、2021年にK01編成とK02編成が奈良支所へ転属、2022年にK10編成が中間車2両を組み込んでF05編成に改番、2023年にK11編成、K19編成、K20編成、K22編成、K23編成、K24編成の6編成が奈良支所に転属しています。
一方で、2022年に奈良支所からNB802編成が転属し、中間車2両を抜いてF01編成に改番、2023年に網干本所からB12編成とB13編成が転属し、F03編成とF04編成へと改番、そして、2024年の網干本所からB10編成が転属し、F02編成へと改番されて現在に至ります。
223系は、2023年4月時点で、4両編成(R編成)が22本、6両編成(P編成)が2本稼働しています。
元々京都支所において223系の在籍はありませんでしたが、2021年の網干本所からV56編成とV57編成が転属しR01編成とR02編成に改番されました。
これを皮切りに2022年には網干本所からV64編成、J13編成、J14編成が転属しR03編成、P01編成、P02編成へ改番、日根野支所からHE419編成とHE420編成が転属しR51編成とR52編成へ改番、宮原支所からMA01編成〜MA05編成が転属しR201編成〜R205編成へ改番されました。
2023年は網干本所からV55編成とV58編成が転属しR04編成、R05編成へ改番、日根野支所からHE421編成、HE424編成、HE425編成、HE433編成、HE434編成、HE435編成が転属しR53編成〜R58編成へ改番、宮原支所からMA06編成〜MA09編成が転属しR206〜R209編成へ改番されました。
最後に、2023年3月の改正で京都支所の221系および223系の運用の変更点と特徴に関して、簡単にまとめたので挙げておきます。
2022年の秋の運用変更により、117系置き換え用として運行を開始した6両編成の221系(F編成)と223系(P編成)ですが、2023年改正までは湖西線の普通列車に限定されて運行を行っていました。
それが改正後、一部の運用において、”嵯峨野線での運行”も新たに開始され、京都〜園部間での運行を実現させています。今のところ湖西線同様単独での運行のみに留まっており、福知山支社の223系5500番台との併結運転による、8両編成での運行は実現していません。
2023年ダイヤ改正において、京都支所の車両は、嵯峨野線や湖西線の運用に加えて、草津線の運用も担当しています。そのため、新たに転入してきた223系も、221系との共通運用で草津線に日常的に乗り入れるものと思っていました。しかし、京都支所の223系は、“草津線の運用に入れない”という制約が設けられていることがわかりました。
前回の改正から、221系と223系の共通運用に加えて、”221系のみ使用可能な専属運用”が設定されていましたが、その221系専属運用は、Wパンタ車両専属運用(冬季時の霜取り用のために、1両に2基のパンタグラフが設置された編成に限定)でもあり、223系が転属したての頃でもあったため、221系のみの乗り入れとなっていました。
しかし、今回の改正で新たに、”Wパンタ車に限定しない、221系専属運用”が誕生しており、221系専属運用全体の共通点として、“草津線での運用があること”が条件であることが明らかになりました。
では、なぜ京都支所の223系が草津線に乗り入れできなかったのでしょうか? 理由の1つとして、草津線の電化設備に課題があるとのことです。
223系の制御装置はVVVFインバータ制御という、近代的な制御装置を採用していますが、草津線の電化設備がVVVF車両を複数編成走らせるほどの設備ではないため、223系を入線させてしまうと、運行に支障が出てしまうとのことです。よって、VVVFインバータ制御ではない221系で固定せざるを得ないものと思われます。
ちなみに、草津線は、京都支所の221系に加えて、網干本所の223系or225系も運用に入りますが、網干本所の草津線運用はごく僅かであることから、223系or225系が乗り入れること自体は可能です。
※この根拠に関しては、詳細が明らかでないため、予想で語っています。一部情報が異なる場合がありますが、悪しからず…
ところが、2024年に入り、京都支所の223系が、草津線への定期運用に頻繁に入るようになりました。おそらく、草津線内の電化設備の改良?に伴い、223系がたくさん乗り入れても問題がなくなったものと思われます。これにより、2500番台と6000番台は、草津線と東海道線(山科〜草津間)の定期運用で見られるようになり、三重県にも進出しています。
いかがでしたでしょうか?
今回は、2023年ダイヤ改正後の京都支所の近郊型車両の動きに関して説明しました!
221系の奈良転属、それに伴う223系の京都転属、223系2500番台の営業運転開始、113系および117系の定期運用廃止、そして営業運転終了と、京都支所の世代交代が遂に完了しました。
往年の国鉄型車両がまた1つピリオドを打った一方で、嵯峨野線や湖西線で見られる221系や223系の併結バリエーションが豊富となり、新たな面白い要素も生まれました。京都支所の近郊型車両の新時代に期待です!
今回はここまでとなります!最後までご覧いただきありがとうございました!