【更なる減便へ】京阪電車の9月ダイヤ改正内容と、日中パターンダイヤの詳細を説明!

鉄道
この記事は約14分で読めます。

皆様、こんにちは。U5swです。

今回は、来る9月25日に実施される、京阪電車のダイヤ改正に関しての説明と、改正後のパターンダイヤがどうなるのかに関して予測していきます。

ダイヤ改正の主なトピック

今回のダイヤ改正のトピックを以下に示します。

  • 始発時刻が変更へ
  • 朝ラッシュも一部減便へ
  • 日中ダイヤが10分サイクルベースから15分サイクルベースへ(2003年以来18年ぶり)、快速急行の日中運転が復活(しかもプレミアムカー付き)
  • 平日夕ラッシュ時間帯のサイクルも間引きへ、全車座席指定の「ライナー」は増発
  • 終電を更に繰り上げ、日本唯一の種別が…

次に、主なトピックの中から、私が特に気になったトピックに関して、詳細を示していきます。

長年ベースとなっていた10分サイクルが見直しへ。

京阪電車では、2003年のダイヤ改正より、1つの種別につき10分おきに1本のペースで運行させる「10分サイクル」のダイヤをベースに運行されていきました。これにより、ほとんどの区間において、その種別を1時間に6本利用することができ、かつ、全駅において停車列車を1時間あたり6本以上確保することができていました。

しかし、最近における利用客の大幅減少に伴い、これまで保ってきた10分サイクルベースにメスを入れないといけなくなってしまいました。

このダイヤ改正によって、“10分サイクルから15分サイクルへ”とダイヤのベースが変わり、これまで多く運行されてきた特急準急、普通は全て1時間に6本から4本へと減便されることとなりました。しかも、本線だけに限らず、中之島線や交野線、宇治線といった支線の列車も15分サイクルベースとなります。

減便の影響は本線だけでなく、支線にも…

一方で、快速急行の日中運転が復活!

一方で、これまでラッシュ時間帯を中心に運行されていた快速急行が、1時間あたり2本(30分に1本の割合)運行されることとなります。日中時間帯の快速急行の運行はおよそ10年ぶりであり、しかも「プレミアムカーサービス」が実施されるとのことです。まさかこのような形で快速急行の運行が拡大されるとは思いませんでした…

平日の朝夕を中心とした運用に留まっていた快速急行が日中時間帯に復活!

改正後の停車本数はどうなる?

ここで、各駅(各区間)における各列車種別の改正前と改正後の本数推移を以下にまとめます。

始発駅or支線全体改正前改正後全体の本数
淀屋橋
北浜
特急 6本
準急 6本
特急 4本(-2)
快速急行 2本(+2)
準急 4本(-2)
12本→10本
(-2)
中之島線普通 6本
(内、枚方市発着4本、萱島発着2本)
普通 4本(-2)
(内、枚方市発着2本、萱島発着2本>)
6本→4本
(-2)
天満橋
京橋
特急 6本
準急 6本
普通 6本
特急 4本(-2)
快速急行 2本(+2)
準急 4本(-2)
普通 4本(-2)
18本→14本
(-4)
守口市準急 6本
普通 6本
快速急行 2本(+2)
準急 4本(-2)
普通 4本(-2)
12本→10本
(-2)
京橋〜萱島間
各駅停車便
普通 6本普通 4本(-2)6本→4本
(-2)
萱島準急 6本
普通 6本(内2本は萱島折り返し)
準急 4本(-2)
普通 4本(内2本萱島折り返し,-2)
12本→8本
(-4)
寝屋川市
香里園
準急 6本
普通 4本
快速急行 2本(+2)
準急 4本(-2)
普通 2本(-2)
10本→8本
(-2)
光善寺
枚方公園
準急 6本
普通 4本
準急 4本(-2)
普通 2本(-2)
10本→6本
(-4)
枚方市特急 6本
準急 6本
普通 4本(枚方市折り返し)
特急 4本(-2)
快速急行 2本(+2)
準急 4本(-2)
普通 2本(枚方市折り返し,-2)
16本→12本
(-4)
樟葉
中書島
丹波橋
七条
祇園四条
三条
出町柳
特急 6本
準急 6本
特急 4本(-2)
快速急行 2本(+2)
準急 4本(-2)
12本→10本
(-2)
枚方市〜出町柳
各駅停車便
準急 6本準急 4本(-2)6本→4本
(-2)
交野線・宇治線普通 6本普通 4本(-2)6本→4本
(-2)

以上より、主要駅は4本、それ以外の駅では2本、それぞれ毎時の停車本数が減少しています。

使用車両は、特急が8000系専属、快速急行が3000系専属になると予想

次に改正後の使用車両ですが、個人的な予想として特急を8000系、快速急行を3000系で統一するものと思われます。先述の通り、快速急行にもプレミアムカーサービスを導入するという旨が記されていますし、2扉車の8000系が特急よりも停車駅の多い快速急行に入ってしまうと、乗降に時間がかかり遅延のリスクが大きくなること、8000系が全10編成、3000系が全6編成ということを考えると、種別に応じた車両の統一はなされるでしょう。

準急は7両編成の一般車両、普通は6~8両編成の一般車両が引き続き運用に就くでしょう。

緩急接続、通過待ちを行う駅はどう変わる?

ダイヤパターンが大きく変わるため、優等種別と各駅停車の緩急接続、並びに通過待ちを行う駅も変わります。改正前の緩急接続、通過待ちを行う駅は以下の通り。

  • 特急⇄準急:香里園(通過待ち)、樟葉、丹波橋、三条
  • 特急⇄普通:枚方市(普通の内枚方市発着のみ)
  • 準急⇄普通:守口市、萱島(普通の内萱島発着のみ)

これが、改正後にはこうなると予想しています(2021.8.20に、京阪公式より詳細が発表されたため、その詳細[京橋駅時刻表]をベースに予想)

  • 特急⇄準急:枚方市、丹波橋
  • 快速急行⇄準急:樟葉、龍谷大前深草(通過待ち)
  • 快速急行⇄普通:守口市、香里園
  • 準急⇄普通:守口市、萱島(萱島発着のみ)

加えて、予想の時刻表も作成してみました。

時刻表掲載前に予想したパターンダイヤの一例。

快速急行を間に挟むため、特急と準急は純粋な15分ヘッドにはならない。

今回の改正で、特急と準急に加えて快速急行が30分おきに走ることから、特急と準急は純粋な15分ヘッドとはなりませんでした。特に準急は、一方が快速急行の待避を行い、もう一方は行わないので、全区間において間隔のバランスを最低限保つためにこうなったと考えられます。

準急の香里園待避が枚方市待避になったのは1つの朗報

ここ最近の京阪のダイヤで問題視されていたのが、「準急の香里園駅における特急の通過待ち」です。以前は準急が京橋〜枚方市間で先着できるようなダイヤになっていましたが、準急の直後を走る特急が枚方市駅or京橋駅でつっかえてしまい、所要時間の増加がネックとなっていたことから、特急優先のダイヤにすべく香里園駅での待避に変更されていました。

しかし、準急全体の待避駅が3駅から4駅に増えてしまったことによる所要時間の増加や、樟葉以北と香里園、寝屋川市、守口市とその周辺の各駅へのアクセスが悪化、そして、京橋〜枚方市間の先着列車が特急のみになったことによる、特急の混雑が激化など、デメリットの部分が目立っていました。

今回の改正で運行間隔が広がったことにより、準急が香里園駅で待避を行わなくても、後続の特急がつっかえることなく運行できるため、準急の速達性向上と特急の混雑緩和が同時に達成され、より快適に利用できるようになるでしょう(京橋〜枚方市間先着列車は毎時6本から10本に増加!)。

また、枚方市駅での緩急接続によって、樟葉以北〜香里園、寝屋川市、守口市とその周辺の各駅のアクセスも改善されます。

P.S. ダイヤ改正後の時刻表が明らかに

記事公開前に新ダイヤの時刻表が明らかになっていました。

予測をしていた列車の緩急接続や通過待ちですが、ほぼ当たっていました。

唯一異なった点が、特急準急の三条駅での緩急接続が継続”となっているところです。

列車の間隔が広がったこと、三条駅の2駅北にあるのが出町柳駅のため、準急が待避をせずに出町柳駅まで先着or特急のすぐ後ろを走るものと考えていましたが、神宮丸太町駅の利便性を損なわせないための配慮は引き続き行うべきとの判断でしょうか。

減便の余波は平日ラッシュ時にも影響、一方でライナー列車は増発

日中時間帯の減便はもちろんのこと、朝夕のラッシュ時間帯も見直しがなされます。

朝ラッシュの場合

  • 上下線合わせて従来よりも16本削減(179本→161本へ)
  • 下りの通勤快急、通勤準急の一部を、守口市駅停車の快速急行、準急に変更
  • 樟葉発淀屋橋行きの「ライナー」を1本増発(樟葉7:46発、枚方市7:53発、京橋8:12着、淀屋橋8:20着)

夕ラッシュ〜夜間の場合

  • 17~22時台におけるサイクルの見直し(上り京橋駅基準)
    • 17~20時台:10分→12分
    • 21時台:12分のまま
    • 22時台:12分→15分
  • 上下線合わせて32本削減(391本→359本へ)
  • 淀屋橋発出町柳行きの「ライナー」を2本増発し、18~21時台に淀屋橋毎時00分発で1本ずつ運行

以上の通り、一般列車が全体的に減少傾向にある一方で、全車指定席の「ライナー」は増発という形が取られました。混雑を避けた着席保証による快適性の向上と感染症拡大を防ぐこと、利用客の単価を上げて増収を促進させることを目的に、ライナー列車を増やしたと考えられます。

とはいえ、夕ラッシュ時間帯ですら10分ヘッドを解消させるとは… そこまで利用客が少なくなっているということなのでしょう。

準急の運用に就く10000系。

早朝の始発が変更、深夜の終電繰り上げへ。

そして、始発の繰り下げと終電の繰り上げも行われます。

始発の変更<淀屋橋始発より?>

早朝の淀屋橋始発と中之島始発の時刻が以下のように変更されます。

  • [淀屋橋始発] 5:04発普通出町柳行き→5:33発普通出町柳行き(29分繰り下げ)
  • [中之島始発] 5:12発普通出町柳行き→5:00発普通出町柳行き(12分繰り上げ)

ご覧の通り、淀屋橋始発が大幅に繰り下がった代わりに、中之島始発が繰り上がるというダイヤに変わります。

ただし、淀屋橋駅は大江橋駅と、北浜駅はなにわ橋駅とほぼ隣接しており、運賃も両駅使おうが変わらないため、実質淀屋橋駅と北浜駅の始発時刻は変わっていません。ただし、駅が異なるため、始発を利用する際は間違えないよう気をつけましょう。

終電繰り上げ<あの列車が遂に…>

各駅における終電の時刻を最大20分程度繰り上げることとなりました。改正前の時刻と比較していきます。

淀屋橋駅

<改正前>

  • 23:40発 特急三条行き(三条から普通出町柳行きに化ける)<中書島以北の終電、中書島で宇治行き終電に連絡>
  • 23:53発 快速急行樟葉行き<枚方市で私市行き終電に連絡>
  • 0:04発 準急淀行き<光善寺、枚方公園、御殿山、牧野、橋本、石清水八幡宮、淀への終電(※現在は淀までの各駅への終電)>
  • 0:20発 深夜急行樟葉行き<寝屋川市、香里園、枚方市、樟葉への終電>
  • 0:22発 普通萱島行き<萱島までの各駅への終電>

時刻が赤い列車は現在運休中

<改正後>

  • 23:33発 特急三条行き(三条から普通出町柳行きに化ける)<中書島以北の終電>
  • 23:45発 準急淀行き<光善寺、枚方公園、御殿山、牧野、橋本、石清水八幡宮、淀への終電>
  • 0:00発 快速急行樟葉行き<寝屋川市、香里園、枚方市、樟葉への終電>
  • 0:02発 普通萱島行き<萱島までの各駅への終電>

これにより、2008年の中之島線開業時から変わらず淀屋橋0:20発の樟葉行き深夜急行が、一旦姿を消すこととなりました。日本でただ1つしかない深夜急行の種別が、当面の間見れなくなってしまうのは、とても悲しいですね…

中之島駅

<改正前>

0:08発 普通萱島行き<萱島までの各駅への終電>

<改正後>

23:50発 普通萱島行き<中之島線内終電>

終電が18分繰り上がります。ただし、中之島、渡辺橋から乗車される方が対象であり、大江橋、なにわ橋から乗車される方は、淀屋橋始発の普通が終電となります。

出町柳駅

<改正前>

  • 23:26発 急行淀屋橋行き<萱島〜西三荘(香里園で普通乗り換え)、守口市、京橋〜淀屋橋間各駅への終電>
  • 23:30発 普通寝屋川市行き<枚方市で私市行き最終に連絡>
  • 23:45発 普通寝屋川市行き<枚方公園〜寝屋川市間各駅への終電(23:53発特急枚方市行きでも間に合う)>
  • 23:59発 特急枚方市行き<中書島で宇治行き最終に連絡>
  • 0:00発 普通枚方市行き<石清水八幡宮〜枚方市間各駅への終電>
  • 0:19発 普通淀行き<淀までの各駅への終電>

時刻が赤い列車は現在運休中

<改正後>

  • 23:15発 快速急行淀屋橋行き<守口市、京橋〜淀屋橋間各駅への終電>
  • 23:24発 普通寝屋川市行き<枚方公園〜寝屋川市間各駅への終電>
  • 23:39発 特急枚方市行き<樟葉、枚方市への終電>
  • 23:57発 普通淀行き<東福寺、鳥羽街道、龍谷大前深草、藤森、墨染、伏見桃山への終電>
  • 0:06発 急行淀行き<七条までの各駅、伏見稲荷、丹波橋、中書島、淀までの終電>

改正後は、京橋、淀屋橋方面への終電が急行から快速急行に格上げされます。そのため、神宮丸太町、清水五条、伏見稲荷、石清水八幡宮、枚方公園からの5駅から京橋、淀屋橋方面への最終に乗車する場合は、乗り換えが必要となります。

また、1番最後に出発する終電は急行となるため、淀までの急行通過駅に行かれる方は注意が必要です。

枚方市駅<交野線私市行きのみ>

<改正前→改正後> 0:20発→0:01発 (19分繰り上げ)

淀屋橋方面からの最終接続→淀屋橋23:33発特急三条行き

出町柳方面からの最終接続→出町柳23:24発普通寝屋川市行き

中書島駅<宇治線宇治行きのみ>

<改正前→改正後> 0:19発→23:58発 (21分繰り上げ)

淀屋橋方面からの最終接続→淀屋橋23:10発特急出町柳行き

出町柳方面からの最終接続→出町柳23:39発特急枚方市行き

その他気になること

快速特急洛楽の運行は継続、所要時間短縮へ

京橋〜七条間をノンストップで走る快速特急洛楽は、引き続き平日、土休日共に運行が継続されます。ただし、時刻と本数、使用車両に変化があるので、簡単にまとめておきます。

快速特急洛楽は、改正後ほとんどが3000系の運用へ。
運転日平日平日土休日土休日土休日土休日
使用車両3000系8000系3000系3000系3000系3000系
淀屋橋9:1010:009:109:4010:1010:40
北浜9:1110:019:119:4110:1110:41
天満橋9:1310:039:139:4310:1310:43
京橋9:1710:079:179:4710:1710:47
七条9:5110:409:5010:2010:5011:20
祇園四条9:5310:439:5310:2310:5311:23
三条9:5610:459:5510:2510:5511:25
出町柳9:5910:489:5810:2810:5811:28
運転日平日平日平日土休日土休日土休日土休日土休日
使用車両8000系8000系3000系3000系3000系3000系3000系3000系
出町柳17:4118:1518:4915:5316:2316:5317:2317:53
三条17:4418:1818:5215:5616:2616:5617:2617:56
祇園四条17:4618:2018:5415:5816:2816:5817:2817:58
七条17:4818:2218:5616:0016:3017:0017:3018:00
京橋18:2318:5619:3116:3417:0417:3418:0418:34
天満橋18:2618:5919:3416:3717:0717:3718:0718:37
北浜18:2819:0119:3616:3917:0917:3918:0918:39
淀屋橋18:3019:0319:3816:4117:1117:4118:1118:41

まず、本数ですが、上りが平日2本(±0)、土休日4本(-1)、下りが平日3本(+1)、土休日5本(±0)となりました。

次に、使用車両ですが、従来は平日が3000系、土休日が8000系とダイヤによって分けていましたが、全体的に3000系の使用率が多くなり、土休日は全て3000系となりました。

おそらくは、運用上の都合でこうなったと考えられますが、プレミアムカーの設備(窓割が全座席合う、一部ヒーターのつく座席がある)がより整っている3000系を快速特急に使用するのが良いとの判断でしょうかね?

石山坂本線は近江神宮前以北減便、さらに学休期ダイヤを設定

大津線系統もダイヤ改正が行われます。まず、石山坂本線の近江神宮前〜坂本比叡山口間が毎時6本から3本に半減し、近江神宮前折り返しとなります。最近の改正で毎時8本(内近江神宮前折り返し4本)→毎時6本(全列車坂本比叡山口発着)となっていましたが、利用者の減少で末端部がさらに削減されることとなりました。

また、石山坂本線の朝ラッシュ時間帯において、沿線の学校が長期休暇の場合、一部の列車を運休にすることで、効率的な運用を実現するとのことです。

まとめ:コロナ禍の影響をモロに受けてしまっている

いかがでしたでしょうか?

今回は京阪の9月ダイヤ改正について説明しました!

京阪電車は全体的にコロナ禍の影響を受けており、全体的に15%〜20%の本数が削減されるという、ある意味非常事態な状況の中で経営しているということを痛感しています。

是非とも回復して、通勤通学や観光、お出かけの需要が高まり、活気が戻ってくることを願いつつ、今回はここまでとさせていただきます。

最後までご覧いただきましてありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました