皆様、こんにちは。U5swです。
今回は主に東京の新宿と八王子、高尾、橋本を結ぶ京王線について説明していきます!
京王電鉄には主に2つの系統に分かれており、1つが今回紹介する京王線(本線)系統、もう1つは渋谷〜吉祥寺間を結ぶ井の頭線系統です。今回は本線系統のみ説明します。
本線系統の路線は以下の通りです。
線路数は、新宿〜笹塚間が複々線(路線別複々線)、動物園線および高尾線の高尾〜高尾山口間が単線以外は全て複線の路線です。
また、新線新宿を境に都営新宿線と相互直通運転を行い、本八幡まで運行されています。
信号の保安装置は全線ATC(自動列車制御装置)を採用しており、信号機はなく、全て車内の速度メーターから制限速度を出す仕組みになっています。
本線系統の種別は以下の7つです。
次に、種別の詳細を説明します。
2018年2月のダイヤ改正により新設された、京王初の座席指定列車です。運行開始に伴い製造された京王5000系が専属で運用に就き、主に新宿〜多摩地区、八王子、橋本を利用する通勤通学客に対し、座席指定券を追加で購入してもらう代わりに、ラッシュ時の混雑を避けて全区間座って快適に移動してもらうサービスを設けています。また、行楽シーズン時には高尾観光や高尾山へのハイキングを目的とし、新宿〜高尾山口間を結ぶライナーとしても運行しています。
停車駅は以下の通り。
特急が停車する明大前、調布、京王稲田堤を通過し、新宿と多摩地区以西の長距離利用者に特化しています。ただし、明大前に関しては信号システムの関係上、駅を通過できないため、一旦運転停車してから発車します(Mt.TAKAO号の府中、分倍河原、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、北野、めじろ台、高尾も同様)。
乗車には乗車券の他に座席指定券が別途必要です。駅の券売機やチケットレスサービスから購入でき、料金は一律410円(2021年4月現在)です。事前に購入しないまま乗車すると700円を徴収されてしまうので気をつけましょう。
ただし、下記の区間では、座席指定券なしで利用することが可能です。
一方、新宿行きに関しては、途中下車はできず、全て新宿まで乗車するルールとなっています。当然、始発駅から座席指定券が必要です。
車内設備は、座席が進行方向を向くクロスシート状態(車端部はロングシートのまま)であり、フリーWi-Fi、ドリンクホルダー、電源コンセントが完備されており、ゆったりと座って快適に移動できるサービスが整っています。
京王ライナーに関しては、こちらの動画でも紹介しています!
長らく運行し続けている、無課金列車の最速達種別です。主に新宿〜京王八王子、高尾山口間で運行されており、速達運転を行なっています。停車駅は以下の通り。
かつての特急は分倍河原、北野を通過していた他、1992〜2001年の短期間に運行されていた特急は京王稲田堤、京王永山、南大沢を通過していました。また、2011〜2013年は東日本大震災の影響もあり、特急の運行が全くない時期もありました。
しかし、2013年2月のダイヤ改定において、分倍河原、北野を正式な停車駅とし、相模原線内の特急を京王稲田堤、京王永山、南大沢にも正式に停車させることで特急の運行が再開されました。
また、朝や夜に運行される新宿〜京王八王子、高尾山口間の特急は、高幡不動〜京王八王子、高尾山口間を各駅停車として運行する列車もあります(以後、B特急と言う)。加えて、新宿〜橋本間の特急は、京王多摩センター〜橋本間を各駅停車として運行するB特急もあります。
日本の鉄道で唯一、京王電鉄で運行されている種別(2021年4月現在)です。その名の通り特急に準じた種別で、特急と共に速達運転を行なっています。停車駅は以下の通り。
特急との違いは、京王線の笹塚、千歳烏山、高尾線の京王片倉、山田、狭間に停車するか否かです。
登場当初は相模原線を除き、現在の特急停車駅と同じ停車駅であり、この内土休日の高尾山口発着の列車においては、新宿〜北野間を準特急、北野〜高尾山口間を各駅停車で運行する形態がとられました。また、2011〜2013年までは準特急が最速達種別となっていました。
その後、2013年2月のダイヤ改定により、京王片倉、山田、狭間が正式な停車駅となったと同時に、特急が分倍河原、北野に停車するようになったため、準特急のほとんどが特急に置き換えられ、主に土休日日中の高尾山口発着の運行に縮小され、京王八王子にも乗り入れなくなりました。
しかし、2015年9月のダイヤ改正で笹塚、千歳烏山が正式な停車駅になったことで形勢が逆転し、主に平日日中の京王八王子発着の特急、および相模原線橋本発着の特急を準特急に置き換えました。
その後、朝ラッシュ時の急行を準特急に置き換えたり、競馬開催時において、府中競馬正門前から新宿に向かう臨時の準特急が運行されたりするなど、現在では速達種別の主役となりつつあります。
また、朝や夜に運行される新宿〜京王八王子、高尾山口間の準特急は、高幡不動〜京王八王子、高尾山口間を各駅停車として運行する列車もあります(以降、B準特急と言う)。さらに、最近の改正で増えている、主に平日の日中から夕方にかけて、土休日の朝と夕方の時間帯に運行される新宿〜橋本間の準特急は、京王多摩センター〜橋本間を各駅停車として運行するB準特急があります。
B準特急に関しては、こちらの動画でも紹介しています!
長らく運行されている種別で、主に特急の通過駅を救済する準速達種別、また都営新宿線の直通最速達種別として運行されています。しかし、特急、準特急の停車駅増加や運行時間帯拡大、区間急行の登場により、現在はかなり減少傾向にあります。停車駅はこちら。
準特急の停車駅に桜上水、つつじヶ丘、東府中を加えるのに対し、高尾線内は特急と同じ停車駅であるという逆転現象が発生しています(千鳥停車と言う)。
2013年2月のダイヤ改定までは、主に日中時間帯に、本八幡〜橋本間を全区間急行運転する急行が一般的でしたが、新宿〜橋本間の特急と本八幡〜橋本間の区間急行(都営新宿線内急行)の登場により置き換えられることとなりました。
その後、2015年9月のダイヤ改正で、本線と新線の合流駅である笹塚に準特急が停車すること、新宿〜橋本間の特急が準特急に置き換えられることを受けて、本八幡〜笹塚間のみを運行する急行に変更され、笹塚で橋本発着の準特急と接続をとる形で運行されています。なお、朝夕と日中の運行パターンの入れ替わり時には、大島発着の急行もあります。
現在は平日ラッシュ時を中心に本八幡〜橋本間の急行が走っていますが、都営新宿線内は各駅停車であり、全区間急行の列車は土休日朝の本八幡→高尾山口間の2本、土休日夕方の橋本→本八幡間の2本に留まっています。
また、一部の本八幡、新宿〜橋本間の急行は、京王多摩センター〜橋本間を各駅停車として運行する「B急行」が運行されています。
2013年2月のダイヤ改定において、元々平日朝ラッシュ時に運行されていた通勤快速を全ての日時、時間帯で運行することを目的に設定された種別です。停車駅はこちら。
登場当初の新宿〜調布間は急行と同じ停車駅でしたが、2015年9月のダイヤ改正で仙川が新たに停車駅に加わり、現在に至ります。
現在は本八幡〜京王多摩センター、橋本間を中心に運行され、都営新宿線内は各駅停車として運行されています。そのため、ほとんどの列車は京王9000系か都営10-300形が運用に入ります。
最近は平日の日中から夕方にかけて、新宿〜橋本間の準特急が京王多摩センター〜橋本間を各駅停車として運行するB準特急が増えているため、橋本発着から京王多摩センター発着に短縮されています。
かつては、平日の夕方から夜間にかけて本八幡始発高尾山口行きの区間急行が運行されており、調布で各駅停車に種別変更を行い調布〜東府中間を各駅に停車する列車が走っていましたが、ダイヤ修正により全て相模原線直通に振り替えられました。そのため、調布以西に乗り入れる区間急行は、平日朝ラッシュ時の新宿行きのみとなっています。
昔から運行されている種別です。ただ速達性はあまりなく、現在はほぼ各駅停車の状態となっています。停車駅はこちら。
区間急行との停車駅の違いは、下高井戸、八幡山、西調布、飛田給、武蔵野台、多磨霊園に停車するか否かです。
以前の快速は通過駅が多く設定されていましたが、優等種別を多く走らせるために各駅停車の本数を減らすこととなり、その救済として停車駅が増加しています。2001年に八幡山と仙川が、2013年に西調布、飛田給、武蔵野台、多磨霊園がそれぞれ新たに停車駅となり、通過駅は僅か6駅となっています。
現在は区間急行同様、本八幡〜橋本間の運行がほとんどであり、京王新線内、相模原線内は区間急行と共に各駅停車の代替を果たしています。そのため、京王9000系または都営10-300形が運用に入ることが多いです。また、区間急行とは下高井戸、八幡山の2駅に停車するか否かの差しかありません。
また、平日夕方〜夜間時は橋本→つつじヶ丘間のみを走る、通過駅が僅か3駅のみの快速が運行されています。運行理由として、
なお、橋本行きは快速ではなく、つつじヶ丘から調布までは回送で、調布から各駅停車として運行されています。
定番の各駅停車です。ただし1つトラップがあり、京王線(本線)新宿発着の各駅停車は、初台、幡ヶ谷に停車できないので注意が必要です。
主に京王線新宿〜京王八王子、高尾山口間で運行されており、8両編成の車両がほとんどです。競馬場線は2両、動物園線は4両の車両がほぼ終日ピストン運行を行なっています。
駅名 | 各駅停車 | 快速 | 区間急行 | 急行 | 準特急 | 特急 | 京王ライナー |
---|---|---|---|---|---|---|---|
新宿 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
初台 | ▼ | ▼ | ▼ | ▼ | || | || | || |
幡ヶ谷 | ▼ | ▼ | ▼ | ▼ | || | || | || |
笹塚 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | レ | レ |
代田橋 | ○ | レ | レ | レ | レ | レ | レ |
明大前 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | レ |
下高井戸 | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ | レ |
桜上水 | ○ | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ |
上北沢 | ○ | レ | レ | レ | レ | レ | レ |
八幡山 | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ | レ |
芦花公園 | ○ | レ | レ | レ | レ | レ | レ |
千歳烏山 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | レ | レ |
仙川 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
つつじヶ丘 | ○ | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ |
柴崎 | ○ | レ | レ | レ | レ | レ | レ |
国領 | ○ | レ | レ | レ | レ | レ | レ |
布田 | ○ | レ | レ | レ | レ | レ | レ |
調布 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | レ |
京王多摩川 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
京王稲田堤 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | レ |
京王よみうりランド | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
稲城 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
若葉台 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
京王永山 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
京王多摩センター | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
京王堀之内 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
南大沢 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
多摩境 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
橋本 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
西調布 | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ | レ |
飛田給 | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ | レ |
武蔵野台 | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ | レ |
多磨霊園 | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ | レ |
東府中 | ○ | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ |
府中 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
分倍河原 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
中河原 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
聖蹟桜ヶ丘 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
百草園 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
高幡不動 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
南平 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
平山城址公園 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
長沼 | ○ | ○ | ○ | レ | レ | レ | レ |
北野 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
京王八王子 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
京王片倉 | ○ | ○ | ○ | レ | ○ | レ | レ |
山田 | ○ | ○ | ○ | レ | ○ | レ | レ |
めじろ台 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
狭間 | ○ | ○ | ○ | レ | ○ | レ | レ |
高尾 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
高尾山口 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
本線系統では、5車種6タイプの車両が活躍しています。
京王線では初めて導入されたステンレスの車両です。編成両数も様々で、10両固定編成や6+4両、8両編成の9000系と連結した8+2の10両編成、6+2両の8両編成で京王線、相模原線、高尾線で活躍する他、4両編成、2両編成の一部車両はワンマン運転に対応しており、動物園線や競馬場線のピストン輸送で活躍しています。
京王では最古参の車両ですが、車両の性能を上げるために2003年からは全車両VVVFインバータに換装された他、一部の車両では種別行先表示器を幕からフルカラーLEDに、車内案内表示装置をLCDに交換している編成もあります。
京王5000系の登場により一部車両に廃車が発生していますが、本線系統の一員として、特急から各駅停車まで幅広い運用をこなしています。
京王初のVVVFインバータを搭載した車両です。登場当初は分割併合が頻繁に行われていたため、4両編成や6両編成が多く存在していましたが、現在はあまり行われなくなったため、先頭車を中間車に改造する工事が行われ、10両固定編成になりました。また、VVVFインバータの換装も随時行われています。
10両編成は京王線、相模原線、高尾線の新宿発着の特急から各駅停車まで幅広く運用されています。一方、8両編成に関しては8000系が他形式の車両と併結できないことや、2両編成の車両がないことから、8両単独の運行で各駅停車を中心とした運用に留まっています。
都営新宿線乗り入れ車両として活躍していた6000系の置き換え用、及びバリアフリー等に対応した次世代車両としてデビューした車両です。8両編成が0番台、10両編成が30番台に区分されています。
10両編成は主に都営新宿線との直通運用を中心に運用に就く他、一部は京王線内のみの特急や準特急、各駅停車の運用にも就きます。都営新宿線の直通列車の大半は相模原線に直通するため、相模原線でよく見かけます。
8両編成は都営新宿線の乗り入れに対応していないため、京王線内のみの運用に留まり、主に各駅停車の運用が中心です。ただし、7000系との併結運転が可能であり、7000系2両編成と連結して10両編成を組むことがあります。その際は特急や準特急といった優等種別の運用にも就きます。
2018年2月のダイヤ改正において、京王初の座席指定列車「京王ライナー」が運行されるのに併せて導入された車両です。京王ライナー(と一部の折り返し運用に就く各駅停車)はクロスシートで、それ以外の一般列車ではロングシートとなる「デュアルシート」を搭載し、ライナー運用、特急から各駅停車までマルチに活躍します。また、都営新宿線の乗り入れにも対応しており、ライナーが運行されない昼間時間帯を中心に直通運用に就くこともあります。
運用に関しては、京王ライナーが中心で、ライナー運用に就かない車両は特急から各駅停車、都営新宿線への直通運用に就きます。
京王ライナーと5000系に関する話題はこちらでも紹介しています!
主に10-000形の置き換え用として導入された車両です。前期車はJR東日本のE231系をベースに設計され、8両編成と10両編成の2タイプが存在しています。後期車は2013年からデビューし、こちらはJR東日本のE233系2000番台(常磐緩行線、東京メトロ千代田線、小田急線で活躍)をベースとして設計しているため、前期車と外観や走行機器が全く異なります。こちらは10両編成のみです。
なお、10-000形の中間車を活用し、先頭車のみ10-300形の前期車を新造して活躍していた異端児、「10-300R形」が運行されていましたが、後期車によって引退しています。
前期車、後期車および8両、10両共に、都営新宿線の急行、各駅停車運用を中心に、京王線との直通運用にも頻繁に活躍しています。ただし、直通運用は相模原線への乗り入れが大半を占めるため、京王線の調布以西や高尾線ではあまり見かけません。
いかがでしたでしょうか?
今回は京王線の概要、種別、車両について説明しました。
Part2では、京王線の運行パターンに関して説明していきます。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきましてありがとうございました!
Part2はこちらから!