皆様、こんにちは。U5swです。
今回は、2024年の春に延伸開業する予定である、北陸新幹線の金沢〜敦賀間における新幹線と在来線がどのように変わるかを推測、説明していきます。
1997年に、高崎〜長野間の開業が起源となり(当時は長野新幹線として開業)、その後2015年に長野〜金沢間が延伸開業し、名称も北陸新幹線として営業を続けています。
そして、2024年の春に、金沢〜敦賀間が新たに延伸開業し、北陸新幹線は高崎〜敦賀間を結ぶこととなります。また、上越新幹線に直通していることもあり、東京〜敦賀間が1本で繋がることとなり、これまで乗り換えを必要としていた首都圏と石川県南部、および福井県の都市を乗り換えなしで移動することができます。
最終的には、敦賀から京都、松井山手を経て、新大阪まで延伸する予定となっています。
北陸新幹線の金沢〜敦賀間開業によって、新たな新幹線の駅も同時に開業することとなります。その一覧は以下の通り。
敦賀延伸に向けて、現在運行されている列車にも当然変化が訪れることとなります。
まず、現在運行されている列車愛称とその役割を以下に示します。
この4種別のうち、東京〜長野間を運行するあさま号は、次回の延伸に深く関わらないため、あさま号を除く3種別における、延伸後の変化を予想しました。それは以下の通り。
まず、かがやき号に関しては、全区間において速達運転を行うものと予想されます。これは、現在の北陸本線のサンダーバード号において、停車駅の少ない速達型タイプの列車が走っており、新幹線開業時にかがやき号に役割が移行される可能性が高いと考えているからです。
次に、はくたか号とつるぎ号に関しては、全区間において停車運転を行うものと予想されます。これは、現在の北陸本線のサンダーバード号の停車型タイプとしらさぎ号において、大半の列車の金沢〜敦賀間の途中停車駅が、
小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、鯖江、武生
となっており、これらの停車駅は新幹線開業後、ほとんどが新幹線の駅にもなるため(鯖江と武生は越前たけふに一纏め)、はくたか号とつるぎ号が各駅停車として担うものと思われます(ただし、一部列車は一部駅を通過する可能性もある)。
北陸新幹線の延伸開業によって、新幹線と並行に走る在来線、「北陸本線」にも大きな改革が施されます。
現在、米原〜金沢間でJR西日本が運行している北陸本線は、元々は米原〜直江津間を結ぶ幹線として、北陸地区の輸送の大動脈としての役割を担っていました。
しかし、2015年の北陸新幹線の金沢延伸に伴い、新幹線と並行して走る金沢〜直江津間、および、JR東日本が運行していた信越本線の長野〜直江津間は、JRから経営分離が行われ、都道府県ごとの各自治体でそれぞれ運行を行う「第3セクター」の鉄道会社に移管されました。現在では、
の3つの会社がそれぞれで運行を行なっています。
そして、2024年の敦賀延伸によって、現在の北陸本線の敦賀〜金沢間も新たにJRから経営分離が行われ、第3セクターの路線として運行される見込みです。各区間における運行会社は以下のようになる予定。
北陸本線が各第3セクター会社に転換されると、それまで同区間で活躍してきた在来線特急は、新幹線に引き継ぐ形で運行を終了し、ほとんどが普通列車のみの運行となります。
実際、2015年3月の金沢延伸時に、北陸本線の金沢〜直江津間が第3セクターに転換された時は、
という形で在来線特急は全て運行されなくなりました(ただし七尾線特急は除く)。
敦賀〜金沢間の在来線特急の今後に関しては、次節で詳しく紹介しています。
金沢〜直江津間同様、敦賀〜金沢間も在来線特急は新幹線に移行され、取りやめとなることは確実となり、普通列車のみの運行に変わります。同時に、この区間は地域輸送を主体とした運行に切り替わります。
地域輸送が主体となると、より利用者が便利に路線を使用してもらうために、
「新駅を設置する計画」が遂行されることとなります。
2022年4月現在、新駅が計画されている区間は以下の通り。
王子保〜武生間の新駅計画を中心とした、福井県内新3駅に関するニュースはこちら↓
西松任駅に関するニュースはこちら↓
既に第3セクターに転換されたあいの風とやま鉄道やえちごトキめき鉄道においても、
と計3駅が移管後に開業していることからも、より地域との結びつきを重視して新駅を設置していることが伺えます。今後の敦賀〜金沢間に関しても、このような形で新駅設置へ進むことでしょう。
また、現在敦賀〜金沢間で運行を行なっている在来線の定期特急列車は、延伸後は以下のようになると予想しています。
このように、新幹線が速達輸送を担うこと、JRから切り離されて第3セクターの会社が運行することから、この区間における在来線の特急は廃止が決定です。開業後は普通列車の運行が主体となります(ただし、快速列車やライナー列車を運行する可能性あり)。
ここで1つ気になるのが、米原を起終点とする「しらさぎ号」です。現行のしらさぎ号は、
1時間に1本のペースで交互に運行されています。
しかし、新幹線の敦賀延伸によって、運行区間が短縮されることが決定しており、このまま据え置くとなると、米原〜敦賀間のみの「超短区間距離」のしらさぎ号が運行されることとなります。
しらさぎ号の役割として、米原駅で東海道新幹線の「ひかり号」と接続を取り、東海道新幹線と北陸地区を結ぶ連絡特急の役割を果たしています。よって、米原〜敦賀間の運行だけでも、両新幹線を繋ぐ上で重要となります。
ただし、あまりにも短区間すぎるので、特急型車両を使用するにしても勿体無い感があります。しらさぎ号は名古屋〜敦賀間の列車の運行に縮小し、米原〜敦賀間の列車は、近郊形車両を使用した「速達シャトル列車」に置き換える可能性も考えられます。
実際、JR西日本は、新快速の一部列車に座席指定サービスの「Aシート」を採用していることもあり、このAシートのサービスを拡大して、近郊型車両でも快適に移動できるようにする可能性も考えられます。
北陸新幹線敦賀延伸によって、北陸本線の敦賀〜金沢間はJRから経営分離され第3セクター会社に移管されることとなります。また、特急列車と普通列車の運行形態も大きく変化するため、車両事情も大きく変わることとなります。
一体どのように変わるのか?特急型車両と近郊型車両に分けて予測しました。
まず、サンダーバード号やしらさぎ号といった特急列車に使用される特急型車両は、延伸後どうなるのかを予測します。現在、運行されている特急型車両は以下の通り。
これが敦賀延伸時にどう変わるのかを以下に考えてみました。
1992年にデビューし、1997年までに102両が製造された681系。かつて485系で運行されていた「雷鳥号」置き換えるためのサンダーバード号や、北越急行線で160km/h運行を実現したりと、北陸特急の中心的存在でしたが、今回の営業区間大幅短縮で必要編成数が大きく削減されることから、これを機に引退させる可能性が大きいと見ています。
登場から30年近く経っているのと、先行試作車が既に廃車になっていることを考えると、引退は濃厚と見ています。
ただし、サンダーバード用の車両で一部リニューアル工事が施工されている<T11編成とT14編成>ので、もしかするとリニューアル車を残す可能性は考えられます。
なお、「しらさぎ号」の編成ですが、現在はほとんどが681系で運行されていること、名古屋〜米原間は全列車6両編成で運行されていることから、6両編成の車両が必要なため、サンダーバード用の683系がしらさぎ用として転用される可能性が高いと思われます。
また、敦賀〜金沢間経営移管後の七尾線特急「能登かがり火号」に関しては、七尾線がJR西日本のまま運行される可能性が高いので、一部の683系を残して引き続き運行されると考えています。ただし、可能性は低いですが、特急を廃止する代わりに、七尾線521系を使用した快速列車が誕生することも考えられます。
次に、敦賀〜金沢間の普通列車で使用される近郊型車両ですが、全ての車両が2両1編成の521系0番台で運行されています。内訳は以下の通り。
これが新幹線開業後は以下の通りになる予定となっています。
北陸新幹線が金沢まで延伸された際、JRに所属していた521系(413系)の一部車両があいの風とやま鉄道、およびIRいしかわ鉄道へ譲渡され、普通列車を中心に活躍していることから、敦賀延伸時にも現在敦賀〜金沢間で運行されている521系の内、G編成とJ編成がIRいしかわ鉄道、およびハピラインふくいにそれぞれ譲渡されるでしょう。ちょうど半数かどうかは確定ではありませんが、3セク区間での普通列車を中心に引き続き活躍するでしょう。
一方、5編成と少数派のE編成ですが、この編成は主に敦賀以南の北陸本線、および湖西線に入線できる唯一のグループであり(これは、湖西線の保安装置がATS-P型となっており、521系ではE編成のみATS-P型に対応しているため)、敦賀延伸後は引き続きJR西日本に残るものと思われます。ただし、一部列車が乗り入れを行なっている敦賀〜福井間の運用はなくなり、米原、近江今津〜敦賀間の運用にとどまるものと思われます。
また、第3セクター譲渡後のそれぞれの会社に所属する521系の運行範囲(あいの風とやま鉄道も含む)は、
となると予想します。
いかがでしたでしょうか?
今回は北陸新幹線敦賀延伸に伴う、北陸新幹線並びに北陸本線から第3セクターに転換される在来線の運行形態と車両の動向に関して予想しました!
両者の今後の動向に注目しつつ、開業を待ちましょう!
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!