皆様、こんにちは。U5swです。
今回は2024年3月改正における、東急線のダイヤ改正内容を紹介します。そして、紹介すると共に改正後どのようなダイヤになるのかを予想します。
まず、今回ダイヤ改正の対象路線は以下の3路線です。
上記以外の田園都市線・大井町線・池上線・多摩川線・こどもの国線・世田谷線における東急線内での変更点は特にありません(田園都市線は、乗り入れ先の東京メトロ半蔵門線および東武スカイツリーラインの改正によって多少の行先変更が生じるかも?)
続いて、各路線ごとに改正の内容を深掘りしていきます。
東横線は、主に平日夕夜間帯にテコ入れが行われます。
渋谷18:31始発の各停菊名行きを1本増発し、混雑緩和を図ります。これにより、18時台に渋谷を出発する各停の本数は9本から10本に増加します<元町・中華街行き8本、菊名行き1本(増発)、武蔵小杉行き1本>。増発する各停の発着時刻は以下の通り。
発着駅(一部) | 発着時刻 |
---|---|
渋谷<発> | 18:31 |
中目黒<発> | 18:35 |
自由が丘<発> | 18:46 |
武蔵小杉<発> | 18:54 |
日吉<発> | 18:58 |
綱島<発> | 19:00 |
菊名<着> | 19:05 |
現行のダイヤにおいて、この新設する各停菊名行きの前後を走る列車は以下の通りです(渋谷発基準)。
ご覧の通り、各停の発車時刻が18:16~18:26~18:36と10分間隔が連続しており、”東横線基準”においては結構間隔が開いてしまっています。特に帰宅ラッシュのピーク時間帯において、各停が来なさ過ぎるのは混雑集中の原因にもなりかねないため、18:31発の各停菊名行きを設定することで、各停が来ない待ち時間を短縮することができます。
また、現行の発車時刻に各停菊名行きを加えると、自由が丘で後続の18:35発急行元町・中華街行きと緩急接続を取ることとなり、急行通過駅への利便性も向上することでしょう。
以上の2本の急行が各停に格下げされることによって、急行通過駅の代官山・祐天寺・都立大学・新丸子の4駅への停車列車本数がそれぞれ2本増加します。また、渋谷駅20時台の急行および各停の発車本数は、急行が8本から6本へ2本減少、各停が8本から10本へ2本増加します。
この2本の急行武蔵小杉行きは両者とも8両編成での運行であり、東横線は8両編成であれば各停でも運行可能です。よって、わざわざ急行で運行するよりは、各停に格下げして急行通過駅利用者の利便性を向上した方が良いという判断から、このような格下げに至ったと思われます。
目黒線の一部の列車を日吉発着から新横浜発着へ延長運転し、新横浜線の運行本数を増加することで、新横浜線内の利便性および東海道新幹線等への乗り換えがしやすくなります。
平日早朝の6時台に、日吉〜新横浜間で各停1往復を増発し、新横浜へのアクセス、および新横浜・新綱島から目黒方面へのアクセスを向上させます。
現行の新横浜線平日6時台は、新横浜方面は毎時8本(日吉基準)、日吉方面は毎時9本(新横浜基準)運行されていますが、これに1往復が加わり新横浜方面が毎時9本、日吉方面が毎時10本となります。
どの列車が日吉発着から新横浜発着に変更されるかは、他列車の時間調整もあって予想がつきませんが、おそらく列車の来る間隔が広いところを埋めていくものと思われます。
これは新横浜線利用者にとって待ちに待っていた改正と言えるのが、日中時間帯の各停の新横浜延長運転でしょう。
平日の10~16時台の12往復、土休日9~18時台の16往復において、各停を日吉発着から新横浜発着に延長することが決定しました! これにより、日中時間帯の日吉〜新横浜間の運行本数が毎時6本から毎時8本へ増便され、より利用しやすくなります。
新横浜線開業時点のダイヤでは、コロナ禍を見据えたダイヤ作成ということもあり、運行本数を控えめにしたダイヤになり、目黒線直通の急行が毎時4本(15分ヘッド)、東横線直通の急行が毎時2本(30分ヘッド)の計毎時6本での運行を行ってきました。一方で、目黒線の各停は全て日吉での折り返し運転を行っています。
しかし、毎時6本とは言えど、一般的な10分ヘッドではなく、目黒線急行の15分ヘッドの間に東横線急行が挟まる形で運行されているため、“15分間列車が来ないダイヤホール”が発生してしまい、新横浜線が利用しにくいという課題を抱えていました(但し、開業当日や新横浜でのイベント開催時には、多客対応で目黒線各停を毎時2本延長運行したこともあった)。
新横浜線の現行ダイヤは以下の通り。
また、日中時間帯の新横浜線は急行しか来ないため、急行通過駅の不動前・西小山・洗足・奥沢・新丸子・元住吉の6駅から新横浜線へは、必ず1回は乗り換えを行う必要があるため、乗り換えの手間がかかってしまう課題もありました。
それが、今度の改正により、新横浜線に毎時2本目黒線各停が乗り入れてくることで、15分待ちのダイヤホールの解消にも繋がり、新横浜線内の利用、および急行通過駅から新横浜線への利便性の向上が期待できます。
では、ダイヤホールを解消するにあたって、日中時間帯に運行する毎時8本の目黒線各停の内、どの毎時2本の列車を新横浜まで延長するのが望ましいでしょうか?
ここで、目黒線の運用には以下の条件が含まれます。
目黒線を走行する列車には、目黒から先、東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線に直通する列車と都営三田線に直通する列車の2種類があり、原則として南北線からやってきた列車は折り返し南北線直通列車へ、三田線からやってきた列車は折り返し三田線直通列車になります。また、メトロ車と埼玉高速車は三田線に、都営車は南北線および埼玉高速鉄道線に乗り入れることができません。
また、現行ダイヤにおいて、日吉駅を発着する目黒線各停の発着時刻は以下の通りです。
ダイヤホールの解消は意外と単純に見えて、実はダイヤの都合上一筋縄ではいきません。その理由としては、以下の4つのダイヤパターンを紹介することで、明らかになります。
まず、上り(新横浜→日吉間)に関しては、15分のダイヤホールが生じている目黒急行(三田線直通)と目黒急行(南北線直通)の間に目黒各停(三田線直通)を走らせることができるため、間隔は30分ヘッドにおいて、9分-15分-6分から9分-9分-6分-6分となり、ダイヤホールの解消に繋がっています。
しかし、下り(日吉→新横浜間)に関しては、目黒各停(新横浜行き)が東横急行(湘南台行き)とほぼ時間が被ってしまう関係で、目黒急行(海老名行き)と目黒急行(新横浜行き)の間に生じている15分のダイヤホールが生じたままです。間隔は30分ヘッドにおいて、8分-7分-15分から8分-2分-5分-15分と、時間帯によって大きな偏りがあります。
ちなみに、各停新横浜行きが日吉で急行湘南台行きを先に通している理由としては、この先の新横浜において、
以上の3つが挙げられます。
パターン①のメリット
パターン①のデメリット
まず、上り(新横浜→日吉間)に関しては、15分のダイヤホールが生じている目黒急行(三田線直通)と目黒急行(南北線直通)の間に目黒各停(南北線直通)を走らせることができていますが、目黒急行(三田線直通)の発車すぐに目黒各停(南北線直通)が走るダイヤとなり、間隔は30分ヘッドにおいて、9分-15分-6分から9分-3分-12分-6分と極端であることには変わらず、ダイヤホールを解消できているかは微妙です。
次に、下り(日吉→新横浜間)に関しては、目黒各停(新横浜行き)が目黒急行(海老名行き)の直前を走行することになるため、目黒急行(海老名行き)と目黒急行(新横浜行き)の間に生じている15分のダイヤホールが生じたままです。間隔は30分ヘッドにおいて、8分-7分-15分から8分-5分-2分-15分と、時間帯によって大きな偏りがあります。
このダイヤの利点としては、新横浜での2・3番線における長時間停車を解消できます。目黒各停(南北線からの新横浜行き)→折り返し目黒急行(南北線直通)or目黒急行(南北線からの新横浜行き)→折り返し目黒各停(南北線直通)が実現できるため、運用の制約もありません。ただ、利用者からするとそこまで恩恵を受けるわけではありませんが…
パターン②のメリット
パターン②のデメリット
まず、下り(日吉→新横浜間)に関しては、15分のダイヤホールが生じている目黒急行(海老名行き)と目黒急行(新横浜行き)の間に目黒各停(新横浜行き)を走らせることができるため、間隔は30分ヘッドにおいて、8分-7分-15分から8分-7分-7分-8分となり、ダイヤホールの解消に繋がっています。
しかし、上り(新横浜→日吉間)に関しては、目黒各停(南北線直通)と東横急行においてほぼ時間が被ってしまう関係で、目黒急行(三田線直通)と目黒急行(南北線直通)の間の15分のダイヤホールが生じたままとなってしまっています。間隔は30分ヘッドにおいて、9分-15分-6分から3分-6分-15分-6分と、時間帯によって大きな偏りがあります。
パターン③のメリット
パターン③のデメリット
最後はかなりイレギュラーな運行ですが、新横浜線運行の理想系と考えています。
まず、下り(日吉→新横浜間)に関しては、15分のダイヤホールが生じている目黒急行(海老名行き)と目黒急行(新横浜行き)の間に目黒各停(新横浜行き)を走らせることができるため、間隔は30分ヘッドにおいて、9分-15分-6分から9分-9分-6分-6分となり、ダイヤホールの解消に繋がっています。この目黒各停(新横浜行き)は、新横浜到着後折り返し日吉まで回送し、日吉から目黒各停(南北線直通)の営業運行に入ります。
次に、上り(新横浜→日吉間)に関しては、15分のダイヤホールが生じている目黒急行(海老名行き)と目黒急行(新横浜行き)の間に目黒各停(新横浜行き)を走らせることができるため、間隔は30分ヘッドにおいて、8分-7分-15分から8分-7分-7分-8分となり、ダイヤホールの解消に繋がっています。この目黒各停(三田線直通)は、日吉到着後は新横浜まで回送し、折り返し新横浜から営業運行に入ります。
上下線両方において15分のダイヤホールを解消するため、回送を挟みつつもダイヤホール解消に拘ったダイヤを考えました。この両者の目黒各停に関しては、元々日吉の留置線の奥で20分弱待機をしていることを考えたら、そこまで運行の支障にはならないと考えています。
パターン④のメリット
パターン④のデメリット
東急新横浜線で15分のダイヤホールが生じていますが、一方で相鉄新横浜線の新横浜〜羽沢横浜国大間は、日中時間帯毎時4本しか運行しておらず、また、相鉄線全体が10分間隔をベースとした運行を行なっていること、羽沢横浜国大からJR線直通列車が加わる関係で、20分のダイヤホールが生じてしまっています。
こちらも極力ダイヤホールの解消に努めていただきたいところですが、車両運用やダイヤの都合もあり、現行ダイヤだと厳しい状況にあります。
また、2024年1月中旬時点において、相鉄線のダイヤ改正に関する情報が一切出ていないため、どうなるかは未知数です。今後の情報に要注目です。
なお、ダイヤホール解消案に関しては、こちらの記事でも紹介しています。
いかがでしたでしょうか?
今回は2024年3月の東急線ダイヤ改正に関する内容を紹介していきました。
コロナ禍も徐々に収束しつつあり、需要の回復も見込めるようになったことから、全体的に列車を増発する積極的な改正と言えるでしょう。
特に改正後は、新横浜線を中心にどのようなダイヤとなるのかが楽しみです。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!
東急のダイヤ改正プレスリリースは以下の通り。