【増結で珍編成化?】東急5080系に関して説明!

鉄道
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皆様、こんにちは。 U5swです!

今回は東急目黒線の車両、東急5080系に関して説明します!

東急5080系とは?

東急5080系。
  • デビュー年:2003年3月13日
  • 運用線区
    • 東急目黒線
    • 都営三田線
    • 東京メトロ南北線
    • 埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線
    • 東急新横浜線(2023年3月より乗り入れ予定)
    • 相鉄線(2023年3月より乗り入れ予定)
  • 所属検車区:元住吉検車区
  • 在籍数:6両編成10本(2022年3月まで)→8両編成10本(2023年3月の相鉄・東急直通線開業までに順次増結へ)
  • 保安装置:ATC-P、新CS-ATC・ATO
  • 制御装置:東芝IEGT-VVVFインバータ制御
  • 営業最高速度:110km/h

1999年にデビューした3000系の後継車両として、目黒線系統に導入された「東急5000系シリーズ」の1つです。5000系、5050系の主な相違点として、

  • 帯の色が異なること(5080系が紺色に対し、5000系<田園都市線用>は緑色、5000系<東横線>、5050系はピンク色)
  • 制御装置が異なること(5080系が東芝IEGTに対し5000系、5050系は日立IGBT)

の2点が挙げられます。2022年現在、目黒線、全ての乗り入れ路線においてワンマン運転を実施しており、TASC(自動列車停止装置)を搭載しています。座席は全車ロングシートで、濃いピンク色のモケットを採用しています。

導入の歴史

5181F、5182F

まず、2003年に5181F、2004年に5182Fがそれぞれデビューしました。5080系デビュー時点では5000系が既にデビューしており、こちらには5000系シリーズの新たなドアチャイムやLCD車内案内表示器が搭載されていましたが、5181Fと5182Fの2編成においては3000系の後継車両の意味合いが強く、3000系をベースとした仕様で製造され、1世代前のドアチャイムやLEDのスクロール式車内案内表示器が搭載されていました。

編成1号車
(クハ5180)
2号車
(デハ5280)
3号車
(サハ5380)
4号車
(デハ5480)
5号車
(デハ5580)
6号車
(クハ5680)
5181F
(2003.1.8新製)
518152815381548155815681
5182F
(2004.3.31新製)
518252825382548255825682
改造前の5182F。行き先表示器がオレンジ色の時代。

また、種別表示器は幕式、行き先表示器はオレンジ色のLED表示器が採用されており、側面に関しては3000系と同様の3色LED表示器が採用されていました。

なお、2022年現在は、相鉄直通対応に伴う改造工事により、以後登場する5080系に合わせた仕様にリニューアルされ、5000系シリーズのドアチャイム、LCD車内案内表示器(17インチ)、フルカラーの種別表示器、白色の行き先表示器に改められました(加えて列車番号表示器が白色に変更されている)。

リニューアルされた5181F。
リニューアルされた5182F。

5183F、5184F

2006年に目黒線で急行運転が開始することに伴い、その増発分として5183F、5184Fの2編成がデビューしました。この時既に5050系がデビューしていたため、それに合わせた仕様(5000系シリーズの標準的な仕様)で製造されました。

編成1号車
(クハ5180)
2号車
(デハ5280)
3号車
(サハ5380)
4号車
(デハ5480)
5号車
(デハ5580)
6号車
(クハ5680)
5183F
(2006.8.2新製)
518352835383548355835683
5184F
(2006.9.27新製)
518452845384548455845684

なお、登場当時はLCD車内案内表示器が15インチサイズでしたが、近年は17インチサイズに更新されています(5080系は全ての車両が該当)。

5185F~5190F

2008年の目黒線武蔵小杉〜日吉間が延伸開業するにあたって、延伸に伴う増発分として、5185F~5190Fの計6編成が追加増備されました。この増備によって、5080系の全10編成が出揃うこととなりました。

編成1号車
(クハ5180)
2号車
(デハ5280)
3号車
(サハ5380)
4号車
(デハ5480)
5号車
(デハ5580)
6号車
(クハ5680)
5185F
(2008.4.9新製)
518552855385548555855685
5186F
(2008.4.16新製)
518652865386548655865686
5187F
(2008.5.7新製)
518752875387548755875687
5188F
(2008.5.21新製)
518852885388548855885688
5189F
(2008.5.28新製)
518952895389548955895689
5190F
(2008.7.2新製)
519052905390549055905690

5080系は全体的におとなしい動きだったが…

5080系は5000系や5050系とは異なり、編成組み替えや中間車増結といった動きはなく、”東急基準”ではおとなしい動きのまま活躍を続けてきました。

しかし、次に紹介するイベントが発生によって、5080系にもテコ入れが生じることとなりました。それが、

「相鉄・東急直通線開業に伴う相鉄線乗り入れ、および東急目黒線、都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道線での8両運転開始」

です。

5080系は相鉄線への乗り入れ、8両編成化いずれも対象の形式となり、両者への対応のため、2021年度までに全編成がJ-TREC横浜工場での相鉄直通対応工事、および新造中間車18両分の製造が行われました(5181F、5182Fは先述の通り、5000系シリーズに合わせたリニューアル改造も同時に実施)。

新造中間車は、既にX020系シリーズ(2020系、3020系、6020系)がデビューしていることもあり、内装はこれらに準じた仕様で製造されました。座席は緑色のモケットを採用し、床材は木目調のデザインを取り入れています。

2022年4月に5187Fが8両化トップバッターとして営業運転へ!

2022年3月のダイヤ改正までに、東急目黒線、都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道線の全駅において、8両編成対応のホーム、およびホームドアが設置完了したことで、同路線に8両編成の車両が走ることとなりました。

相鉄直通対応工事が全編成完了し、8両化に伴う中間車の増備、および搬入が進む中、5187Fが新造中間車2両を組み込み8両化されました。性能確認の試運転が行われた後、8両編成の5080系トップバッターとして営業運転に入ることとなりました。目黒線系統全体では東急3020系3123Fに次いで2番目の8両化となりました。

8両編成化された5187F。

前面には8両編成であることを示す「8cars」のステッカーが貼られました。なお、東横線の5050系とは違い、青色ベースのステッカーとなっています。

編成1号車
(クハ5180)
2号車
(デハ5280)
3号車
(サハ5380)
4号車
(デハ5480)
5号車
(サハ5580)
6号車
(デハ5680)
7号車
(デハ5780)
8号車
(クハ5880)
5187F
(2022.2.24
再組成)
5187528753875487
(2021.10.28新製)
5587
(2021.10.28新製)
5687
(元5487)
5787
(元5587)
5887
(元5687)

また、従来車(1-3号車、6-8号車)と新造中間車(4,5号車)で内装に差異が生じていることから、5080系登場から20年弱保ち続けた編成美もピリオドが打たれることとなりました(この5187Fは、製造年数に13年の差があります)。

今回新たに新造されたデハ5487。座席の色が緑色である。

5187Fに続いて5189F、5190Fも8両化へ! ただし増結が特殊?

2022年5月には、8両化第2編成目となる、5190Fが試運転を行い、営業運転に就く準備を行っています。さらに、第3編成目の5189Fも試運転を行っています。

この5189Fと5190Fの2編成ですが、両編成に限り、他とは異なる「特殊な中間車増結」を行って8両化することとなります。

編成1号車
(クハ5180)
2号車
(デハ5280)
3号車
(サハ5380)
4号車
(デハ5480)
5号車
(サハ5580)
6号車
(デハ5680)
7号車
(デハ5780)
8号車
(クハ5880)
5189F
(2022.5.31再組成)
5189528953895489
(2017.8.30新製)
(元6301)
5589
(2021.10.28新製)
5689
(元5489)
5789
(元5589)
5889
(元5689)
5190F
(2022.5.24
再組成)
5190529053905490
(2017.8.30新製)
(元6302)
5590
(2021.10.28新製)
5690
(元5490)
5790
(元5590)
5890
(元5690)

上記の表の通り、4号車に新造中間車を使用せず、“大井町線の急行専用車両で活躍している6000系の中間車を転用して、5080系に組み込んでいる”ことが明らかとなっています。

6000系の中間車が5080系に転用されるまでの経緯

なぜ6000系の中間車を転用して組み込んだのか?その理由として、「大井町線急行のサービス」が大きく関わっています。

東急6000系。

6000系は大井町線の急行運転が開始される2008年にデビューしました。登場当時は6両編成で運行されており、大井町線急行の主力車両として活躍を続けてきました。

2017年11月より、大井町線急行の輸送力増強に伴い、中間車を1両増結し、7両編成での運行を行うと発表されました。これにより、新規に製造された中間車(デハ6300)を随時組み込み、7両編成として運転を開始しました。2018年2月までに全ての6000系が7両化されています(同時期に6020系もデビュー)。

しかし、2018年に、平日夕方から夜時間帯に運行される、大井町発長津田行きの急行に限り、3号車を有料座席指定車両「Qシート」を導入することが発表されました。当初は、導入されたばかりの6020系2編成に導入され、同年12月にQシートの営業運転を開始しました。

Qシート車両の外観。
座席指定車両「Qシート」の車内。

ところが、2019年に入って6000系の一部車両にもQシートを導入することが明らかとなり、その対象編成として、6101Fと6102Fの2編成が組み込まれることとなりました。その際、Qシート車両が新たに新造され、従来の3号車を新造されたQシート車両に置き換えました。

この置き換えられた中間車(元デハ6301、元デハ6302)は、先述した7両編成増結用に新造された中間車でしたが、僅か2年ほどで置き換えられてしまうという”珍車”となってしまい、この2両は休車状態にしてJ-TREC横浜工場に輸送され、暫く留置されました。

しかし、あまりにも車齢が若すぎることから、そのまま廃車にするには勿体なさすぎるので、別の形で転用されることが有力視されていました。

その活用先が、今回の「5080系8両化の中間車」となりました。

元6000系の中間車が5080系に転用された理由として、

  • 5080系と6000系の制御装置が共通(東芝IEGT-VVVF)
  • 6000系が5000系シリーズベースの車体構造

この2点が転用しやすい理由かと思われます。

元6000系車両(元デハ6301→新デハ5489、元デハ6302→新デハ5490)の2両に関しては、外装に関しては5080系と共通の塗装に改められましたが、内装に関しては、LCDの交換(15インチ→17インチ)以外はそのままとなっています。6000系車両の座席はオレンジ色を採用していることから、8両化した5189Fと5190Fは、

  • 1-3号車と6-8号車が濃いピンク色の座席(従来車)
  • 4号車がオレンジ色の座席(元6000系中間車)
  • 5号車が緑色の座席(新造中間車)

という、「1編成に3種類の内装および座席を有する」珍編成が爆誕することとなりました。このような編成は、アクロバットな組み替えや増結を行ってきたこれまでの東急の中でも聞いたことがありません。

編成の詳細は以下のTweetおよびYoutubeからどうぞ!

(2022.7.1追記)運用復帰した5190Fに乗車した動画を投稿しました!車内の様子(特に元6000系の4号車、新造の5号車を中心)はこちらからどうぞ!

まとめ:新たに生まれ変わった5080系に期待!

いかがでしたでしょうか?

今回は東急5080系に関して説明しました!

全編成が8両編成に増結されるため、6両編成の5080系は見納めとなります。6両編成での活躍は今しか見れないため、記録はお早めに!

今回はここまでとなります。最後までご覧くださいましてありがとうございました!

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