【遂に決定!】東急東横線にQシートを導入!

鉄道
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皆様、こんにちは。U5swです。

今回は以前から話題になっていた東急東横線のQシート導入決定に関するニュースと、Qシート導入の意図やQシート導入に伴う対策に関して私が考えたことを述べていこうと思います!

東急東横線にQシート導入が正式に決定!

下記動画のサムネイルを抜粋。この謎の無塗装中間車が、東横線の「Qシート」になる模様!

以前、J-TREC横浜工場から相鉄直通対応工事を終え、既存の8両に加えて新造中間車を2両加えて長津田検車区に甲種輸送された、東急5050系5166F改め4112F。

この4112Fの新造中間車2両が、従来車に合わせた塗装ではなく、何もラッピングされていない無塗装状態で出場したこと、そして、新造中間車の車内の座席が、ロングシートとクロスシートの切り替えができる「デュアルシート」を搭載していることから、

「東急東横線に座席指定車両”Qシート”が導入されるのではないか」

という噂が出ていました。

東急5050系4112Fの甲種輸送の様子。

しかし、2020年7月30日、東急電鉄より1つのプレスリリースが発表されました。

東横線におけるロング・クロス転換車両の導入について|お知らせ|東急電鉄株式会社
東横線におけるロング・クロス転換車両の導入についてに関するページです。

当社は、中期事業戦略“3つの変革・4つの価値”で掲げている「③都市交通における快適性の向上と課題の解決」の1つとして、現在大井町線にて運行している有料着席サービス「Q SEAT」を2023年度以降に東横線へ拡大いたします。

東横線において、「Q SEAT」サービス車両として運用するロング・クロス転換車両を一部編成に導入していきます。

※一部の10両編成車両のうち、4号車・5号車をロング・クロス転換車両にいたします。

※4号車・5号車には、「Q SEAT」の車体ラッピングを行います。

東横線におけるロング・クロス転換車両の導入について

ご覧の通り、東横線に座席指定車両「Qシート」を、2023年度以降に拡大することが正式に発表されました。

車両は1編成あたり2両分連結され、4号車と5号車に設置されます。先日輸送された4112Fだと、無塗装の中間車がラッピングの上、4号車と5号車に組み込まれ、営業運転に入ることとなるでしょう。

「Qシート」の車体ラッピングに関しては、東横線のラインカラーである「赤色」をほぼ全面に塗装することで、他の一般車と区別を図ります。これは、既に導入されている大井町線の「Qシート」の全面オレンジ色(大井町線のラインカラーに合わせた色)に準じていますが、相違点として、

「客室用ドアには塗装がなされない」

ことが外観イメージ図より明らかとなっています。

東急6000系のQシート車両。ドア部分も塗装されている(6020系も同様)。

なぜドア部分に塗装がなされないのか理由はわかりませんが、この外観イメージ図から鉄道ファンの間では、

  • 小田急1000形の箱根登山鉄道専用車両(通称:赤1000)
  • 西武9000系9103F(赤ラッピング塗装)

に似ていると言われています。

小田急1000形の赤1000の側面塗装。ドア周り除き赤一色なのは似ていると言える。
西武9103F。

混雑度が上がっても、Qシート2両連結した列車を走らせる意図とは? 〜湘南新宿ラインへの対抗と東急の経営改善策の一環〜

ここからは個人的な私見になりますが、まず、東横線のQシート導入に関しては、大井町線での導入もあって近々導入されるのではないかと思っていました。

しかし、導入するのであれば大井町線と同様1編成あたり1両のみの連結だと思っていたので、1編成あたり2両も増結するのは正直驚きました。

大井町線急行が7両編成なのに対し、東横線は8両or10両と長めの両数であるため、2両分増結できる余裕はあると思いますが、東横線は渋谷と横浜という副都心と神奈川1の都市を結ぶ路線であり、かつお出かけスポットの中目黒や自由が丘、川崎市のタワマンが聳え立つ武蔵小杉を経由するため、利用者が常に多くなっています。よって、

「最も混雑するラッシュ時間帯に座席指定車両を連結した列車を走らせたら、余計に混雑が悪化するのでは?」

という懸念が挙げられます。近年は新型感染症による利用者減により、混雑度は減っているものの、大都市圏と大都市圏を結ぶ路線であることから、混雑が絶えません。

加えて、座席指定車両は、乗車券にプラスして座席指定券を購入することによって、混雑を避けて快適に着席できる機会を保証する車両のため、座席指定車両を設定している列車だと、必然的に一般車両の混雑度が増してしまいます(特に座席指定車両に近い3号車および6号車は高くなる傾向にある)。

それでも東急が東横線に座席指定車両を導入する意図としては、

「渋谷〜武蔵小杉〜横浜間で競合関係にある”湘南新宿ライン“」

の存在が大きいと思われます。

JR東日本の湘南新宿ライン。渋谷〜横浜間で競合区間である他、乗り入れ先の副都心線も加えると池袋〜横浜間で競合している。

ここで、東急東横線と湘南新宿ライン(渋谷〜武蔵小杉〜横浜間)の比較を行います。

比較項目東急東横線湘南新宿ライン
編成両数急行:8両or10両
通勤特急:10両
特急:10両
普通:10両or15両
快速:15両
特別快速:15両
座席指定車両or
グリーン車の有無
2017年より土休日限定で全車座席指定車両
「S-TRAIN」を運行中
2023年度に一部車両座席指定車両
「Qシート」を1編成2両分導入予定
全列車にグリーン車自由席(2両分)を導入中
座席指定料金or
グリーン料金
S-TRAIN:350円(東横線内のみの乗車)
Qシート:
350円?(S-TRAINと統一の場合)、
400円?(大井町線Qシートの場合)
平日:780円(車内は1040円)
土休日:580円(車内は840円)
渋谷〜横浜間の
途中停車駅
急行:9駅
通勤特急:5駅
特急:4駅
(S-TRAIN:1駅)
普通:5駅
快速:3駅
特別快速:2駅
渋谷〜横浜間の
所要時間(目安)
急行:31~33分
通勤特急:30分
特急:27~28分
(S-TRAIN:27~30分)
普通:28分
快速:25分
特別快速:24分
渋谷〜横浜間の
運賃(2023年度以降)
IC運賃:309円(現行は272円)
通常運賃:310円(現行は280円)
IC運賃:406円?(現行は396円)
通常運賃:410円(現行は400円)
渋谷〜横浜間の
有効本数(先着列車)
毎時8本
(急行4本、通勤特急or特急4本)
毎時4本
(普通2本、快速1-2本、特別快速0-1本)
渋谷〜武蔵小杉間の
途中停車駅
急行:5駅
通勤特急:2駅
特急:2駅
普通:3駅
快速:2駅
特別快速:1駅
渋谷〜武蔵小杉間の
所要時間(目安)
急行:16~17分
通勤特急:14分
特急:13分
普通:16分
快速:15分
特別快速:13分
渋谷〜武蔵小杉間の
運賃(2023年度以降)
IC運賃:224円?(現行は199円)
通常運賃:230円?(現行は200円)
IC運賃:318円?(現行は308円)
通常運賃:320円(現行は310円)
渋谷〜武蔵小杉間の
有効本数(先着列車)
毎時8本(急行4本、通勤特急or特急4本)
※夕ラッシュ時間帯は毎時12本
(菊名ローカル4本、急行4本、通勤特急or特急4本)
毎時6-8本
(普通2本、快速1-2本、特別快速0-1本、相鉄直通各停2-4本)

【注意】JR東日本と東急電鉄は、新型感染症等に伴う経営改善のため、2023年度より運賃の値上げを行うことが発表されています。そのため、運賃に関しては2023年度の値上げした後の運賃(一部予想)を挙げています。運賃改訂のニュースに関しては以下の通り。

・東急運賃改訂

2023年3月の実施に向けて鉄軌道旅客運賃の改定を申請~安全・安心にご利用いただける鉄道事業を継続し、公共交通としての社会的責任を果たしていきます~|ニュースリリース|東急電鉄株式会社
2023年3月の実施に向けて鉄軌道旅客運賃の改定を申請~安全・安心にご利用いただける鉄道事業を継続し、公共交通としての社会的責任を果たしていきます~に関するページです。

・JR運賃改訂

JR東日本「10円値上げ」へ バリアフリー加速のため一部区間で 2023年3月頃 | 乗りものニュース
バリアフリー整備費を運賃に加算します。

上記の表で比較すると、

  • 運行本数の多さ、運賃面の安さでは東急優勢
  • 所要時間の速さ、編成両数の長さではJR優勢

という構図となっています。これに加えて、一般車両の混雑を避け、特別料金を払って快適に過ごせる車内サービスにおいては、JRの方が圧倒的に優位に立っており、東急側においては、土休日に運行されるS-TRAIN(下り2本、上り3本)のみで、ほとんどが一般車両のみの列車となっています。

西武40000系で運行される全車指定席の「S-TRAIN」。ただし利用率も使い勝手もそこまで良くはない。

東横線と湘南新宿ラインの並行区間のみでの利用であれば、基本的に運賃の安い東急に流れるのは当然であり、東横線の方が混みやすくなるのは言うまでもありません。混雑が増すと、快適な移動が厳しくなり、疲労感や緊張感も高まりますからね…

また、先述の通りですが、新型感染症の影響から鉄道経営が悪化し、厳しい経営を強いられており、今後感染症が収束したとしても、利用率が蔓延前に戻ることは考えられないと判断し、2023年度に運賃の引き上げを行うことを発表しました。元々東急電鉄が全体的に運賃が安いこともあり止むを得ない判断ではありますが、それだけ経営が厳しいことが伺えます。

この運賃の引き上げと共に、東横線で座席指定車両を導入することで、運賃にプラス特別料金を設定して利用を促し、収入源を更に確保するというのが、本来の意図とも言えるでしょう。

時間帯や車両面においていずれも限定的になってしまい、湘南新宿ラインほどのサービスには及ばないものの、こうした座席指定車両を設定することで、更に東急への誘導を促進させる意味でも、東横線の座席指定車両導入は有意義と言えるのではないかと思います。

東横線のQシートの座席指定料金が確定していませんが、Qシート利用でもJRのグリーン車利用より料金は安いので、使い勝手はあるのではないかと思います。

Qシート連結列車の設定に伴う混雑緩和対策について

以前東横線にQシートが導入されるのではないか?という記事を執筆した際に、Qシートが適用される列車の予想として、

「平日夕方から夜時間帯の渋谷→元町・中華街間の通勤特急

を挙げました。理由等の詳細は以下の記事をご覧ください。

もし仮に上記の通勤特急にQシートが適用される場合、最大の懸念点とされるのが、混雑の悪化です。10両編成のうち2両分が座席指定車両として使われるため、残り8両分は明らかに混雑が増してしまい、最悪の場合積み残しによって乗車できないということも起こり得る可能性があります。

一応、渋谷→日吉間においては、従来のダイヤに相鉄直通列車が新たに入る予定であるため、この区間に限れば本数増加で混雑緩和が見込めますが、ラッシュ時における横浜方面への需要は大きいため、相鉄直通列車が加わっても混雑が見込まれます。

そこで、混雑緩和の対策として、

「平日夕方から夜時間帯の渋谷→元町・中華街間の急行のほとんどを10両編成で運行する」

ことを提案します。東横線の急行は運用と車両の都合上、8両編成で運行される列車と10両編成で運行される列車があり、早朝深夜や朝ラッシュ時は10両編成中心、日中時間帯は8両編成中心となっています。

今年引退した東京メトロ7000系8両編成の急行。

ここで、平日17~21時台に渋谷駅を発車する急行の運用(2022年改正時点)を見てみると、

  • 17時台
    • 17:05 元町・中華街行き 02S(メトロ車8両)
    • 17:20 元町・中華街行き 69S(メトロ車10両)
    • 17:35 元町・中華街行き 53K(東急車10両)
    • 17:50 元町・中華街行き 60K(東急車10両)
  • 18時台
    • 18:05 元町・中華街行き 20K(東急・横高車8両)
    • 18:20 元町・中華街行き 23K(東急・横高車8両)
    • 18:35 元町・中華街行き 13T(東武車10両)
    • 18:50 元町・中華街行き 01K(東急・横高車8両)
  • 19時台
    • 19:05 元町・中華街行き 47S(メトロ車10両)
    • 19:20 元町・中華街行き 11K(東急・横高車8両)
    • 19:35 元町・中華街行き 04S(メトロ車8両)
    • 19:50 元町・中華街行き 18K(東急・横高車8両)
  • 20時台
    • 20:05 元町・中華街行き 30M(西武車10両)
    • 20:20 元町・中華街行き 14K(東急・横高車8両)
    • 20:35 元町・中華街行き 31S(メトロ車10両)
    • 20:50 元町・中華街行き 16M(西武車10両)
  • 21時台
    • 21:05 武蔵小杉行き 51K(東急車10両)
    • 21:20 元町・中華街行き 02M(西武車10両)
    • 21:35 武蔵小杉行き 20K(東急・横高車8両)
    • 21:50 元町・中華街行き 06K(東急・横高車8両)

これをみると、8両急行と10両急行の割合は丁度半々となっていることがわかります。特に帰宅ラッシュのピーク時間帯である18時台や19時台の急行は8両編成の割合が多いですね。

また、東横線の優等電車は種別に関わらず終着駅まで先着するため、仮に通勤特急への乗車を逃しても、後続の急行に乗車すれば確実に目的地に先着することができます。

よって、全ての駅に先着し、通勤特急よりも停車駅が多く、仮に通勤特急にQシートが設定されるのならば、急行の混雑度は更に上がることとなります。これに対する最善策は、”急行のほとんどを10両編成化すること”だと考えています。

理想は急行の全列車を10両編成化できるのがベストですが、車両編成数と運用的に全ては厳しいと見ているため、大体7~8割の急行を10両編成化してもらいたいものです。特に、Qシート運用のある通勤特急の前後に走る急行は10両編成であるとベストですね。

まとめ: 東横線のカオス化が止まらない

いかがでしたでしょうか?

今回は東急東横線のQシート導入決定とその意図、導入に対する対策に関して述べていきました。

どのタイミングでQシートが営業開始になるか、どの列車が対象になるのかはまだ確定していませんが、従来の5社直通に相鉄が新たに加わり、更にはQシートが導入と、東横線のカオス化は止まることを知りません。鉄道ファン的にはますます面白くなりますが…

今後もQシートの情報に関してはしっかり追っていこうと思います。

今回はここまでとなります!最後までご覧くださいましてありがとうございました!

コメント

  1. 肝心の18,19時台の急行に8両が多いのは10両が通勤特急に吸われるせいでしょうか?
    相鉄直通やQシートの兼ね合いもあり東急車のみでの東横線急行の10両化に限界がある一方、直通対応の西武車がダブついているので西武車を菊名や横浜方面に充て、その代わり東急車8両を石神井公園等の短距離な西武線直通に充てて車両使用料を相殺すれば良さそうです。
    ただし、有楽町線直通より走行機器の負担が多い東横線直通を西武が増やしたがるかな……
    個人的には東急直通前によく見掛けた西武車の副都心線各駅停車がまた見られるようになるとうれしいのですが。

    • U5sw より:

      コメントありがとうございます。
      18,19時台に8両急行が多い理由のほとんどは「運用上の都合」だと思いますし、東急車以外の10両車は有楽町線の運用も兼ねないといけないので、中々東横急行に回せないというのが現状かもしれませんね。
      おっしゃる通り、東急車は来たる相鉄直通便やQシート限定運用を担当しなければならないですし、東武車は車両不足に悩んでいる現状からメトロ車と西武車に頑張ってもらいたいところですね。特に西武車は40000系の増備で直通対応車が増えているので、直通運用にとても余裕がありますから。
      ただし、車両使用料の相殺や運用変更などを行わないといけないので大変になりますが…

      なお、東急車に関しては8両車が減って10両車が増えることが決定しているのと、現状の東急8両運用だと確実に車両数が足らなくなってしまうので、10両の東横急行の運用は必然的に増えると見ています。

      詳細はどうなるかはその日になってみないとわかりませんが、混雑緩和対策は可能な限りで徹底してほしいなと思います。

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