皆様、こんにちは。U5swです。
今回は、2030年代半ばでの開業に向けて進み始めた、東京メトロ豊住線の開業、および南北線の品川延伸に関して説明します。
東京メトロ延伸、30年代半ば開業へ 有楽町線と南北線 – 朝日新聞DIGITALより
21日に、政府と東京都が、有楽町線と南北線の延伸計画を本格的に進めるということがわかりました。
有楽町線は、豊洲〜住吉間(通称:豊住線)の約5kmを開業、南北線は品川〜白金高輪間の約2.5kmを延伸させることで、都心の交通ネットワークの拡充に繋げます。
今後は環境アセスメント等の実施を行い、10年ほどかけて建設を行う予定となっています。
次からは、各延伸路線に関して、詳細情報を説明していきます。
有楽町線の豊洲駅から北に分岐し、東西線と合流する東陽町駅を経由し、半蔵門線の住吉駅までを結ぶ予定であり、以前から豊住線として延伸路線の話題に挙がっていました。
豊住線は都心東部のバイパス路線としての意味合いが強く、有楽町線⇄東西線⇄半蔵門線とのアクセスを強化するのに最適な路線と言われています。
豊洲駅周辺でマンション開発が進んでいること、ゆりかもめとの接続によって、半蔵門線、東西線からお台場方面へのアクセスが便利になります。一方で、住吉駅で半蔵門線と接続することで、スカイツリーといった観光施設へのアクセスが便利になります。
そして、豊住線の恩恵を大きく受けるであろう路線が東西線です。その理由として、東西線の通勤ラッシュでは、日本でトップレベルの混雑率を叩き出している路線として話題になっているからです。
特に、東陽町駅の1つ西隣の木場駅から、2つ西隣の門前仲町駅までの混雑率は驚異の”199%”を叩き出すなど、混雑緩和に向けて大きな課題を抱えています(現在は感染症云々で下がって入るものの…)。
そこで、最混雑区間の手前にある東陽町駅で豊住線という乗り換え路線が加わることによって、乗客が分散され、混雑率改善に向けての最善策となり得ることとなります。
有楽町線⇄東西線⇄半蔵門線のバイパス路線としての効果が期待される豊住線ですが、運行形態はどうなるのでしょうか?
豊住線は、有楽町線の支線という扱いが強く、和光市方面から豊洲駅を介して住吉駅まで乗り入れる構想があります。対して、半蔵門線の押上方面から住吉駅を介して豊洲駅まで乗り入れる構想もあります。
しかし、有楽町線は東武東上線、西武池袋線と相互直通運転を行っており、間接的に東急東横線とみなとみらい線の車両も乗り入れてくること、半蔵門線は東武スカイツリーラインと東急田園都市線と相互直通運転を行っているため、遅延拡大リスクを避ける上で、乗り入れる場合はどちらか一方に限られると思います。
また、有楽町線から直通列車を運行させるとなると、分岐する辰巳、新木場方面の本数が減ってしまうこと、半蔵門線から直通列車を運行させるとなると、住吉〜押上間で渋谷方面からの列車との兼ね合いで調整せざるを得なくなるため、ダイヤ作成において手間がかかります。
このことから、豊住線は豊洲〜住吉間の区間運転がメインになるものと思われます。豊洲駅は現在は1面2線の構造ですが、元々は2面4線の構造で引き上げ線も有する駅であり、住吉駅も2層構造ですが2面4線の構造を有しているので、線内折り返し運転な条件は既に整っています。
続いて、豊住線の使用車両ですが、区間列車に関しては6両編成の車両が使用されるとのことです。そして、現在東京メトロ南北線で活躍している9000系の内、B修繕を施行した初期車の6両編成が転属するのではないか?と言われています。
この説が提唱されている理由としては、南北線の8両編成化と、初期車が8両増結の対象外になっていることが考えられます。2022年度中に南北線では8両編成の車両が運行開始となる予定であり、それに応じて既存車両の中間車増結等が行われます。しかし、9000系の初期車に関しては、8両編成化の対象外となっています。
また、B修繕が施行されたものの、登場から既に30年以上が経過していることから、南北線に新たな新型車両(19000系?)を導入し、玉突きで豊住線用に9000系を転属させるのではないか?という説も有力とされています。
現時点では公式では詳細が発表されていないため、推測でしか伝えられませんが、豊住線の運行計画が具体化した際に、また明らかになるものと思われます。
直通運転、6両編成で運行するのかという推測はこちらの記事でも紹介されています(ただし2015年の記事のため、情報が古い)
続いて、目黒〜赤羽岩淵間で運行されている南北線ですが、白金高輪駅から分岐し、東海道新幹線、山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線、京急線が一同に介する品川駅に延伸する方向性が固まりました。これにより、数多く点在する都区内のターミナルで唯一地下鉄の乗り入れがない「品川駅」に、待望の地下鉄が乗り入れることとなります。また、麻布十番や六本木といった都内のオフィス街に、品川からダイレクトにアクセスでき、交通網が更に強化されることとなります。
また、南北線の目黒〜白金高輪間は、都営三田線との共用区間でもあり、白金高輪駅で分岐をすることから、都営三田線の西高島平方面から直通列車が乗り入れてくるのではないかと言われています。
現行の南北線と三田線の本数をベースにすると、両路線とも日中時間帯は毎時10本(6分ヘッド)で運行されており、その内、毎時4本ずつが白金高輪止まり(合わせて毎時8本)で残りが全て東急目黒線の日吉まで(2022年には、日吉を越えて新横浜、相鉄線直通の列車も加わる)運行されています。白金高輪駅の目黒寄りに2本の引き上げ線があり、品川延伸時に活用されると思うので、白金高輪止まりが品川まで乗り入れることは確実でしょう。毎時8本と品川乗り入れには少ないかなと感じますが、どうなるのでしょうか?
また、個人的な勝手な予想ですが、東急目黒線への直通を三田線に、品川乗り入れを南北線に統一するのではということも考えています。詳しくはこちらの記事で説明しています。
いかがでしたでしょうか?
今回は豊住線と南北線の品川延伸の実現が進み始めたことに関して説明しました!
開業まで時間は要しますし、最終的に開業まで至るか不明点もありますが、両路線の開業によって、都心の移動の流れがどのように変わるかを楽しみにしたいと思います。
今回はここまでとなります!最後までご覧いただきましてありがとうございました!