皆様、こんにちは。U5swです。
今回は2026年3月のダイヤ改正関連から、東急田園都市線の改正内容を紹介します!
改正のトピック
今回の改正によるトピックは主に2つとなります。
- 急行→準急の格下げにより、渋谷〜二子玉川間の混雑平準化を図る
- 梶が谷駅衝突事故の影響による車両不足の影響で、朝ラッシュ時に減便
トピックの詳細
1.急行→準急の格下げにより、渋谷〜二子玉川間の混雑平準化を図る
東急田園都市線には全3種別が運行しており、
- 急行:全区間で通過運転を行う最速達種別
- 準急:渋谷〜二子玉川間と長津田〜中央林間間は各駅停車、二子玉川〜長津田間で通過運転を行う準速達種別
- 各停:全区間で各駅に停車する種別
これに大井町線から直通する急行(二子玉川〜中央林間間)、各停(二子玉川〜鷺沼間)が加わり、ダイヤを形成しています。
①平日夕ラッシュ下り(渋谷→中央林間)

平日渋谷発18~19時台の下り列車の急行を、一部を除いて準急に格下げを行い、渋谷駅ホームや優等列車の混雑緩和や遅延拡大防止を図ります。

現行ダイヤにおける渋谷発18~19時台は、
- 18時台→急行7本、各停13本
- 19時台→急行6本、各停13本
運行されており、3~4分ヘッドで渋谷駅を発車します。また、発着順序としては、
急行→各停(二子玉川まで先着)→各停(桜新町で急行を待避)→急行…
という形で、1サイクルの間に急行:各停=1:2の構図を形成しています。
これがダイヤ改正によって、一部を除いて急行が準急に格下げされます。準急の格下げによって、急行通過駅だった池尻大橋・駒沢大学・桜新町・用賀の4駅は停車本数が大幅に増え、利便性と速達性が向上します。
また、各停の桜新町待避がなくなることで、渋谷から二子玉川まで全列車が先着することとなるため、列車による混雑の偏りが是正され、特定の列車に混雑が集中することを防ぐことができます。
遠方に住んでいらっしゃる方からすると、最寄駅に先着する優等列車に乗客が集中するのは言うまでもなく、一方で、すぐ近い駅で優等列車に追い抜かれる各駅停車は、最寄駅に先着できる駅数が僅かとなる分、乗客はまばらとなります。乗客の集中度としては、
急行>各停(二子玉川まで先着)>各停(桜新町で急行を待避)
となっているため、急行を準急に格下げして桜新町待避をなくすことで、
準急≒各停(二子玉川まで先着)≒各停(新・二子玉川まで先着)
という狙いがあるものと思われます。
②土休日午前〜真昼間時間帯上り(中央林間→渋谷)

土休日中央林間9~13時台発の上り列車の急行を、一部を除いて準急に格下げを行います。これにより、二子玉川→渋谷間各駅の停車本数を毎時9本から毎時12本へ増発することで、優等列車と各駅停車の混雑平準化を図ります。なお、大井町線直通急行は改正後もそのまま急行として運行します。

こちらも、特にお出かけ等で混雑が集中しがちな渋谷〜二子玉川間で、急行を準急に格下げすることで、池尻大橋・駒沢大学・桜新町・用賀の4駅の停車本数を増加、一部各停の桜新町待避を無くして混雑の平準化を図る動きに出ました。平日ラッシュ時間帯に限らず、土休日の午前中を中心にテコ入れが行われます。
渋谷〜二子玉川間の利用者数は?
以上、上下線共に急行を準急に格下げする動きが出ましたが、渋谷〜二子玉川間を途中三軒茶屋にしか停車しない急行から、各駅に停車する準急へ格下げしないといけないほど、各駅の利用者数が多いということなのでしょうか?実際に1日平均輸送人員(2024年度)を調べてみると、
- 渋谷 : 604,246人
- 池尻大橋: 63,191人
- 三軒茶屋: 136,375人
- 駒沢大学: 74,266人
- 桜新町 : 68,296人
- 用賀 : 65,061人
- 二子玉川: 89,150人
これを見ると、準急停車駅は急行停車駅には及ばないものの、どの駅も1日平均6~7万人の利用者数となっていることがわかります。準急停車駅各駅最寄りの主な施設としては、
- 池尻大橋:目黒区立大橋図書館、東京都立駒場高等学校、筑波大学附属駒場中学校・高等学校、東邦大学医療センター大橋病院
- 駒沢大学:駒澤大学、国立病院機構東京医療センター、駒沢オリンピック公園
- 桜新町:駒澤大学高等学校、長谷川町子美術館
- 用賀:世田谷区役所用賀出張所、砧公園、世田谷ビジネススクエア
以上の施設が立ち並んでいるため、田園都市線の鷺沼・長津田・中央林間方面からの通勤・通学需要やお出かけ需要に加えて、渋谷方面からの通勤・通学需要やお出かけ需要も十分に担保されています。
こういった沿線の特徴から、田園都市線のダイヤでは、平日朝ラッシュ時のみ、上下線とも急行を運行せず準急で統一して、最ピーク時間帯の分散乗車に努めていますが、一方で、急行のみの運行で準急の運行がない平日夕ラッシュ下りと、急行・準急を交互に運行している土休日の午前〜真昼間時間帯上りでは、現状ではどうしても混雑に偏りが出たり、乗客を捌ききれなくなってきているものと思われます。
こうした状況を改善すべく、今回の改正で準急に格下げし、併せて一部各停の桜新町急行待避を無くすことで、下りの場合どの列車も二子玉川・溝の口までは来た列車に乗ればいいし、上りでは二子玉川以西の駅では急行・準急停車駅は溝の口から、各停停車駅は宮前平から渋谷〜二子玉川間各駅へ乗り換えなしで1本で行けるようにしたと思われます(但し、大井町線直通急行を除く)。
また、渋谷と渋谷から先の半蔵門線方面〜二子玉川以東の準急停車駅へ利用される方も、急行が間に挟まることで列車の到着間隔が広がったり、次の列車を待たなければならないという面倒なこともなくなります。
長津田〜中央林間間の各駅はどうするのか?
渋谷〜二子玉川間各駅の利用が重視される改正となった上で、もう1つ忘れてはならないのが、田園都市線の末端区間、長津田〜中央林間間です。この区間は2019年10月1日のダイヤ改正により、急行と準急停車駅に大きな差が生まれ、
- 急行:途中、南町田グランベリーパークのみ停車
- 準急:各駅に停車化
と差別化が図られました。準急の各駅停車化により、一部の各停を長津田発着に短縮するといったテコ入れもされるようになりましたが、今回の改正で急行を準急に格下げされるとなると、この区間の運行本数はどうなってしまうのでしょうか?
こちらの区間には特に言及がなされていませんでしたが、単純に考えると、
急行を準急に格下げした本数分を、各停の一部を長津田発着に短縮する
ということになります。事実、田園都市線の末端区間は田園都市線内で1番利用者数が少ない区間となることと、長津田駅で急行と各停の緩急接続が日常的に行われているダイヤのため、これが準急に変わると、急行通過駅は準急でカバーできてしまうため、接続する各停がわざわざ中央林間まで顔を出す必要がなくなってしまうわけです。
例として、現在田園都市線の日中パターンダイヤは、
- 急行:中央林間〜半蔵門線直通 毎時3本
- 急行:中央林間〜大井町 毎時3本
- 準急:中央林間〜半蔵門線直通 毎時3本
- 各停:中央林間〜半蔵門線直通 毎時6本
この毎時15本のダイヤで構成していますが、土休日ダイヤ午前〜真昼間時間帯上りは改正後、
- 急行:中央林間〜大井町 毎時3本
- 準急:中央林間〜半蔵門線直通 毎時6本
- 各停:中央林間(?)〜半蔵門線直通 毎時6本
こういうダイヤになります。よって、各停を長津田発着にせず中央林間発着のままだと、急行通過駅のつくし野・すずかけ台・つきみ野の3駅<どの駅も1日平均輸送人員は1万人台>には、毎時12本の列車が発着することとなってしまい、明らかに供給過多となってしまいます(事実現状の毎時9本停車も過多ではあるのですが…)。
さすがにこの3駅に準急6本、各停6本の毎時12本停車はやりすぎだと思いますし、急行を準急に格下げする分の各停の半数を長津田始発にして毎時9本にするとは思います。
一方で、上りの一部を長津田始発に短縮するということは、下りの一部に長津田止まりの列車を設定する必要が出てきますが、下りは急行のまま運行される(はずな)ので、長津田以西の本数をどう調整するのかが気になります。末端区間のため、急行通過駅の停車本数は毎時9本から毎時6本に減便してもさほど影響は出ないと思われますが…
2.梶が谷駅衝突事故の影響による車両不足の影響で、朝ラッシュ時に減便
去る2025年10月5日に、梶が谷駅構内で中央林間方の引上線に停車していた東急5000系5101Fに、各停渋谷行きとして3番線に入線しようとしていた東急2020系2135Fが衝突してしまい、5101Fの一部車両が脱線してしまうという痛ましい事故が発生しました。


この事故の影響により、5101F、2135Fの2編成が損傷により営業運行から離脱し、未だに修理の上復帰する目処が立っていないことから、車両運用に余裕を持たせるべく、朝ラッシュ時間帯に減便と車両変更が行われます。主な減便や車両変更の列車は以下の通り。
①各停 長津田行き(10両編成)→各停 鷺沼行き(10両編成)
現行の渋谷7:58発各停長津田行き(押上始発)を、改正後は各停鷺沼行きに区間短縮を行います。鷺沼→長津田間は1本減便となります。
| 主要駅発着時刻 | 改正前(各停長津田行き) | 改正後(各停鷺沼行き) |
|---|---|---|
| 渋谷(発) | 7:58 | 7:58 |
| 三軒茶屋(発) | 8:03 | 8:03 |
| 二子玉川(発) | 8:14 | 8:13 |
| 溝の口(発) | 8:18 | 8:18 |
| 鷺沼(着) | 8:25 | 8:27※ |
| 長津田(着) | 8:45 | – |
※なお、改正後の鷺沼行きは、鷺沼駅3番線(渋谷方面行きホーム)に到着します(本来は1,2番線中央林間方面行きホームに停車)。その理由に関しては、以下の列車が大きく関係しています。
②急行 押上行き(10両編成)→急行 鷺沼行き(7両編成)
現行の長津田8:19始発、急行押上行きを、改正後は中央林間8:10始発急行鷺沼行きとして運転を行います。また、使用車両を従来の10両編成から、”大井町線直通急行用車両”を使用した7両編成に減車して運転します(※女性専用車両の設定はナシ)。
| 主要駅発着時刻 | 改正前(急行押上行き) | 改正後(急行鷺沼行き) |
|---|---|---|
| 中央林間(発) | – | 8:10 |
| 南町田グランベリーパーク(発) | – | 8:13 |
| 長津田(発) | 8:19 | 8:18 |
| 青葉台(発) | 8:22 | 8:22 |
| あざみ野(発) | 8:27 | 8:26 |
| たまプラーザ(発) | 8:30 | 8:28 |
| 鷺沼(着) | 8:32 | 8:31※ |
※なお、急行鷺沼行きは終点の鷺沼駅で、”鷺沼始発”の準急押上行き(仮)に接続します。その準急に関しては次に紹介する③の列車となります。
③急行 押上行き(10両編成)→準急 押上行き(仮)(10両編成)
これは②の続きになりますが、現行鷺沼8:32発の急行押上行きを、改正後は鷺沼8:33始発の準急押上行き(仮)として運転します。
| 主要駅発着時刻 | 改正前(急行押上行き) | 改正後(準急押上行き?) |
|---|---|---|
| 鷺沼(発) | 8:32 | 8:33 |
| 溝の口(発) | 8:38 | 8:38 |
| 二子玉川(発) | 8:42 | 8:41 |
| 三軒茶屋(発) | 8:50 | 8:53 |
| 渋谷(着) | 8:56 | 8:58 |
ちなみに、改正後の準急押上行き(仮)の鷺沼発車時刻と、①の改正後の各停鷺沼行きの鷺沼到着時刻及び到着番線を照らし合わせると、
“各停鷺沼行き→折り返し準急押上行き(仮)として運行する”
というロジックが完成することが明らかとなりました。そのため、②の急行鷺沼行きは4番線に到着することも明らかとなりました。
なお、準急押上行き(仮)としている理由は、急行を準急に格下げしている分桜新町駅での追い抜きができなくなるため、現行の各停押上行き(渋谷8:58着)のスジに改正後の準急が入るようになることから、押上行きになると予想していますが、正確な行先は明らかとなっていないため、敢えて(仮)としています。
朝ラッシュ見直しに対する私見
以上、衝突事故の影響による車両不足の応急措置として、朝ラッシュ時間帯の見直しが図られることとなりましたが、その中でも衝撃だったのが、
中央林間発急行鷺沼行き(7両編成)
でしょう。まず、“大井町線急行用車両が田園都市線内完結の運用に入ること”自体が、過去に前例のない前代未聞の出来事ですし、それ以上に利用者が特に気になる点とすれば、
朝ラッシュのピーク時間帯に”短い”7両編成の急行を走らせること
でしょう。首都圏でも屈指の混雑路線である田園都市線において、中央林間→鷺沼までとはいえ、従来よりも3両分少ない列車となると、当然混雑が更に激化しますし、乗り切れずに積み残ししてしまうのが1番の懸念材料でしょう。

ただ、田園都市線の車両事情を見る限り、
本当はやりたくないんだけど、やらざるを得ない状況
なんだろうなと思いますし、元のダイヤに戻すためにも、損傷した5101Fと2135Fの早期復帰が待たれるところです。
今回の衝突事故は全て“東急側”の責任なため、相互直通運転を行う東京メトロ半蔵門線の車両において、“18000系が全編成営業運転を開始しても、8000系は置き換えずに車両不足の補填に充てる“ことは、一見ありそうに見えてとても厳しいことなので、実現には至らないと思います(車両使用料云々ありますからね…)。
田園都市線ユーザーからしたら、車両は減るわ、乗り換えは増えるわでとばっちりを喰らう非常にイメージの悪い内容となってしまいましたが、とにかく一刻も早く車両不足問題が解決することを願うしかありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は東急田園都市線の2026年3月改正の内容を紹介しました!
主に急行の準急格下げ、事故による朝ラッシュの減便と、全体的には“マイナスのイメージ”しかない改正となってしまったことは否めません。
特に南町田グランベリーパークや中央林間〜渋谷以東各駅の急行利用者からすると、準急への格下げによって従来より6~7駅も停車駅が増えてしまい、日中時間帯の中央林間→渋谷間だと急行が約38分に対し、準急は約44分と大幅に鈍足化してしまうので、余計に遠く感じてしまうのも無理はありません。
しかし、渋谷〜二子玉川間の準急停車駅の利用者数が多いことと、急行への混雑集中や同区間の有効本数増加を踏まえると、多少やむを得ないところはあるのかなと思います。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!
