皆様、こんにちは。U5swです。
今回は、JR西日本の吹田総合車両所福知山支所で活躍する113系に関して、現在の状況と今後について語っていきます。
1987年の国鉄分割民営化から36年が経った今も、一部で引き続き活躍を続けている国鉄型車両。しかし、年月が経つとともに、老朽化および新型車両の投入によって、年々数を減らしつつあります。
今回の2023年3月のダイヤ改正より、JR西日本では2つの地区において、国鉄型車両が引退しました。それが、
となっています。
和田岬線の103系は、兵庫〜和田岬間を1区間のみを結ぶシャトル列車として、2001年の電化時から20年以上活躍を続けていましたが、今回の改正によって、6両編成に組み直された207系に置き換わることとなり、3月18日に営業運転を終了しました。
また、湖西線や草津線を中心に、主に普通列車で活躍を続けていた113系と117系に関しても、他所からの転属によって京都支所にやってきた221系や223系によって置き換えられることとなり、4月1日をもって両形式とも営業運転を終了しました。
しかし、2023年3月改正以降も、近畿地区のJR西日本では、未だに国鉄型車両が活躍しています。活躍を続けている路線と該当の国鉄車は、
以上となります。
今回はこの中から、山陰本線(綾部〜城崎温泉間)、舞鶴線、京都丹後鉄道宮福線の3路線で活躍している、福知山支所の113系に関して紹介します!
かつての福知山支所は、平成の中期から後期までは国鉄車が沢山所属しており、特急型で言えば485系の直流ver.である183系や、振り子式車両の381系が所属、近郊型で言えば魔改造で話題となったサンパチ君こと113系3800番台や、一部115系も所属していました。
しかし、2008年に新型の223系5500番台が導入されたことで、サンパチ君は引退、115系の一部は下関総合車両所に転属がなされました。続いて、2011年には新型の287系が導入され183系を、2015年には北陸新幹線開業に伴う余剰車として、683系から交流機器を取り除いた289系が導入され381系をそれぞれ置き換えました。
また、福知山駅まで乗り入れを行なっている(いた)宮原支所所属や京都支所所属の車両も、2012年までに民営化後の車両に全て統一されました。
よって、2023年時点で福知山支所に残っている国鉄型車両は113系5300番台の2両編成6本のみとなっています(最近まで115系も2両編成1本が残存していたが、新型感染症流行等による本数減や運行区間短縮によって余剰となり、2022年に運用を離脱した)。
このように、僅かながら残存し活躍を続けている113系ですが、223系5500番台導入後、福知山支所への新型車両導入のニュースはありません。そのため、これからも暫くは活躍を続けていくものと思われました。
しかし、2023年3月の改正後、福知山支所で車両運用に関する動きが大きくなっており、113系に関しても安泰ではなくなってきている状況です。そう考えられる出来事を次に紹介します。
まず、北近畿地区の電車区間において、山陰本線(園部〜福知山〜城崎温泉)、福知山線(篠山口〜福知山)、舞鶴線の福知山駅に乗り入れる列車は、原則的に福知山駅が起終点となり、折り返し運転を行うか、福知山車両所への入出庫回送が行われていました。
しかし、2023年の改正において、福知山駅で終点とならず、その先へも直通運転を行う列車が誕生しています。それが以下の列車です。
ご覧の通り、園部〜豊岡、城崎温泉間を直通運転する普通列車が、下り5本、上り2本誕生しました。このような直通列車が誕生した背景としては、
この2つが考えられます。特に1つ目に関しては、2つの運用を1つにまとめることによって、必要車両数を抑えることが可能となります。
これによって、運用数を可能な範囲まで減らして、その分113系の走る出番を抑えるという狙いが考えられます。
2023年3月のダイヤ改正では、朝夕の山陰本線(園部〜胡麻間、綾部〜福知山間)と福知山線(篠山口〜福知山間)において減便が発生しております。山陰本線では園部〜胡麻間の短区間列車3往復(夕方の2往復は平日のみ運行)が、綾部〜福知山間の16時台の1往復がそれぞれ運転取り止めに、福知山線では平日朝のみ運行の1往復と夕方下り1本が運転取りやめとなっています。
この運転取り止めによって浮いた車両を他の運用に充てることで113系の運用を減らす狙いが考えられます(但し、223系5500番台の運用ではなく宮原車および京都車の運用も含まれている)。
ソースは以下の通り。
次に、こちらも2023年3月のダイヤ改正で誕生した運用となります。
本来は小浜線全線と夜間停泊のため早朝深夜に舞鶴線の西舞鶴〜東舞鶴間を走行する、金沢車両所敦賀支所の125系が、改正後、舞鶴線の西舞鶴〜綾部間、および山陰本線の綾部〜福知山間の運用にも入るようになったことです。これは正直ビックリしましたね…
この125系に関してですが、従来通り小浜線完結の運用に就く以外に、舞鶴線・山陰本線完結の運用にも就くようになった他、一部では東舞鶴駅で折り返さずに舞鶴線⇄小浜線の通し運用も誕生したとのことです(但し、福知山駅の場合と異なり、一旦東舞鶴行きとして運行後、東舞鶴駅で行先変更を行う形を取っている模様)。
今回125系が西舞鶴〜福知山間の運用に入るようになった理由としては、
2021年秋のダイヤ見直しによる小浜線の減便
が大きな要因と考えています。小浜線は新型感染症や並行する舞鶴若狭自動車道の全通によって、年々利用者が減少しており(この20年で34%減った模様)、ダイヤの見直しが必要と判断されました。
ここで、2021年秋のダイヤ見直し前後における小浜線の運行本数は以下の通り。
ソースは以下の記事から。
小浜線の125系は14編成14両が所属していますが、上記の減便によって余剰車が発生することとなってしまいました。その余剰車を有効活用するために、今回の改正で西舞鶴〜福知山間の運用に入るようになったものと思われます。
なお、125系の登場当初は福知山車両区に所属しており、2006年までは入出庫の関係から舞鶴線での定期運用が存在していたため、舞鶴線や山陰本線(綾部〜福知山間)の運行には対応していました。そのため、125系の運行は問題なくできています。西舞鶴以南の乗り入れは実に17年ぶりのことです。
これまで舞鶴線の西舞鶴〜綾部間の普通列車は113系と223系5500番台の2形式での運行となっていましたが、125系の運用開始によって113系と223系5500番台の一部運用を置き換えています。これも113系の引退が近いサインと言えそうですね…
今回の改正で、京都支所の113系の引退が話題となっている中で、しれっと福知山の113系にも運用離脱車が現れています。
今回運用離脱した編成はフチS5編成であり、昨年サイレント引退となった115系の元フチR1編成に続き、2年連続で福知山の国鉄近郊型電車が運用離脱となりました…
残る編成はS2,S3,S4,S7,S9の5編成です。
福知山支所における113系の運用は、この改正で1運用減ったらしく、上記の福知山駅での通し運用や、125系の舞鶴線運用が大きく関わっているようです。
以上のことから、福知山の113系も安泰ではないと考えられます。
今後、運用の効率化や他所からの転属、運用範囲拡大によって、福知山の113系を完全に置き換える可能性が高いでしょう。
そこで、今後福知山の113系を完全に置き換えるために、JR西日本が行いそうなことを以下に考えてみました。
福知山支所の普通列車の主力である223系5500番台ですが、山陰本線(園部〜城崎温泉間)、福知山線(篠山口〜福知山間)、舞鶴線での運用に加えて、山陰本線<嵯峨野線>の京都〜園部間の運用にも入ります。なお、京都〜園部間は、京都支所の221系or223系2500番台or223系6000番台を併結した上で運用入りしています。
223系5500番台の京都〜園部間での運用は、園部駅で折り返さず直通する運用が必ず存在します。園部駅を直通する普通列車の運用は以下の通り(2023年3月改正)。
よって、1番稼働編成数の多くなる朝の運用には223系5500番台の京都乗り入れが2運用あり、2編成が駆り出されることとなっています。
この運用の内、1運用の京都〜園部間の乗り入れを無くし、福知山支所の運用に就かせることで、113系の運用を置き換えることが可能です。もしくは、京都〜園部間の運用を完全に無くし、園部駅で完全分断を行うことで、さらに113系の運用を多く置き換えることが可能です。
嵯峨野線の区間は京都支所の221系と223系のみの運用で賄うことが可能なため、113系の状態によっては、223系5500番台の京都乗り入れがなくなる可能性も否定できません。
北陸地区の普通列車の主力車両となっている521系。その内、2006年に導入された初期車のE編成(2両編成5本)は、滋賀県と福井県が製造費用を負担したこと、521系のグループで唯一ATS-P(湖西線に入線可能なATS)を搭載しているため、運行範囲は北陸本線(米原〜福井間)、湖西線(近江今津〜近江塩津間)に限定されていました。
しかし、2009年3月〜2010年3月の1年間限定で、小浜線の定期運用にも入っていた他、2023年のダイヤ改正をもって、北陸本線の敦賀〜福井間の定期運用がなくなりました。
また、日中時間帯の北陸本線(米原〜敦賀間)および湖西線(近江今津〜近江塩津間)の運用は、両路線とも姫路方面からの新快速による直通運転が担っていることから、運用がありません。
そのため、2023年3月改正時点での521系E編成の日中時間帯の運用が全体的にないこととなります。また、運用がなくなった敦賀〜福井間は、2024年3月の北陸新幹線開業により、この区間は第3セクターのハピラインふくいに経営移管されることが決定しており、521系E編成は北陸新幹線開業後もJR西日本に残存することが濃厚なため、今後運用が復活することはないでしょう。
よって、現在運用のない日中時間帯において、定期運用の実績がある小浜線の運用に入り、小浜線で運行している125系の一部運用を置き換えるかわりに、125系を舞鶴線の運用に回し、113系の運用を置き換えることが可能となります。
125系は小浜線の他に、山陽本線の加古川駅から福知山線の谷川駅までを結ぶ、加古川線でも使用されています。加古川線の125系は4編成4両が所属しており、基本的には、加古川線の1番過疎区間である、西脇市〜谷川間の運用に1両単独で就くことが多いですが、一部加古川〜西脇市間の運用にも就いています。
その加古川線の125系を転属させて、113系の運用を置き換えるという方法も考えられます。125系を転属させることによって、
といった運用が実現できると思います。
但し、大穴と書いている通り、今の車両事情では加古川線の125系を転属させて福知山の113系を置き換えることはほぼ不可能と見ています。
加古川線では一部減便が行われましたが、主力である103系の老朽化の心配もありますし、もし125系を転属させたいのであれば、新型車両(227系?)を導入して103系と125系を同時に置き換える方が望ましいです。現在のJR西日本は、京阪神地区の225系と岡山地区の227系の新造が中心となっているため、そう簡単には実現しないものと思われます。
いかがでしたでしょうか?
今回は福知山で残存する113系に関する現況と今後について説明しました!
和田岬線の103系、京都支所の113系、117系の引退が記憶に新しい中、別の場所で活躍を続けている国鉄型車両も地味に数を減らしつつあります。
国鉄型車両の寿命はどこにいようが長くないというのは決まり文句としてあるので、記録はお早めに。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!