皆様、こんにちは。U5swです。
今回は京阪電鉄で登場から10年が過ぎてもなお増備を続ける新型車両、京阪13000系に関するまとめと今後の展望に関して説明していきます!
現在京阪電鉄の中で最大両数を抱え、2024年現在でも増備を続けている京阪13000系。この13000系導入のキッカケは、
“支線用の2600系を置き換えると同時に、宇治線のワンマン運転化を実現するため”
でした。京阪本線系統の内、ほぼ支線内での単独運用を行う交野線(枚方市〜私市間)と宇治線(中書島〜宇治間)の2路線では、京阪13000系導入前後において、車両面で明暗が分かれていました。
交野線に関しては、2002年から2006年にかけて4両編成6本が導入された京阪10000系により、2007年9月22日からワンマン運転を開始したのに対し、宇治線に関しては、当時既に車齢が3~40年を超えていたベテラン車両2600系が引き続き使用されており、ワンマン運転も行われていませんでした。
その宇治線に対し、電力消費量の大幅削減(2600系より約35%の消費電力削減)を実現し、従来車よりも環境に配慮した13000系を2012年より導入することとなりました。
外観や内装は、2008年に導入された3000系をベースとしつつも、一般車両に合わせる形で側面は連続窓ではなく、座席もロングシートとなっています。
制御装置は3000系同様東洋IGBT-VVVFインバータ制御を採用しています(但し13024Fのみ後に東洋フルSiC-VVVFインバータ制御に換装)。一方でパンタグラフは3000系のようなシングルアームパンタグラフではなく、2600系等の廃車車両発生品である下枠交差形のパンタグラフを改良の上搭載しています。
2012年~13年までに1次車として0番台が4両編成5本(13001F~13005F)導入され、2600系の置き換えを行ったことで、2013年6月1日より宇治線でもワンマン運転を実現させることができました。また、宇治線のワンマン化を機に10000系と共通運用を組むこととなり、10000系が宇治線へ、13000系が交野線の運用にも入るようになっています。
また、13000系は貫通型タイプの前面デザインとなっており、4両編成を2本繋いだ8両編成でも運行できるようにしています。過去に試運転で走行したことがあり、近年では守口市駅のホームドア輸送用として13004Fと13005Fを繋いだ8両編成で走行した実績があります。
宇治線2600系の置き換えと宇治線ワンマン化達成という第一目標を達成してからも、引き続き13000系の導入が進んでいきます。
まず、2014年3月には、2次車となる13006F(4両編成)が導入されました。そして、4月には20番台を付した13021Fが登場しました。
この13021Fは13000系初の7両編成の車両として登場し、主に京阪本線・鴨東線・中之島線(本線系統)での準急および普通の運用を中心に就く車両として、本線用のベテラン車両を置き換える目的で導入が始まりました。7月には13022F(7両編成)も導入されています。
ちなみに、7両編成の一般車両は1995年の7200系7203Fを最後に製造がなされていなかったため、約19年ぶりの新車導入となりました。
1次車からの変更点としては、前照灯や室内照明灯にLEDを採用することで、更に消費電力を削減しています。また、この2次車より、ドア開閉時に鳴動するドアチャイムが新規に採用され、JR西日本の車両で使用されているチャイムと同一のものが採用されました(なお、後に1次車にもドアチャイムを搭載している)。
続いて、2016年には3次車として13007F(4両編成)、13023F・13024F・13025F(7両編成)の計4編成が導入されました。本線用の7両編成はベテラン車両の2200系・2400系・2600系の一部編成を置き換えた他、支線用の4両編成は10000系の10001F・10002Fの2編成を置き換えました。
置き換えられた10001Fと10002Fに関しては、従来の4両編成から7200系の7201F・7202F、および9000系の9001F・9002F・9003F・9004Fの8両編成6本から各1両を抜いて7両編成にし、抜いた中間車を3両ずつ組み込んで7両編成化し、本線用に転属するというアクロバティックな編成組替を行いました。
そして、2018年には4次車として13026F・13027F(7両編成)が導入されました。
なお、7両編成の20番台に関しては、増備当時は6000系がリニューアル工事のため入場しており、一般車両の8両編成が足りない場合は、20番台の2編成の内、1編成に中間車1両を脱車し、もう1編成に組み込むことで”8両編成”を組成することが可能となっており、過去数回8両編成での営業運行を行なっています。
一方で、脱車した編成に関しては、更に中間車2両を抜いて4両編成を組成し、0番台と共に支線系統の運用に就いていました。20番台は本線系統用の車両ですが、製造時に予め4両編成に短縮して支線系統の運用に入れるよう、ワンマン対応機器を搭載しています。
2021年度中に、京橋駅1・2番線ホームにホームドアを設置することとなり、このホームドアは8000系の2扉車、3000系と一般車両の3扉車には対応するも、日本で初めて多扉車を採用した5扉車の5000系には、ホームドアの位置が合わないことから、置き換えないといけなくなりました。
その5000系の置き換え用として13000系が導入されることとなり、5次車として2020~21年にかけて6両編成6本が導入され、新たに30番台(13031F~13036F)となりました。
この5次車より新たに戸挟み検知装置を新設、車内防犯カメラを1両毎に3箇所、広告用LCDを設置しています。また、パンタグラフは5次車よりシングルアームパンタグラフとなっています。
当初、この30番台は新造された6両に、プレミアムカーの導入で余剰となった3000系の半端車を組み込んで、7両編成として走るものと思われていましたが、コロナ禍での情勢により京阪線全線で利用者が減少し、大減便が行われたこともあり、6両編成のまま営業運転に入りました。6両編成の列車が営業運転に就いたのは2003年以来18年ぶりのことで、主に中之島〜萱島間の普通で運行を続けていました。
2023年より、脱車してから長らく今後の行方が分からず寝屋川車庫に留置されていた3000系の半端車が、13000系に編入の上、13000系の編成に組み込むこととなりました。
しかし、3000系の半端車が組み込まれたのは、前節で予想していた6両編成の30番台…ではなく、
“まさかの20番台”
に導入がなされました。組み込みの際は半端車を入れる代わりに、元々組み込まれていた一般の中間車を脱車しました(脱車された中間車は休車中)。
半端車は6両分あり、結果13022Fを除く20番台6編成に半端車を組み込むこととなりました。
半端車は大阪方から2両目に組み込まれており、外装は13000系に合わせた一般車両塗装に変更されたものの、車内の内装や座席は“従来の3000系から全く変更していません”。そのため、7両の内1両は“2+1の転換クロスシートのまま”となっており、従来通り準急や普通を中心とした運用に入ることから、利用者からしたらとても“乗り得な車両”となっています。また、側面の窓は13000系が独立した窓なのに対し、3000系とその半端車は連続窓となっているため、外からも見分けがつきます。
5000系の置き換えが完了し、6両編成として本線系統で運行を続けていた13000系の30番台ですが、2024年に入ってからまた大きな動きがありました。それは、
“6両編成での運行を終了。4両編成に短縮の上支線系統に転用”
という、またまた想定外の動きが見られました。
私含め大方の予想としては、
“3000系の半端車に置き換えられた20番台の中間車を、30番台に組み込んで7両編成化を行う”
ものと思われましたが、実際は
“まさかの中間車2両を抜いて4両編成に短縮”
し、支線系統で0番台に混じって営業運行を行うことになりました。
実際、2024年5月13日に、13031Fが4両編成に短縮され、交野線で営業運転を開始した他、5月23日には13032Fも4両編成化されていることが確認されています。そして13033F~13036Fの6両編成4本は休車状態となっています。この4本もいずれは4両編成化されるでしょう。
13031F,13032F4両編成化のソースは以下の通り↓
30番台も20番台同様、本線系統向けの編成ではあるものの、4両編成化の上支線系統でも活躍できるようワンマン運転に対応した設計となっていますが、実際支線系統用の10000系および13000系の編成数は既に足りており、運用もゆとりがあるのにも関わらず、4両編成を増やした理由とは…?
現状、本線系統の7両編成の運用がキツくなっており、30番台固定の6両編成運用がなくなった代わりに7両編成の車両が使用されることとなり、かつ6000系のリニューアル工事が全編成完了し、今度は7両編成の7000系のリニューアル工事に着手しています。その影響からか、9000系で唯一の8両編成の生き残りだった9005Fが7両編成化されています。
また、ダイヤ改正の度に減便を繰り返したことで車両が余り、最古参だった2200系が一時期全編成休車状態になっていましたが、30番台が全車4両化および休車状態となったことで、運用復帰を余儀なくされています。
そして、30番台の6両→4両化と共に、新たに30番台が増備されているのですが、その増備された車両が“先頭車のみ”となっており、2024年3月15日に13037Fの13037号車と13087号車、3月18日に13038Fの13038号車と13088号車、3月21日に13039Fの13039号車と13089号車の先頭車のみ6両が川崎車輛から寝屋川車庫へそれぞれ陸送されています。
この13037F~13039Fが先頭車のみ製造され陸送された理由としては、
“休車中の中間車を組み込んで4両以上の編成を組み営業運転に就くため”
ということが考えられます。
現在の13000系は、3000系の半端車組込により置き換えられた元20番台の中間車6両分と、6両→4両化された13031F、13032Fの中間車4両分が残っており、休車中の13033F~13036Fももし4両編成化されるのであれば新たに中間車ができることとなります。
なお、2024年5月23日において、寝屋川車庫で中間車の”13690号車”と”13691号車”が、5月31日には中間車の”13540号車”がそれぞれ確認されています。これは他編成から抜かれた中間車を改番し、次に先頭車が出場するであろう13040Fと13041Fに組み込むための中間車と考えられます。
改番のソースは以下の通り↓
https://4gousya.net/forums/post/京阪13000系「13690」「13691」が確認
https://4gousya.net/forums/post/京阪13000系「13540」が確認
ただでさえ編成両数や編成組替のバリエーションが豊富な13000系において、30番台の4両編成化や先頭車のみ新造し搬入している状況から、迷走化?しているようにしか見えません…
去る2024年10月25日より、京阪電車より13000系に関する”正式の情報”が発表されました。
“2026年度までに13000系を67両増備すること”
これが決定しました!
https://www.keihan.co.jp/corporate/info/release/assets/241025_keihan-railway.pdf
導入時期としては、2024~25年度に6次車として18両が、2025~26年度に7次車として49両がそれぞれ新造される予定であり、13000系全体の両数は既に営業運転に就いた実績のある119両を加えて、“186両”となる予定です(京阪線全体の30%が13000系になる模様)。
元々、京阪ホールディングスは、2023年3月期の有価証券報告書内において、
“京阪線鉄道車両(13000系)67両新造および関連工事”
を行うことを明記していましたが、今回の発表で明確化されました!
京阪ホールディングス2023年有価証券報告書は以下の通り↓
https://www.keihan-holdings.co.jp/ir/library/pdf/sec-2023_06_20.pdf
但し、4両編成が何本なのか、7両編成が何本なのかという詳細は明らかではないため、ここからは個人的な予想を述べていきます。
先述の通り、今年度分の新造車として、13037F~13039F用の先頭車のみ6両が既に搬入済みであり、2025年度までに残り12両の6次車が導入される模様です。
この6次車は、新造された中間車に、20番台の内元3000系の半端車によって脱車した中間車6両分と、30番台の内6両→4両化で脱車した中間車12両分を組み込んで編成を組むことが考えられることから、もし30番台が全て4両編成で統一される場合、6次車は全て”先頭車”が新造されることとなります。よって、30番台は現行の13031F~13036Fに加えて13037F~13045Fの6次車に既存の中間車を組み、4両編成15本体制になるものと思われます。
元20番台および元30番台の中間車の中には、編成番号が改番された後の中間車が寝屋川車庫で留置されているのが度々目撃されているので、導入両数も含めて現実味はあると思います。
そして2025~26年度導入予定の7次車49両に関しては、単純に7両編成7本が導入され、ベテラン車両の2200系、2400系、2600系30番台の置き換えに充てるものと思われます。番台に関してはイレギュラーで10番台が充てられるものと思われます(13011F~13017F、50番台は0番台で使用されているので使用できないため)。
2024年11月時点で、2200系は7両編成4本、2400系は7両編成5本、2600系30番台は7両編成4本が現役のため、7両編成13本を置き換えるには明らかに本数が足りないと思われますが、6次車の導入でもこれらの形式を置き換えるでしょう。
事実、近年の京阪電車は利用者が大幅に減少しており、本数も大幅に減っていることから、今後も利用者が回復しないと考えれば余剰廃車も十分あり得ると思われます。また、一部では、萱島〜淀屋橋、中之島間の普通の一部を4両で運行させる説も出ていますが、信憑性がないので何とも言えません。
また、3000系のプレミアムカー2両化計画によって、また新たに3000系の余剰中間車6両が出る想定をした上で述べていましたが、67両”新造”と書かれていたことから、余剰中間車はこの67両の中に”含まれない”と想定しています。そもそも、公式でもプレミアムカー2両化が実現することすら明らかになっていませんが…
最後に、京阪13000系全体の編成表を、組替前(3000系半端車導入前、および30番台4両化前)と組替後に分けて確認して行きます。
まずは、組替前の編成をまとめました。
続いて組替後と2024年7月時点での状況をまとめました。
今後の増備によって、また新たに編成組替が行われると思うので、その都度更新していきます。
(2024.11.7追記)13000系の67両新造のニュースが出たところで、最終形はこうなるのではないかという個人的な予想を以下に示します。
最終的に13000系の布陣は、
こうなると予想しました。
明らかに4両編成の本数が過剰すぎますが、全て支線用として活用するとは考えづらく、
以上のような形で運行させるものと思われます。
色々な可能性を秘めている13000系の動向、ますます目が離せません。
いかがでしたでしょうか?
今回は京阪13000系に関して説明しました!
本線系統から支線系統まで編成両数や組替を、状況に応じてフレキシブルに対応している当形式。製造から10年が経ち、既に京阪の形式の中で最大両数となっている中、今後も引き続き増備が行われ、増備と共に新たな編成が誕生していきます。
果たして、最終的にどんな編成が誕生していくのか、今後も要注目です。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!