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皆様、こんにちは。U5swです。
今回は、JR東日本・常磐緩行線用のE233系2000番台の内、ワンマン対応改造がなされず営業運転から離脱している2編成の現状と今後の行方に関して予想していきます。
2009年より常磐緩行線と乗り入れ先の東京メトロ千代田線直通用に製造されたのがE233系2000番台です。2011年までに10両編成18本が製造、2017年に1本が追加増備により10両編成19本が常磐緩行線と東京メトロ千代田線(北綾瀬支線含む)、2016年より小田急小田原線・多摩線(代々木上原〜伊勢原・唐木田間)で営業運行に就いています。
そんな常磐緩行線では、2025年のダイヤ改正より全線でワンマン運転を開始しています。これに併せて、常磐緩行線を走行する車両には順次ワンマン運転対応改造工事が施工されていきましたが、そんな中で、改正までにワンマン対応工事を施工しなかった編成が2本あります。それが、
マト2編成(2002)とマト11編成(2011)の2本です。
この2本はワンマン運転に対応していないことから、2025年のダイヤ改正より定期運用から離脱しており、その後一切ワンマン運転に対応することなく離脱が続いています。改造の気配が一切見えないことからも、
この2編成は今後他線区へ転属するのではないか?
と言われています。実際、E233系では、
各番台で発生した余剰車を活用した転用改造
が実施されており、房総地区用と京葉線用に転用する編成が現れています(詳細は以下の記事より参照)。
そこで、次節からマト2編成とマト11編成の行く末を予想していきます。
2000番台はE233系の一員となっていますが、他線区で使用されているE233系とは、姿も形も大きく異なる仕様となっています。
まずは前面デザインが大きく異なっています。これは、2000番台が東京メトロ千代田線に乗り入れる関係上、前面に非常用扉を設置する必要があるため、それに合わせた前面形状を採用しています。
次に車体断面ですが、これも東京メトロ千代田線に乗り入れる関係上、車両限界を狭くした設計にする必要があるため、拡幅車体を採用せずにストレート車体を採用していることが特徴です。
最後に、運転席の衝撃吸収構造が採用されていないことから、先頭の客用扉とその次の客用扉の間隔が極端に狭くなっていないことが特徴です。
以上、特に東京メトロ千代田線へ乗り入れる関係上、他のE233系と見た目や機能が大きく異なっている2000番台は、“他の番台みたく簡単に転用しにくい”番台となっています。
東は茨城県の取手駅から、西は東京都の唐木田駅or神奈川県の伊勢原駅まで、首都圏をほぼ斜め横断する形で幅広く運用に就くE233系2000番台ですが、現状の運用数と予備車はどうなっているのでしょうか?
2025年3月改正時点、定期でE233系2000番台が充当される運用数(K運用)は、
となっており、これをマト2編成とマト11編成を除いた”17編成“で運用を回しています。
定期検査による離脱や故障による離脱など、複数の離脱要因を勘案すると、予備編成は少なくても2編成は確保しておくことが望ましいですが、土休日運用はまだしも平日運用は予備編成を”1編成“しか確保することができません。そのため、上記のような離脱要因が重なってしまうと、東京メトロ16000系や小田急4000形を借りて他社車両でK運用を代走しなければならず、その代走の手配や車両使用料相殺で手間をかけてしまうこととなります。
近年、コロナ禍や常磐緩行線自体の減便ラッシュが相次いだことにより、以前よりも運用数が減ったという事情はあれど、2本の非ワンマン対応車両を発生させているせいで、運用がカツカツな状況になってしまっているのは、ある意味”本末転倒“とも言えるでしょう。
ここからは、運用離脱の続くマト2編成とマト11編成の2本をどのように活用していくのが望ましいか?考えられる可能性と実現可能性を考察します。
まず、単純に考えるのであれば、残りの17本と同様ワンマン対応改造を施工し、運用に復帰させることです。ワンマン対応改造にコストがかかることは承知も、正直ケチって意地でも改造させない理由もわからないために、素直に改造して復帰させるのが望ましいのは言うまでもありません。
事実、平日運用では予備編成が1編成しかない状況ですから、下手に別の場所に持っていくよりは引き続き常磐緩行線用に置いておくに越したことはありません。
ただ、元から常磐緩行線用として残しておくつもりなのであれば、既にワンマン改造させて運用に入っていると思うので、今から改造して復帰は正直可能性は微妙だろうなと考えられます。
次に、JRの他路線に転用することですが、可能性としては1番濃厚でしょう。
問題はその2本を何処に転用させるかですが…
先述の通り、2000番台は他のE233系と比較して仕様が異なる独特の番台ではあるため、他の番台のある路線に転用させると、ストレート車体による定員数減少やドア位置の違いとホームドアの関係で色々と制約が出てしまいます。そのことを踏まえた転用先を考えると、以下の候補が挙げられます。
まずは、最近京浜東北線用だった1000番台の一部編成が転属したことで話題となった京葉線です。先日、京浜東北線用だった1000番台のサイ103編成が、帯色をスカイブルーからワインレッドに変更の上、京葉車両センターに転属し、ケヨ103編成として京葉線用に転用がなされました。これと同様のルートで、今後はサイ101編成をケヨ101編成に、サイ102編成をケヨ102編成にそれぞれ転用改造を行うと言われています。
この1000番台3本の転用改造の目的としては、
京葉線5000番台の分割編成(6+4両)を房総地区用に転用するための玉突き転用
と言われています。現在5000番台の分割編成は6両編成4本と4両編成4本が在籍しており、主に東京から京葉線・外房線を経由し、分割併合を行い東金線経由で成東、そのまま外房線で上総一ノ宮へ向かう”なるかず運用“に用いられていますが、そのなるかず運用をなくし、分割編成を房総地区用に転用、京葉線用のE233系を全て”10両固定編成へ統一する“のではないかと予想しています。
そうなると仮定した場合、分割編成4本(4セット)の転用に1000番台の3本では現状よりも10両編成1本分足りなくなってしまうため、その残りの埋め合わせとして2000番台2本を京葉線に転用させれば完全に置き換え切ることができます。ついでに(?)、唯一10両固定編成で残存している209系のケヨ34編成も、5000番台の分割編成と共に置き換えれば、京葉線用の車両を10両固定編成とE233系で統一することは可能です(置き換える信憑性は皆無)。
しかし、京葉線車両の現状の運用数と改正後、今後の運用数を整理すると、
よって、2000番台2本を無理に京葉線へ持ってくる必要がないため、可能性は極めて薄いと予想します。
次に、2025年改正でグリーン車の導入により12両編成の列車が大半を占めるようになったものの、未だに青梅線の立川〜青梅間のみで、”グリーン車なしの10両編成“の運用が存在します。この運用には、主に青梅線・五日市線用として運用を行う、E233系0番台の青編成(6+4両の分割編成)を使用して運行を行なっています。
この青編成を使用した10両編成の運用の一部をE233系2000番台の2本を転用させて使用すれば、運用はとても限定的となりますが有効活用することができます。併せて、青編成の一部編成を房総転用に回すことも可能です。
ちなみに、中央快速線では12両グリーン車込みのホームドアの導入が決まっていますが、青梅線に関しては、グリーン車込み12両や10両、さらには立川へ直通運転を行う五日市線の6両が入線する関係からホームドアの導入は決まっていません。よって、仮に独特の仕様となっている2000番台を青梅線用に回しても問題はないでしょう。
最後に、同じJR東日本で、地下鉄線に直通する路線として、
中央・総武緩行線の東京メトロ東西線直通用に転用
という線も追っていました。根拠としては同じ地下鉄直通系統であることから、車両の仕様に関しては問題なく東西線直通用に充てられるからです。
また、E231系800番台を置き換えるわけでなく、増発分として確保する想定でいました。
しかし、次の2026年3月改正において、JR中央・総武緩行線と東京メトロ東西線直通系統は、増便どころか逆に”減便されてしまう(日中の三鷹〜中野間や)”ので、E233系2000番台を転用する意味が完全になくなってしまい、この線は完全に消滅しました。
そもそも増発される根拠が全くもってないというのも事実ですね…(東西線南砂町駅の2面3線化と拡張工事が進んでいるが、それがJR車運用の増発に関わるかも微妙なので)。
最後に、これも極めて可能性が低いイレギュラーな活用方法ですが、相互直通運転を行なっている小田急電鉄に、
マト2編成とマト11編成の2本を”小田急電鉄の車両としてリース”を行う
という方法を提案します。
ワンマン対応改造を行なっていないという理由から運用を離脱せざるを得ない状況となっており、“小田急線・千代田線を走行することができない”わけではありません。但し、千代田線と常磐緩行線はほぼ一体的な運行を行なっているため、綾瀬・北綾瀬以西の運用に限定して活用するということは制約が大きすぎるためほぼ不可能となります。それならば、
地下鉄直通運用に一切入らない”地上専用車両”として活用
すれば、何も問題なく小田急線の運用に専念させることができます。
また、この2本を小田急車としてリースさせることによって、
既存の小田急8000形の置き換えにも充てることができ、一部編成を西武鉄道のサステナ車両へ転用が可能
となります。現在小田急電鉄では、新型車両の5000形(地上専用車)を導入し、既存の8000形の置き換えに充てています。そして、8000形の6両編成を西武鉄道の”サステナ車両”として譲渡し、西武鉄道の非VVVF車の置き換えに充てています。
しかし、最近小田急では5000形の増備ペースが落ちており、その影響から、西武へ譲渡された小田急8000形(西武8000系)は、2026年2月時点でまだ1編成(8103F)と留まってしまっています。
これらの事情から、マト2編成とマト11編成を小田急へリースさせることで、10両編成2本分を捻出でき、併せて8000形6両編成2本分と4両編成2本分を置き換え、6両編成2本分は西武鉄道へ譲渡できるようになります。また、この2本を小田急電鉄の完全譲渡とするならば、5000形の製造分を2編成分抑えることができ、製造コストの削減にも繋がります。
E233系2000番台の小田急乗り入れ区間は小田原線の代々木上原〜伊勢原間(※緊急時は小田急新宿〜代々木上原間にも乗り入れ)と多摩線のみとなっていますが、小田急電鉄にはE233系をベースとして製造された”4000形”が所属しているため、小田原線の伊勢原〜小田原間、江ノ島線全線でも問題なく走行できると思われます。
ちなみに、自社車両を他社へリースしている代表例としては、
京成電鉄→北総電鉄・千葉ニュータウン電鉄・芝山鉄道
が挙げられますが、この4社間はいずれも”京成グループ”に属した鉄道会社のため、容易に車両のリースが行えるものと考えています。一方で、相互直通運転を行なっているとはいえ、JR東日本と小田急電鉄というグループ系列が全く別の両社が、車両のリース交渉を行うかどうかは不明です。
いかがでしたでしょうか?
今回はJR常磐緩行線用のE233系2000番台のマト2編成とマト11編成の現状と、今後の行方に関する予想を行いました。
理想オブ理想は①、現実的に考えられる処遇は②(その中でも可能性が高いのは青梅線用に転用)、実現したら面白いだろうなと思うのは③ですが、果たしてこの2本の行方は如何に。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!