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【運用開始!】東横線のQシートの運用開始日と対象列車が決定!

皆様、こんにちは。U5swです。

今回は、東急東横線で導入される座席指定車両”Qシート”の運用開始日と対象列車が決定したため、その詳細と個人的な私見を述べていきます。

Qシートとは?

“Qシート”は、東急電鉄が営業を行う座席指定サービスであり、2018年に大井町線急行列車に導入されたのが始まりです。ロングシートとクロスシートの両方に対応した”デュアルシート”を導入しており、Qシート運用時はクロスシート状態、その他の列車の時はロングシート状態にして使い分けています。

Qシートを利用する際には、乗車券の他に座席指定券が必要となり、2023年時点では座席指定料金は500円と設定されています。

現在は、平日の帰宅時間帯に大井町発長津田行きの急行列車の一部に導入されていますが、2022年7月に、東急電鉄が東横線でもQシートを導入するという発表がなされていました。

Qシートの詳細に関しては、過去の記事を参照願います。

東横線のQシート運用開始日と対象列車が決定!

その東横線のQシートサービスですが、去る2023年7月26日に東急電鉄から1つのプレスリリースが発表されました。

2023年8月10日(木)より、 東横線で有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始します |ニュースリリース|東急電鉄株式会社
2023年8月10日(木)より、 東横線で有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始します に関するページです。

当社は、有料座席指定サービス「Q SEAT」(以下、本サービス)を、東横線で2023年8月10日(木)から開始します。

2023年8月10日(木)より、
東横線で有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始します -東急電鉄株式会社

来る2023年8月10日、遂に東横線においてQシートサービスが開始されることとなりました!

まず、運行区間は東横線の起点である渋谷駅で、横浜駅を経由し、横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅までの運行であり、種別は急行となります。なお、上りの座席指定サービスは設定されません。

次に、座席指定サービス区間は始発の渋谷駅から菊名駅までは全急行停車駅において乗車・降車共に可能となっていますが、利用する際は座席指定券が必要です。一方で、横浜駅から先のみなとみらい線区間においては、フリー乗降区間となっており、座席指定券なしで利用することが可能です。

運行本数は平日の渋谷発元町・中華街行きの急行5本で、対象列車は以下の通りです。

停車駅193号
(平日57K)
201号
(平日56K)
203号
(平日64K)
211号
(平日57K)
213号
(平日56K)
渋谷19:3520:0520:3521:0521:35
中目黒19:4020:1020:4021:1021:40
学芸大学19:4320:1320:4321:1321:43
自由が丘19:4620:1620:4621:1621:46
田園調布19:4820:1820:4821:1821:48
多摩川19:5020:2020:5021:2021:50
武蔵小杉19:5320:2320:5321:2321:53
日吉19:5620:2620:5621:2721:56
綱島19:5920:2920:5921:2921:59
菊名20:0220:3321:0221:3322:03
横浜20:0920:3921:0921:3922:09
みなとみらい20:1220:4221:1221:4222:12
馬車道20:1420:4421:1421:4422:14
日本大通り20:1520:4521:1521:4522:15
元町・中華街20:1820:4821:1821:4822:18
Qシート運用対象列車とその時刻表。

以上の表より、渋谷駅を19時半〜21時に発車する渋谷始発の急行が対象となりました。

その次に、対象車両とその号車ですが、対象車両は10両編成の東急5050系4000番台の4編成(4112F~4115F)で、号車は4・5号車の2両です(東横線は渋谷方が1号車、横浜方が10号車であり、元町・中華街行きは先頭から6・7両目の車両が対象)。なお、Qシートの車両は他の一般車両と区別をつけるため、外装がドアを除き赤1色の塗装となっており、誰が見てもわかるようになっています。

最後に、車内設備ですが、座席は全部で90席用意されており、内クロスシートは72席、ロングシートは18席整備されています。車内サービスには無料のフリーWi-Fiと電源コンセントが完備されている他、一部座席にカップホルダーも付いています。

個人的に気になったこと

ここから、今回のニュースにおいて個人的に気になったことを挙げていきます。

みなとみらい線内はフリー乗降区間であること

まず、東横線Qシートサービスにおいて、横浜駅から先のみなとみらい線区間では乗車券のみで乗れるフリー乗降区間として設定されたことです。

個人的に発表前のこの区間においては、降車専用駅で乗車することは不可能であると予測していました。その理由として、

  • 同区間を走る全車座席指定の”S-TRAIN”が、降車専用駅に設定されていること
  • 同じQシートサービスを設定している”大井町線急行”が、今年よりたまプラーザ→長津田間のフリー乗降区間を降車専用駅に認め

この2つが考えられたためです。座席指定料金を支払って混雑を気にせず終点まで座って帰れることを保証するため、たとえみなとみらい線区間であってもフリー乗降区間を設定しないものと思っていました。しかし、東横線の乗客の大半が横浜駅までに降車してしまうことを考えると、みなとみらい線区間はフリー乗降区間にしても良いという判断に至ったものと思われます。

Qシート運用の対象列車が意外にも少なかったこと

続いては、今回のQシートの運用を行う対象列車ですが、上記の通り19:35~21:05の間に渋谷駅を出発する始発の急行5本が対象となりましたが、個人的にもっと対象列車が多いものだと思っていました。

発表前の予想としては、渋谷駅を始発とする急行の内、18:05~22:35の10本がQシート運用を行う対象列車だと予想していたので、その半分の5本のみ設定だったことには驚きでした。

東横線渋谷駅の時刻表はこちら↓

https://www.tokyu.co.jp/railway/timetable/pdf/202303_ty01_shibuya2.pdf

今回なぜ5本に留まったのか、考えられる理由として、

  • 夕ラッシュのピーク時間帯である18時台および19時台前半は、混雑の度合いからQシートを設定してしまうと車内の混雑が悪化してしまうから
  • Qシート導入でどうなるのかお試し要素が高いため、まずは5本のみ設定し、利用状況や混雑状況を見て増減を決める段階であることから

この2つが考えられます。東横線は渋谷駅と横浜駅の関東2大都市を結ぶ路線で、途中川崎市の中心駅の1つである武蔵小杉駅も経由するため、常に利用客の多い路線となっています。そのため、最初からQシート運用列車を多く設定し過ぎると、混雑によって利用者を混乱させかねないため、現段階は対象列車を抑えた上で、利用状況や混雑状況を見極めていくことが必要でしょう。

折り返し時の座席の転換はどうする?

Qシート運用時は、座席を進行方向側に向けて設定する”クロスシート”状態で運行します。ここで問題なのが、元町・中華街駅でやって来たQシート付きの急行列車が、折り返し列車に充当する場合、座席の転換はどうするのかという問題があります。通常、クロスシートは、折り返し時に座席を進行方向に転換する作業を行ってから営業運転に入ります。

しかし、東横線およびみなとみらい線は、線路容量と定期列車の運行本数の関係から、折り返し時間がとても短く、Qシートの座席転換作業を行う余裕はありません。

ここで、Qシート付き車両が専属で入る運用は3運用あり、平日56K、平日57K、平日64Kが該当します。この3運用の全体の運用の流れは以下の通り。

各運用の種別の内、“急行[Q]”と表記している列車がQシート運用列車です。この運用とその前後の列車を見ると、渋谷駅も元町・中華街駅も折り返し時間がほぼ3分しかありません。

なお、運用情報に関しては、以下のホームページを参考文献としています。

メトロ有楽町線・副都心線・東急東横線運用情報

そのため、元町・中華街駅において、列車が到着してから乗客を全員下ろし、一旦車両全てのドアを閉めて座席転換を行ってから再度ドアを開いて出発する余裕は全くないため、座席の自動転換は行わず、進行方向逆向きのまま急行渋谷行きの運用に就くこととなるでしょう(なお、乗客によって手動で座席の向きを変更することは可能と思われる)。その場合、渋谷行きのQシート車両はクロスシート状態のまま、座席指定料金無しで乗車できる乗り得列車になるでしょう。

※ちなみに、大井町線のQシート運用時の車両送り込み運用(溝の口発大井町行き急行)は、大井町駅での折り返し時間が6分と短いため、溝の口駅時点でQシート車両の座席はクロスシート状態(進行方向と逆向き)で運行されます。勿論、座席指定料金は無く、電源コンセントも利用することができます(座席も回転可能)。東横線の渋谷行きも同様な形になるでしょう。

(追記)座席の転換タイミングが判明。

これはQシート運行開始後判明したことですが、座席のクロスシート⇔ロングシートの切り替えがどの駅で、どのタイミングで行うのかが判明したので、お伝えしておきます。

まず、座席の切り替えを行う駅は”元町・中華街駅”で行われ、僅か3分の間で切り替えを済ませるようにしています(切り替え中はQシート車両への車内への立ち入りが不可)。

次に、クロスシート⇔ロングシートの切り替えですが、以下のタイミングでの切り替えとなりました。

  • ロングシート→クロスシートへの切り替え
    • 平日56K→19:18~19:21の間
    • 平日57K→18:48~18:51の間
    • 平日64K→19:48~19:51の間
  • クロスシート→ロングシートへの切り替え
    • 平日56K→22:18~22:21の間
    • 平日57K→21:48~21:51の間
    • 平日64K→21:18~21:21の間

よって、ロングシート→クロスシートへの切り替えのタイミングは、Qシート運用のある渋谷始発急行元町・中華街行きの1つ前の運用にあたる元町・中華街始発急行渋谷行きに充当する際に行われ、クロスシート→ロングシートへの切り替えのタイミングは、元町・中華街駅到着後、以降Qシート運用がない場合の折り返し列車に充当する際に行われます。

従って、クロスシート(逆向き)の状態で、乗車券のみで乗車できる元町・中華街始発急行渋谷行きの列車は以下の通り。

  • 元町・中華街駅を18:51, 19:21, 19:51, 20:21, 20:51に発車する急行渋谷行き5本

これまでのデュアルシート車の座席指定列車(サービス)運用前の列車出庫時点の運用および回送で既にクロスシート状態にしていましたが、東横線のQシートの場合、前後の他社線乗り入れ運用があったり、線路容量の余裕のなさから、折り返し時間を十分に確保できなかったり、送り込み回送を設定できなかったりと厳しい条件が課せられています。その条件の下でどのように座席指定サービスを展開していくのか疑問に思っていたため、元町・中華街駅での短時間の中で切り替えを行っていると知った時は正直驚きました。

どうか座席の切り替えによって、遅延が発生して路線全体に影響が出ないことを願います。

まとめ: 東横線のQシートは成功するか?

いかがでしたでしょうか?

今回は、東横線のQシート運行開始日と対象列車に関して、個人的に気になる部分も交えて説明しました。

東横線は運行本数も多く、乗り入れ路線も多岐に渡るため、遅延や輸送障害、折り返し時間の短さといった懸念点は多数ありますが、都心から横浜方面へ座って快適に帰ることができる手段が新たに登場するので、需要はあるのではないかと思います。

今後Qシートがどうなっていくのか、引き続き注目していきましょう!

今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!

U5sw