皆様、こんにちは。U5swです。
今回は京王電鉄から、京王5000系と京王ライナーの現状と今後に関してです。
まず、京王5000系は、2017年にデビューした京王の最新型車両で、窓を背にした座席「ロングシート」と進行方向に向かった座席「クロスシート」の両方に対応できる「デュアルシート」を採用した車両です。
この5000系をクロスシート状態にすることによって運行を開始したのが、京王の座席指定列車で2018年にデビューした「京王ライナー」です。
デビュー当初は、夕方から深夜にかけて、新宿→京王八王子、橋本間の下り列車のみで設定され、新宿駅から乗車する場合のみ座席指定券を必要とする列車となっていました。
その1年後の改正で、朝に京王八王子、橋本→新宿間の上り列車の運行が開始され、こちらは全て新宿へ向かう方を対象とした列車となっています。
その後、車両の増備や時刻調整が行われ、2021年3月改正時には以下の本数と時刻で運行されています。
これに加え、行楽シーズンの土休日に新宿〜高尾山口間を結ぶライナーが運行されており、新宿→高尾山口間はノンストップライナーの「Mt.TAKAO号」として、高尾山口→新宿間は「京王ライナー」として運行されています。2021年3月現在では以下の時間で運行中。
2本(新宿発8:00,9:00)
3本(高尾山口発15:15,16:15,17:15)
これ以外の解説はこの記事でも紹介しています。
そんな京王5000系と京王ライナーですが、最近気になるニュースが入ってきました。それがこちら。
京王電鉄は4月14日、5000系車両を新たに10両(1編成)新造し、2022年下期に導入すると発表した。
5000系新造車両には、日本初となるリクライニング機能付きロング/クロスシート転換座席を搭載。座席指定列車やイベント列車など、クロスシートで運用する際に快適な移動時間を提供し、座席指定列車のサービス拡充を図る。
京王5000系新造車両に「日本初」リクライニングするロング/クロス転換座席 2022年下期導入
2022年に導入される京王5000系の新造車に、
「リクライニング機能のついた」デュアルシート
が採用されることとなりました!
京王5000系含むこれまでの全国のデュアルシート車は、通勤列車、ライナー列車の両方に使用することができ、関東圏を中心に座席指定列車が普及したキッカケになりました。しかし、そのデュアルシートの欠点として、
「新幹線や特急型車両などで採用されているリクライニング機能」がない
ことが挙げられます。これは、新幹線や特急型車両などがクロスシート状態のみで使用されることが要因であり、ロングシート状態にも使用されるデュアルシートでは、リクライニング機能を搭載しにくいことが考えられます(あくまでも私の予測ですが)。
実際、京王ライナーの座席は高級感があり、座り心地の良く快適ですが、さらにゆったり座りたい方に関しては、リクライニング機能で座席を倒せないことにストレスを感じる方もおられるでしょう。
その課題を遂に解決し、実用化を目指して先行導入するのが、この京王5000系となりました。リクライニング機能の効果によって、今後導入するデュアルシート車、および従来のデュアルシート車にも変化が現れることとなるでしょう。
京王の座席指定車両として発展を続けている京王5000系と京王ライナー。2022年にリクライニング付き車両が増備されることを受けて、今後の更なる発展に関して、両者が持つポテンシャルと可能性について考えてみました。
新宿へ、または新宿から混雑を避けて快適に移動できるライナー列車。近年は新型感染症の影響もあり、密集を避けたいという環境になっていることから、ライナー列車の需要も増えていると考えています。
そのため、ライナー列車に使用できる5000系が増備されることで、朝の新宿行きや夕方〜夜の京王八王子行き&橋本行きを増発することが可能となります。特に、夕方〜夜の京王八王子行きや橋本行きはほぼ1時間に1本運行されています。
それが増発によって、例えば40分に1本の運行といった営業が実現できると考えています。
また、JR中央快速線に対抗して、朝の高尾山口始発新宿行き、夕方〜夜の新宿始発高尾山口行きのライナーの定期化もありますが、こちらに関しては高尾線の需要が京王線や相模原線よりも少ないことから、実現性が低いかなと考えています。
京王線は、新線新宿駅から先、都営新宿線と相互直通運転を行い、市ヶ谷や神保町といった都心の中心部を通り、本八幡駅まで運行されています。京王5000系はライナー列車だけでなく、
都営新宿線の乗り入れにも対応しています。
そのポテンシャルを活かして、京王5000系の増備と共に、都営新宿線に直通するライナー列車を運行できるのではないかと考えてみました。
関東の大手私鉄で増え続けているライナー列車ですが、その私鉄線内で完結するライナー列車に加えて、地下鉄線に直通するライナー列車も運行されています。該当列車は以下の通り。
京王線は「世界の乗降客数No.1の駅」である新宿駅を起点とするため、新宿発着で十分なところもありますが、都営新宿線を介して都心の中心部や東部へ向かわれる需要も一定数あると思いますので、数本運行してみるのも面白いだろうなと考えています。
実際、都営新宿線内では日中時間帯に急行運転が行われていることもあり、岩本町駅、大島駅、瑞江駅で退避設備が設けられています。その面から、ライナー列車を運行できる環境はある程度整っているといえます。
ただし、実際にライナー列車を運行させるとなると、都営新宿線側での対応が多くなってしまいます。
上記のような課題や懸念点が挙げられます。
実際、千代田線のロマンスカーや日比谷線のTHライナーにおいて、乗降に時間がかかって遅延が発生したり、ライナー列車の前後を走る一般列車の間隔が空いてしまって、余計に車内の混雑を招いてしまうといった事態が起こってしまっています。
これらの列車は一定の需要があるため、これらの課題が起きつつも座席指定列車を運行できていますが、都営新宿線でもそのリスクを承知で需要を呼び込めるか?これが疑問です。
私自身、以前に試しにTwitterでアンケートを取ってみた結果、
して欲しい、しなくても良いでほぼ半々でした(母数が少なすぎますが)。
もちろん直通で運転すれば全ての区間で座って快適に移動できるため、利用者にとっては便利ですが、京王線内のみで十分だろ!という意見もあると思いますので、今後どのようになっていくのかが気になるところです。
いかがでしたでしょうか?
今回は京王5000系と京王ライナーの今後と可能性について考えてみました!
座席指定列車の導入から需要が増え、今度はリクライニング付きの座席の導入に向けて進歩を続けています。
是非、今後の両者の発展に期待していきましょう!
今回は以上となります。ご覧いただきありがとうございました!