皆様、こんにちは。U5swです。
今回は2026年春ダイヤ改正関連から、近鉄大阪線のダイヤ改正に関して深掘りします!
改正のトピック
今改正のトピックは以下の通りです。
- 区間急行の新設と、日中時間帯パターンダイヤの一新
- 一部の特急が五位堂駅へ停車
- 大阪線以外の注目トピック
1.区間急行の新設と、日中時間帯パターンダイヤの一新
新設される区間急行の停車駅と他種別との比較
現行の近鉄大阪線の通勤型車両で運行される種別は、
快速急行、急行、準急、区間準急、普通
の5種別が運行されています。この5種別に加えて、2026年春改正より、
区間急行
が新たに運行されるようになります。運行区間は大阪上本町〜青山町間であり、停車駅は、
大阪上本町、鶴橋、布施、八尾、河内山本、高安、河内国分、五位堂、大和高田、大和八木、桜井〜青山町間の各駅
となっており、急行の停車駅に八尾、河内山本、高安の3駅を加えたものとなっています。すなわち、大阪上本町〜河内国分間は準急と同じ停車駅、河内国分〜青山町間は急行と同じ停車駅です。
ここ最近になって、大阪線の方向幕を搭載している車両に、区間急行の幕が追加されているという目撃情報があり、ダイヤ改正で新たに登場することはほぼ確定しており、気になるのはその停車駅がどうなるかが予想されていましたが、結果的に大阪側が準急化する急行となりました。
区間急行の新設と、新たな日中パターンダイヤ
この区間急行の新設に伴い、日中時間帯のパターンダイヤに大きなテコ入れが行われます。
現行ダイヤとダイヤ改正後の陣容は以下の通り。
- 現行ダイヤ
- 急行 大阪上本町〜名張、青山町、伊勢中川間:毎時3本
- 区間準急 大阪上本町〜五位堂、大和朝倉間:毎時3本
- 普通 大阪上本町〜高安、五位堂、大和朝倉間:毎時5本
- ダイヤ改正後
- 区間急行 大阪上本町〜榛原、名張間:毎時4本
- 普通 大阪上本町〜大和朝倉間:毎時4本
なんと、急行はおろか、区間準急まで運行を取り止め、新設された区間急行と普通のみの2種別で統一、併せて両種別を“毎時4本で統一、概ね15分ヘッド”での運行に一新し、大阪線全体でわかりやすいパターンダイヤにします。


11~14時台の大阪上本町駅(名張方面)と、八尾駅(大阪上本町行き)の現行ダイヤと改正後の比較は以下の通り。
こうしてみると、主要駅での発着本数が減少しましたが、区間急行も普通も概ね15分ヘッドになった分、間隔がほぼ均等化されわかりやすくなったと思います。
ここからは、各区間、各駅ごとの本数の増減を確認していきましょう。
各区間の本数の増減
大阪上本町、鶴橋、布施
- 現行ダイヤ<毎時11本>
- 急行 毎時3本
- 区間準急 毎時3本
- 普通 毎時5本
- ダイヤ改正後<毎時8本(-3本)>
- 区間急行 毎時4本
- 普通 毎時4本
大阪の主要ターミナルである3駅は、優等列車も普通列車も共に減便されていることから、毎時3本減便となっていますが、区間急行新設による優等種別の最適化、および等間隔運行化によって、運行がスリムになったと捉えてもいいでしょう。
鶴橋〜八尾間の普通のみ停車駅
- 現行ダイヤ<毎時5本>
- 普通 毎時5本
- ダイヤ改正後<毎時4本(-1本)※>
- 普通 毎時4本
普通のみの停車駅は、毎時1本減便となっていますが、概ね15分に1本運行されるため、時刻はわかりやすくなるでしょう。
※なお、改正後の八尾駅時刻表を見てみると、14時台の大阪上本町行き普通の本数が、毎時4本から毎時6本に増発されていることがわかります。これは、普通しか停車しないものの、1日平均乗降人員が27,692人(2024年調査時)と多い長瀬駅の存在が大きく、付近に近畿大学東大阪キャンパスが立地していることもあり、学生の帰宅時間帯に合わせて大阪上本町行き普通(おそらく高安始発)を増発して混雑緩和を図るように工夫されています。
八尾、河内山本、高安
- 現行ダイヤ<毎時8本>
- 区間準急 毎時3本
- 普通 毎時5本
- ダイヤ改正後<毎時8本(±0本)※>
- 区間急行 毎時4本
- 普通 毎時4本
区間準急が取り止めとなる代わりに区間急行が設定され、優等列車は毎時1本増、普通列車は毎時1本減という形になりました。大阪上本町方面は勿論、大和八木方面の速達性も大幅に向上したため、今回のダイヤ改正で1番恩恵を受けた3駅と言えるでしょう。
なお、八尾駅の時刻表を見ると、概ね7~8分に1本のペースで大阪上本町行きが発車するダイヤとなっており、普通が弥刀駅で後続の区間急行に追い抜かれることなく大阪上本町駅まで逃げ切るダイヤとなっているため、布施・鶴橋・大阪上本町への有効本数は毎時8本確保されています。よって、急行の区間急行によって鈍足化、および追加停車する3駅分の乗客によって、中距離・遠距離利用者が区間急行の利用に集中しない工夫がされています。
河内国分、五位堂
- 現行ダイヤ<毎時7本>
- 急行 毎時3本
- 各駅停車(区間準急,普通) 毎時4本
- ダイヤ改正後<毎時8本(+1本)>
- 区間急行 毎時4本
- 各駅停車(普通) 毎時4本
優等列車が毎時1本増発される分、全体的に毎時1本増発となります。また、改正後は河内国分駅で全ての区間急行と普通が緩急接続を行うようになるため、わかりやすくなるでしょう。
高安〜五位堂間の各駅停車のみ停車駅
- 現行ダイヤ<毎時4本>
- 各駅停車(区間準急or普通) 毎時4本
- ダイヤ改正後<毎時4本(±0本)>
- 各駅停車(普通) 毎時4本
停車本数は従来通り毎時4本となりますが、現行ダイヤの区間準急が概ね20分ヘッドで、特に間隔が大きく開く箇所に普通が入る形となったため、間隔に偏りが見られます。対して、改正後は全て普通となるため、概ね15分ヘッドの均等化されたダイヤとなるため、使いやすくなるでしょう。
大和高田、大和八木、桜井、大和朝倉
- 現行ダイヤ<毎時6本>
- 急行 毎時3本
- 各駅停車(区間準急or普通) 毎時3本
- ダイヤ改正後<毎時8本(+2本)>
- 区間急行 毎時4本
- 各駅停車(普通) 毎時4本
優等列車、各駅停車共に毎時1本増発となるため、利便性は大幅に向上すると言えるでしょう。
なお、改正後は大和八木駅で全ての区間急行と普通が緩急接続を行うようになります。
五位堂〜大和朝倉間の各駅停車のみ停車駅
- 現行ダイヤ<毎時3本>
- 各駅停車(区間準急or普通) 毎時3本
- ダイヤ改正後<毎時4本(+1本)>
- 各駅停車(普通) 毎時4本
各駅停車が毎時1本増発となるため、利便性は向上と言えるでしょう。
長谷寺、榛原
- 現行ダイヤ<毎時3本>
- 急行 毎時3本
- ダイヤ改正後<毎時4本(+1本)>
- 区間急行 毎時4本
急行改め区間急行が毎時1本増発となるため、利便性は向上と言えるでしょう。
榛原〜名張間各駅
- 現行ダイヤ<毎時3本>
- 急行 毎時3本
- ダイヤ改正後<毎時2本(-1本)>
- 区間急行 毎時2本
改正後は区間急行の内毎時2本が榛原折り返しとなってしまうため、毎時1本減便となってしまい、利便性は低下と言えるでしょう。
名張〜青山町間各駅
- 現行ダイヤ<毎時2本>
- 急行 毎時2本
- ダイヤ改正後
- 平日<毎時1~2本>
- 急行 毎時0~1本<2時間に1本運行>
- 普通 毎時1本
- 土休日<毎時1本>
- 急行 毎時1本
- 平日<毎時1~2本>
名張以東の区間はとても厳しい状況となりました。まず、平日ダイヤに関しては、急行の減便はおろか、一部時間帯は運行しないという状況になってしまいました。代替として東青山〜伊勢中川間の普通を名張まで延長運行することとなります。
但し、基本6両(一部4両)編成で運行される急行毎時2本の状態から、急行自体は2時間に1本と1/4の割合に減便、延長される普通は2両編成でしか運行できないため、本数も輸送力も大きく落ちてしまうこととなります。
土休日ダイヤも急行が半減してしまい、毎時1本しか来ないという状況となってしまいます。
この区間の日中時間帯の利用があまり芳しくないが故の大減便と推察していますが、特に一部の特急列車すら停車しない桔梗が丘、美旗、青山町の3駅からすると、改悪レベルと言っても過言ではないでしょう。
また、名張駅以西は区間急行、名張駅以東は急行となっているため、名張駅で運行系統が完全に分断という予想がなされていますが、線路容量や車両運用の関係から、名張駅を基準に区間急行↔︎急行と種別行先を変更し、通しで運行する(通称:化け運用)形態を取るものと思われます。
青山町〜伊勢中川間各駅
- 現行ダイヤ<毎時1~2本>
- 急行 毎時1本
- 普通 毎時1本(東青山〜伊勢中川間)
- ダイヤ改正後
- 平日<毎時1~2本>
- 急行 毎時0~1本<2時間に1本運行>
- 普通 毎時1本(名張〜伊勢中川間)
- 土休日<毎時1~2本>
- 急行 毎時1本
- 普通 毎時1本(東青山〜伊勢中川間)
- 平日<毎時1~2本>
利用者が最も少ない大阪線末端区間は、平日ダイヤに関しては急行の隔時間運行化と普通の延長運行により、一部時間帯は青山町〜東青山間で増発となります。土休日ダイヤに関しては現状維持です。
各区間ごとに伴う明暗まとめ
今回の改正で明暗がはっきり分かれましたが、個人的な印象も含めてまとめると以下のようになります。
- 超ポジティブ→八尾、河内山本、高安
- ポジティブ→高安〜大和朝倉間各駅
- 少しポジティブ→河内国分、五位堂、大和高田、大和八木、桜井〜榛原間各駅
- ネガティブと見せかけて現状維持→鶴橋〜八尾間の普通のみ停車駅
- 少しネガティブ→大阪上本町、鶴橋、布施・青山町〜伊勢中川間
- ネガティブ→榛原〜名張間各駅
- 超ネガティブ→名張〜青山町間各駅
急行の区間急行化によって八尾、河内山本、高安の3駅が1番恩恵を受け、全体的に増発となった高安〜大和朝倉・榛原間も恩恵を受けたと言っていいでしょう。但し、格下げによる所要時間増の影響を受ける河内国分以東の急行停車駅は少し恩恵を受けたという評価です。
普通のみ停車駅は減便でネガティブと見せかけて、通学時間帯に応じた増発が考慮されているため現状維持としています。
大阪主要ターミナル3駅は減便本数が多いですが、間隔が均等化されたため、影響は小さめと見ています。一方で減便となった榛原以東はネガティブ、特に名張〜青山町間は非常にネガティブと見ました。
以上が大阪線一般列車の総括となります。
五位堂駅に特急が停車化

これまで、特急列車の恩恵が全くなかった五位堂駅に、朝夕時間帯を中心に一部特急列車が停車するようになります。
朝時間帯の大阪方面行き特急と、夕方時間帯の大阪方面からの特急が対象となります。
- 平日(五位堂→大阪方面):7本<五位堂発時刻>
- 6:22 大阪難波行き
- 6:47 大阪上本町行き
- 7:04 大阪上本町行き
- 7:34 大阪上本町行き
- 8:15 大阪上本町行き
- 8:58 大阪難波行き
- 9:50 大阪上本町行き
- 平日(大阪方面→五位堂):10本<鶴橋発時刻>
- 17:48
- 18:48
- 19:48
- 20:16
- 20:56
- 21:16
- 21:56
- 22:16
- 22:36
- 23:16
- 土休日(五位堂→大阪方面):8本<五位堂発時刻>
- 6:23 大阪難波行き
- 6:49 大阪上本町行き
- 7:10 大阪上本町行き
- 7:35 大阪上本町行き
- 8:11 大阪上本町行き
- 8:58 大阪上本町行き
- 9:47 大阪上本町行き
- 10:57 大阪難波行き
- 土休日(大阪方面→五位堂):9本<鶴橋発時刻>
- 17:48
- 18:48
- 19:48
- 20:16
- 20:55
- 21:16
- 21:55
- 22:35
- 23:15
五位堂駅の特急停車化はダイヤ改正前より香芝市からお知らせが出ており、地方自治体からの請願によって実現に至りました。近年、特急誘導による快適な通勤通学や客単価の向上の傾向が出ていますが、この対象が五位堂駅にまで拡大したものと思われます。
ここで気になるのは、今回の特急五位堂駅停車化により、鶴橋〜五位堂間ノンストップの快速急行の扱いがどうなるかということです。停車駅が変わらないこと、特急に誘導したいことからも、一部の快速急行が急行や区間急行に格下げされる可能性が濃厚です。

ただ、今改正で快速急行自体の廃止はないことと、一般列車で唯一8両編成で運行できる種別でもあるため、一部格下げはあれど細々と生き残り続けるでしょう。
3.大阪線以外の注目トピック
ここからは大阪線以外で気になる改正内容をピックアップします。
“天理発”、”郡山停車”の大阪難波行き特急が爆誕
大阪線関連以外で衝撃を受けた改正内容がこちら。平日ダイヤで現行大和西大寺7:09始発の大阪難波行き特急を、天理→大和西大寺間を延長運行する形で、天理6:49始発の大阪難波行き特急として運行します。また、郡山駅にも停車(7:00発)し、天理・郡山から大阪方面への通勤通学の利便性向上を図ります。
これまで、天理線を走行する特急列車は、毎月25日の天理教関連で臨時特急(天理臨)が運行されるのみで、定期特急の運行はありませんでしたが、まさかの天理発の定期特急の設定に皆様衝撃を受けたことでしょう。
今回天理発、郡山停車の特急が設定された理由としては、
競合するJR大和路線の存在
が考えられます。
阪奈間の競合路線としてJR大和路線がありますが、近鉄郡山駅の少し離れた場所にJR郡山駅が位置しており、JR大和路線では快速列車に座席指定サービス”うれしート”を設定されたり、通勤特急らくラクやまと号が設定されたりと、着席保証サービスが着々と整備されています。
一方で近鉄郡山駅には特急列車が停車せず、一般列車も基本的に京都方面への直通で、大阪方面へは大和西大寺駅での乗り換えがほぼ必須となっており、大阪方面のアクセスはJR優位となっていました。
その対抗策として、郡山停車の大阪難波行き特急を設定、併せて天理→大阪方面へはJRルートだと遠回りになってしまうため、天理発の特急列車を設定し、近鉄経由へのシフトを図ったものと思われます。
ちなみに、現行の大和西大寺7:09始発の大阪難波行き特急は、一般の汎用型特急車両ではなく、主に名阪甲特急用車両の80000系「ひのとり」での運行となっていますが、改正後はひのとり車両の天理線・橿原線定期乗り入れが実現するのでしょうか…?

奈良発着の特急が増発へ。
大阪難波〜奈良間を運行する“阪奈特急”と、京都〜奈良間を運行する“京奈特急”が共に増発となります。
阪奈特急は平日6本、土休日4本増発、京奈特急は平日4本、土休日2本増発されます。
阪奈特急は午前時間帯に大阪難波発奈良行き、午後時間帯に奈良発大阪難波行きが増発されることから、主に大阪方面からの奈良観光アクセスを強化するためと考えられます。
京奈特急は平日に午前・午後時間帯に1往復ずつ、土休日に午前時間帯に1往復の増発から、京都方面からの奈良観光アクセス、および奈良方面からの京都観光アクセス双方の強化を行うものと考えられます。
まとめ: 賛否両論あれど、どちらかといえばポジティブ寄り
いかがでしたでしょうか?
今回は2026年ダイヤ改正関連から、主に近鉄大阪線を紹介しました!
区間急行新設とパターンダイヤ一新により、区間によって賛否両論分かれていますが、個人的には等間隔運行化によってわかりやすくなった分ポジティブ寄りで見ています。
大阪線の大改革がどのようになるのか、注目していきましょう!
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました!
参考文献
近鉄ダイヤ変更プレスリリース


