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【どうなる?】阪急10両完全消滅で気になる増結車の行方

皆様、こんにちは。U5swです。

今回は、阪急全体において10両編成の運用が完全消滅してしまうことを受けて、今後10両編成のために活躍していた2両の増結用編成はどうなってしまうのかを予想していきます。

2025年のダイヤ改正で、10両編成の運用が完全消滅。

来る2025年のダイヤ改正において、最後まで残存していた

“阪急神戸線の10両編成の列車”

が廃止され、全て8両編成に統一されることが明らかとなりました。

※宝塚線と京都線の10両編成の列車は、2022年のダイヤ改正で既に消滅済み。

これにより、8+2両を組成していた10両暫定固定編成の内、増結用の2両編成の役割がほぼなくなってしまうこととなります。

果たして、この増結車たちは今後どうなってしまうのか?今後起こり得そうなことを予想していきたいと思います。

ダイヤ改正の詳細は以下の記事をご覧ください↓

現在10両固定編成用の列車は?

神戸線の朝ラッシュの通勤特急で専属で使用されていた”10両固定編成”は全部で5編成構成されており、

  • 7000F(8両)+8033F(2両)
  • 7007F(8両)+8031F(2両)
  • 7008F(8両)+8201F(2両)
  • 7009F(8両)+8200F(2両)
  • 7010F(8両)+6016F(2両)

これらの5編成は途中駅での増解結は一切行わず、ずっとこの編成を維持し続けていました。

改正後はコンビが解消され、8両基本編成は神戸線で8両編成の終日運用に復帰しています。一方で2両増結編成は役割が無くなることとなり、

  • 他の6両編成or増結編成のみで8両編成を組み神戸線or宝塚線で運用
  • 支線区(今津北線、箕面線、嵐山線?)
  • 他社譲渡(能勢電鉄)
  • 余剰廃車

この4つの内いずれかの運命を辿ることとなるでしょう。

各形式における全ての増結編成の現状(2025.4時点)

神宝線(神戸線系統と宝塚線系統)で使用されている(されていた)各形式の2両増結編成をまとめると、以下のようになります。

6000系

6000系の増結用編成は1編成のみ所属しています。

  • 6016F:神戸線で7010Fと10両編成を組んでいた→今後未定

編成構成は6016(Mc)-6116(M’c)という増結車唯一の全電動車です。

7000系

7000系の増結用編成は5編成所属しています。

  • 7030F:現在今津北線で7090F(4両編成)と6両編成を組んで運用中
  • 7032F:休車中
  • 7033F:休車中
  • 7034F:現在箕面線で7035Fと4両編成を組んで運用中、箕面ワンマン改造済み(4両固定化)
  • 7035F:現在箕面線で7034Fと4両編成を組んで運用中、箕面ワンマン改造済み(4両固定化)

8000系

8000系の増結用編成は9編成所属しています。

  • 8030F:現在8034Fと4両編成を組み、箕面線で運用中(箕面ワンマンになるかは不明)
  • 8031F:神戸線で7007Fと10両編成を組んでいた→今後未定
  • 8032F:現在神戸線で7003F(6両編成)と8両編成を組み、神戸線で運用中
  • 8033F:神戸線で7000Fと10両編成を組んでいた→今後未定
  • 8034F:現在8030Fと4両編成を組み、箕面線で運用中(箕面ワンマンになるかは不明)
  • 8035F:現在神戸線で7023F(6両編成)と8両編成を組み、神戸線で運用中(リニューアル改造済み)
  • 8040F:現在宝塚線で8041Fと7024F(4両編成)と8両編成を組み、宝塚線で運用中
  • 8041F:現在宝塚線で8040Fと7024F(4両編成)と8両編成を組み、宝塚線で運用中
  • 8042F:現在神戸線で7001F(6両編成)と8両編成を組み、神戸線で運用中(リニューアル改造済み)

8200系

8200系の増結用編成は2編成所属しています。

  • 8200F:神戸線で7009Fと10両編成を組んでいた→今後未定
  • 8201F:神戸線で7008Fと10両編成を組んでいた→今後未定

新型車両導入、旧車置き換え事情を整理(神宝線ver)

そして、阪急電鉄で新たにデビューすることが決まっている新・2000系に関しても、車両の転属や置き換えに大きく関わる情報なので共有しておきます。

既報通り2000系の製造が始まっており、既にトップナンバーの2000F(8両編成)が宝塚線で営業運転を開始しています。

今後、2000系がどれだけ製造されるかは不明ですが、2000系の導入によって、

  • 今津北線の5000系(6両編成×6本分)
  • 宝塚線・箕面線の5100系(8両編成×3本分、4両編成×2本分)

はほぼ確実に置き換えられるものと思われます。

宝塚線で生き残っている8両編成の5100系は、直接2000系で置き換えられることはほぼ確実です。

一方、今津北線の5000系と箕面線の5100系は、2000系が8両編成で神戸線or宝塚線で導入されることを考えると、支線区への転属が行われ、その玉突きで置き換えることが有力でしょう。

今津北線用の5000系に関しては、神戸線用に2000系を導入し、7000系(6両編成)+8000系(2両編成)の組み合わせで神戸線を走っている編成のコンビを解消し、7000系側を今津北線専属にすることで5000系の置き換えに充てるでしょう。

箕面線用の5100系4両編成に関しては、余剰の増結2両編成を2本繋げた4両編成を組み、ワンマン対応改造を施工して置き換えるものと思われます。箕面線は2026年春頃にワンマン運転を行う計画であり、旧型の5100系をワンマン改造する可能性はほぼ皆無だと思いますので、おそらく早急に5100系が置き換わるものと思われます。

なお、既にワンマン運転を開始している伊丹線に関しては、伊丹線用の6000系と予備車の7000系7090Fが営業運転を行っているため、対象外です。

新型車両導入、旧車置き換え事情を整理(京都線ver)

神宝線とは車両の規格が異なる京都線系統ですが、こちらも一応事情を説明しておきます。

まず、京都線では新型特急用車両として、座席指定車両PRiVACEを連結した新・2300系が既にデビューしています(2300F,2301F,2302Fが営業運転中)。この2300系の導入で9300系を一般用車両へ格下げ改造を行いつつ、旧型車両の3300系と5300系の置き換えを行っています。

そして、もう1つ置き換えがほぼ決定しているのが、9300系の前の特急用車両として、

嵐山線に4両編成3本が生き残っている6300系

です。6300系は登場から50年近く経っている旧型車両であり、元々2ドア車で他の3ドア車よりもドア配置が大きく異なっています。

その嵐山線では、伊丹線や箕面線同様、2027年にワンマン運転を開始することが発表されており、ワンマン運転のためのセンサー付きホーム柵を設置します。そのホーム柵は3ドア対応の車両向けとなることが予想されるので、元々ドア配置が異なり、かつ老朽化も進行している6300系は確実に置き換えられるでしょう。

では、その6300系の置き換えに使用する車両は何になるでしょうか?京都線で走る7300系,8300系の一部車両をワンマン改造の上転属か、また9300系の一部車両を4両編成に短縮するという案も出ています。しかし、

“神宝線の2両増結車を2本繋いだ4両編成を京都線系統に転属させ、嵐山線専属車両として運用に就かせる”

この説も十分考えられると思います。事実、神宝線規格の車両は京都線系統への入線に対応しており、全般検査や検査後の試運転は京都線の正雀車庫を起点に行われています。

また、京都線では土休日に“快速特急京とれいん雅洛”を運行していますが、その専属車両は7000系7006Fであり、元々神宝線系統で活躍していた車両を京都線で走らせている他、過去に行楽期の嵐山観光をターゲットとした“臨時の直通特急”が運行されており、その内高速神戸発着や宝塚発着といった、神宝線の駅から嵐山へ直通する直通特急には、神宝線系統の7000系が使用されていたことから、神宝線規格の車両が嵐山線で走れることは既に実証済みです。

よって、神宝線系統で余った余剰車を、嵐山線用ワンマン対応車に活用する説も見逃せません。

能勢電鉄への譲渡は?

阪急電車の古参車の一部がセカンドライフを送るで有名な能勢電鉄。その能勢電鉄では、現在元阪急旧・2000系の1700系の置き換え用に、阪急6000系と7000系の車両を活用した7200系を導入しています。

現在、能勢電1700系は1755Fと1757Fの4両編成2本が残存していますが、1755Fはもうすぐ引退が決まっており、その代替として元阪急7036Fの7210Fと元阪急7037Fの7211Fが譲渡されデビューしました。7210Fと7211Fはいずれも2両編成で、妙見線の山下〜妙見口間の運用に専念する用として導入されましたが、この2編成を繋いで4両編成で運行できるようになっています。

そして2026年に引退予定の1757Fに関しては、こちらも現在は元阪急7005Fの先頭車と7004Fの中間車2両を組んだ4両編成が、阪神尼崎工場にて改造工事を受けており、7203Fとして能勢電に譲渡、置き換えを行うものと思われます。

また、能勢電には5100系も改造の上譲渡され、活躍を続けていますが、こちらの形式は譲渡から10年ほど経っただけであり、今後5100系を置き換える旨は発表されていません。

以上より、このタイミングにおける能勢電への追加譲渡はないと考える方が良さそうです。

7000系・8000系・8200系の編成表(譲渡された能勢電7200系含む)

7000系・能勢電7200系

8000系・8200系

増結車の今後を勝手に予想

ここからは100%個人の推測ですが、増結車たちの行方を勝手に予想します。

箕面線(5100系置き換え)

2025年4月時点で、箕面線用の編成は以下が在籍しています。

  • 5100系
    • 5132F→ワンマン非対応、引退近い
    • 5134F→ワンマン非対応、引退近い
  • 6000系
    • 6008F→ワンマン対応済み
    • 6024F→ワンマン対応済み
  • 7000系
    • 7031F→ワンマン対応工事中
    • 7034F+7035F→ワンマン対応済み、リニューアル化
  • 8000系
    • 8030F+8034F→ワンマン非対応、今後ワンマン対応する?

現在7031Fが正雀車庫でワンマン対応の改造を行い、復帰すれば5100系の内1編成が置き換わるものと思われます。そして、もう1編成の置き換えに関しては、長年休車状態の続く7032Fと7033Fを4両半永久固定編成化し、7034F+7035Fみたくワンマン対応の改造工事が施行されるものと見ています。

8030F+8034Fのワンマン化はまだ行われておらず、今後対応を行うのかも微妙です。また、後述しますが、現在8040F(2両)+8041F(2両)+7024F(4両)の8両編成を2000系の導入でトリオを解消し、7024F側をワンマン対応改造するケース、8200系の8200Fと8201Fで4両編成を組み、同じくワンマン対応改造するケースも候補に挙げられます。

今津北線(5000系置き換え用)

2025年4月時点で、今津北線用の編成は以下が在籍しています。

  • 5000系
    • 5001F
    • 5002F
    • 5004F
    • 5006F
    • 5008F→正雀工場入場中
    • 5010F
  • 6000系
    • 6025F+6026F→6026Fのみ今津南線・甲陽線ワンマン予備編成
  • 7000系
    • 7004F
    • 7030F+7090F→7090Fのみ伊丹線ワンマン予備編成

今津北線は平日朝の準急や競馬開催時の臨時急行を除き6両編成での運行で、ワンマン運転は行いません。現在でも5000系が主体の運行となっていますが、今後の2000系導入によって、6両編成の7000系が今津北線専属化となり、5000系を置き換えるでしょう。現在2両編成の8000系と8両編成を組む、6両編成の7000系は、

  • 7001F
  • 7003F
  • 7023F

以上の3編成が在籍しています。

これで5000系3編成分は置き換えられますが、残りの3編成はどうするのでしょうか?個人的には”ウルトラC”っぽくなりますが、

  • 8030F+8031F+8032Fのブツ6(前期車顔統一)
  • 8033F+8034F+8035Fのブツ6(中期車顔統一)
  • 8040F+8041F+8042Fのブツ6(後期車顔統一)

このブツ6編成を3編成構成して、5000系を置き換える説を出してみます。

現在8000系のワンマン対応編成は存在しておらず、10両編成の運行終了で8031Fと8033Fが休車中、今後の2000系導入で7000系6両編成が今津北線専属化され、それによって8032F、8035F、8042Fも神戸線で出番を失うので、前期車・中期車・後期車で綺麗に揃えればうまくまとまるでしょう。ただ、8035Fと8042Fはリニューアルして機器更新も行なっていることから、このブツ6編成を組成するのであれば、他の編成も合わせてリニューアル・機器更新を行うでしょう。

また、仮にこのブツ6三銃士が組成されるとなれば、気になるのは8040Fと8041Fとトリオを組んで宝塚線を走っている4両編成の7024Fはどうなるのか?これは簡単で、8030F+8034Fの代わりに箕面線専属車両となる(ついでにワンマン対応改造)ことが濃厚となるでしょう。

また、6000系で唯一2両編成である6016Fを、6008Fや6024Fの4両編成とタッグを組んで、6両編成として今津北線で走るケースも考えられます(7030F+7090Fと同様の使用用途)。

嵐山線(6300系置き換え用)

2025年4月時点で、嵐山線用の編成は以下が在籍しています。

  • 6300系
    • 6351F→ワンマン非対応、引退近い
    • 6352F→ワンマン非対応、引退近い
    • 6353F→ワンマン非対応、引退近い

まず、この3編成の内2編成を置き換える対象の筆頭候補として、

  • 7300系
    • 7300F+7301F→ワンマン対応改造を施工
    • 7302F+7323F→ワンマン対応改造を施工

これが考えられます。この2編成と6両編成の7321Fは現在、

  • 7300(Mc)-7450(Tc)+7301(Mc)-7451(Tc)+7302(Mc)-7851(T)-7401(M’c)
  • 7323(Mc)-7453(Tc)+7321(Mc)-7801(M’)-7861(T)-7871(T)-7901(M)-7452(Tc)

という8両編成1本と7両編成1本を構成して京都線等で走っていますが、これを

  • 7300(Mc)-7450(Tc)+7301(Mc)-7451(Tc)
  • 7302(Mc)-7452(Tc)+7323(Mc)-7453(Tc)
  • 7321(Mc)-7801(M’)-7851(T)-7861(T)-7871(T)-7901(M)-7401(M’c)

という形で4両編成2本と7両編成1本に組み直すことで、6300系2編成分の置き換え用車両を捻出できます。なお、少なくなった8両編成1本分は、2300系の導入と9300系の一般車格下げ改造により対応します。

では、もう1編成の6300系は何で置き換えるのでしょうか…?

現状、2300系の導入で旧型の3300系が置き換えられ、5300系が8両編成から7両編成へ短縮されていますが、3300系の在籍本数も僅かであり、2300系の導入本数が12本であることを踏まえると、5300系の一部にも編成ごとの廃車が現れるものと思われます。

2025年4月現在、営業運行に就いている3300系と5300系は以下の通り。

  • 3300系
    • 3323F(8両)
    • 3329F(7両)
  • 5300系
    • 5300F(7両)→リニューアル済み
    • 5301F(7両)
    • 5302F(7両)→リニューアル済み
    • 5304F(7両)→3331Fの離脱に伴い、つい最近7両化
    • 5308F(7両)
    • 5311F(7両)
    • 5313F(8両)
    • 5315F(7両)
    • 5317F(8両)
    • 5319F(7両)
    • 5321F(7両)
    • 5323F(7両)
    • 5324F(7両)

また、一般車化改造が進む9300系と、導入されている2300系の状況は以下の通り。

  • 9300系
    • 9300F(8両)→一般車化改造完了、まもなく復帰?
    • 9301F(8両)→一般車化改造中
    • 9302F(8両)→一般車化改造中
    • 9303F(8両、P車アリ)
    • 9304F(8両、P車アリ)
    • 9305F(8両、P車アリ)
    • 9306F(8両、P車アリ)
    • 9307F(8両、P車アリ)
    • 9308F(8両、P車アリ)
    • 9309F(8両)
    • 9310F(8両)→運用離脱中、一般車化改造へ?
  • 2300系
    • 2300F(8両)
    • 2301F(8両)
    • 2302F(8両)

事実、車庫容量の関係で7両編成の列車を走らせなければならない状況でもあるので、8300系の8両編成2本と6両編成2本を7両編成4本に組み替え、捻出された2両編成2本を活用して嵐山線へ転用して6300系1編成分を置き換えという線が有力でしょう。

しかし、個人的な大穴予想としては、

8200系の8200Fと8201Fを併結した4両編成を組成し、ワンマン運転対応改造を行い嵐山線へ転属

という、こちらもウルトラCな転属を行うと予想します。

ベースは8000系列も仕様の違いで、他の車両と比較して独特の設計となっている8200系。当然箕面ワンマン用に転用されたりと、基本的には神宝線系統か能勢電譲渡用で活用されることが濃厚ですが、

  • 嵐山線のワンマン化に伴い、嵐山線専用車両を増やす可能性があるため(3編成だけでは足りないので予備車確保?)
  • 側面の大型窓を活用した嵐山線観光PRに使えそう(説得力皆無)
  • 登場から30年経つので、いずれ機器更新は実施する(東洋製VVVFへの換装も可能?)
  • 嵐山線限定の特別車両の改造対象になりそう(京とれいんとはまた別の観光PR)

以上、あまりにも根拠のないフワフワとした予想ですが、これまでの阪急が古い車両よりも先に廃車させるという事例はあまり見ていない(6300系はドア配置の関係で転用用途がなく廃車せざるを得なかっただけ。最近では7300系のC#7851を17年の休車から運用復帰させた実績がある)ので、我々の想像を大きく超える転用をやってのけそうなことを踏まえ、このような予想を立ててみました。

まぁ、可能性は低そうですが…

まとめ: 増結車たちの運命や如何に。

いかがでしたでしょうか?

今回は10両編成の運行が消滅した阪急電鉄において、余剰となった増結車はどういう運命を辿るのかを予想してみました。

これまで一般の3ドア車に関しては、極力旧形式よりも先に廃車はされず、何らかの形で有効活用がなされると思い、支線区への転用を中心に改造ののち有効活用がなされるものと思われます。

出番を失った増結車たちの今後の運命はどうなるのか、引き続き注目していきます。

今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!

U5sw