皆様、こんにちは!U5swです。
今回は、2022年ダイヤ改正関連より、JR西日本の広島地区の2022年ダイヤ改正に関してまとめていきます!
まずは、山陽新幹線に関して、広島駅発着を中心にまとめていきます。
東京を19:30に出発する「のぞみ107号」は、ここまで岡山止まりとなっており、多客期に臨時で広島まで延長運転を行なっていました。
今回、この107号が、改正後広島まで定期運行を行うことが決定しました!
これにより、1本前の105号(改正後は103号、東京19:09発)と1本後の最終109号(東京20:00発<改正後>)と合わせて、広島駅を23時台に到着する「のぞみ号」が3本に増えます(改正後の105号は岡山止まり)。
改正前の105号と109号に関しては、約40分空いていることもあり、特に広島に帰る方からすると非常に利用しにくく、加えて昨年のダイヤ改正において、呉線と可部線の最終列車が繰り上げられ、109号から乗り継ぐことができなくなってしまっていました。
今回の107号の広島延長により、首都圏や中京圏、関西圏から広島に帰る方の滞在時間に自由度が広がります。
私自身も広島在住時代に、107号が岡山止まりであったことから、109号までの待ち時間が長く不便だと感じていたので、この改正は朗報と言えますね。
①で述べた107号の延長運転、および速達化に伴う時間の調整の結果、109号の時刻が以下のように変化します。
駅名 | 改正前 | 改正後 | 繰り上げ時分 |
---|---|---|---|
東京発 | 19:51 | 20:00 | 9分 |
名古屋発 | 21:33 | 21:39 | 6分 |
京都発 | 22:07 | 22:14 | 7分 |
新大阪発 | 22:23 | 22:29 | 6分 |
岡山発 | 23:12 | 23:14 | 2分 |
福山着 | 23:28 | 23:30 | 2分 |
広島着 | 23:52 | 23:54 | 2分 |
なお、改正後の109号に関しては、姫路駅を通過するようになります。代わりに、107号が姫路駅に停車しています(福山駅は通過)。そのため、新大阪→岡山間の繰り上げ時分が少なくなっています。
停車駅変更の効果もあり、東京駅を20時に出発しても広島駅に帰ることができるようになります。
①、②の変更を受けて、広島駅で接続する在来線の出発時刻にも変化が生じます。以下にそのまとめを記します。
これにより、呉線の終電が11分繰り下がり、107号から乗り継ぐことが可能となります。また、可部線の終電も107号から乗り継ぐことが可能となり、両者とも25分遅く滞在できます。
昨年両路線は終電が繰り上がり、最終の109号から乗り継ぐことができなくなるという改悪事例が発生しただけに、今回107号を延長させる形で最低限改善したのは好材料と言えるでしょう。
昨今の情勢を踏まえて、一部列車を臨時列車化したり、運転を取りやめます。対象列車は以下の通り。
615号(広島21:20発):鹿児島中央行き→熊本行き(利用状況に合わせて短縮)
以下の列車を臨時列車化します。
以下の列車に関して、下記の運転区間で運転を取りやめます。
これにより、東京発広島行き、かつ京都から広島まで全駅停車するひかり号と、博多行き唯一のひかりレールスター号がなくなります。
以下の列車に関して、下記の運転区間で運転を取りやめます。
※この他、こだま783号(新下関8:16発→博多8:42着)も運転取りやめ。
また、こだま871号(新大阪19:29発→広島22:10着)に関しては、広島→博多間を延長運行します。(改正後は、こだま867号として運行。広島22:11着、22:12発→博多23:39着)
山陽線内では、福山〜徳山間の運行に限定されていた広島地区の新型車両227系「レッドウイング」ですが、今回の改正で新たに徳山〜新山口間でも運行を開始することとなりました。
これまで末期色の国鉄型車両がほとんどだった山口県中部にも、遂にJR車が乗り入れることとなります。
徳山〜新山口間を新たにレッドウイングで走る列車は以下の通り。
ここからは私見ですが、まさかこのタイミングで新山口駅まで乗り入れるとは想定外でした。山陽線の三原〜岩国間、および呉線と可部線の全線において全列車がレッドウイングでの運行となっているため、この区間以外での運用は、広島地区での増発や編成両数問題から、一旦削減される傾向にありました。
事実として、2020年ダイヤ改正前は、日中時間帯に岩国〜徳山間をレッドウイングで運行する運用がありましたが、快速シティライナーの復活や広島地区での増発対応により、なくなることとなりました。
しかし、昨今の情勢から広島地区でも減便や運行区間短縮が目立ったことから、車両数や運用数に余裕が生じたため、今回新山口駅までの乗り入れが実現できたのではないかと考えています。
広島地区は全てレッドウイングに統一された一方で、山口地区では未だ国鉄車がほとんどを占めています。今後の動向次第では、山口地区で活躍する車両にも徐々に変化が現れるのではないでしょうか?
平日の朝夕ラッシュ時における可部線の列車を、以下の時間帯において全て4両編成で運行します。
なお、運転本数と行き先は従来通りとなります。
可部線に関しては、以前の記事でも紹介した通り、”JR西日本の中で最も混雑する路線”であるため、今回の編成増強は混雑率緩和に向けての最低限の措置とも言えます。
可部線の夕方時間帯は、あき亀山発着と緑井発着が1時間あたり4,5本で交互に運行されるダイヤとなっています。
しかし、改正後は広島駅を16~19時に発車する全ての列車をあき亀山発着とし、どの時間帯も概ね20分ヘッドの毎時3本運行へと変わります。
これにより、広島〜緑井間では減便となるのに対し、緑井〜あき亀山間では増便となります。
呉線の広島〜広間では、日中時間帯に快速安芸路ライナーが毎時2本(30分ヘッド)、普通が毎時1本(60分ヘッド)で運行されています。
今回の改正で、普通の運行区間の内、呉〜広間の運行を取りやめ、広島〜呉間のみの運行となります。
呉〜広間は快速安芸路ライナーのみの運行となりますが、同区間は各駅に停車しているため、どの駅でも毎時2本の停車本数が確保されます。
この普通ですが、広行きに関しては、途中の呉駅で後続の快速安芸路ライナーを待ち合わせるため、10分以上の長時間停車を行なっています。しかし、先述の通り、呉〜広間は快速も普通も同じ停車駅のため、緩急接続の意味合いは持っていなく、ダイヤの迷ポイントとなっていました。
利用状況を鑑みた今回の見直しで呉発着に見直され、この迷ポイントは解消される見込みです。
利用状況に合わせて、以下の列車が見直されます。
運転日 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
平日下り | 快速通勤ライナー(白市7:02→広島7:44) 普通(西条7:16→広島7:58) | 普通(白市7:06→広島7:58) |
普通(広7:12→岩国8:50) | 普通(広7:12→五日市8:15) | |
普通(西条8:12→南岩国9:49) | 普通(西条8:12→岩国9:43) | |
土休日下り | 普通(糸崎7:18→南岩国9:44) | 普通(糸崎7:18→岩国9:43) |
平日上り | 普通(由宇7:04→広島8:22) | 普通(岩国7:28→広島8:22) |
快速通勤ライナー(南岩国7:48→広島8:41) | 普通(五日市8:21→広島8:41) | |
普通(岩国7:45→糸崎10:07) | 普通(南岩国7:47→糸崎10:08) |
運転日 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
平日下り | 普通(糸崎17:22→五日市19:02) | 普通(糸崎17:22→広島18:43) |
普通(坂18:44→五日市19:20) | 普通(坂18:44→広島19:02) | |
普通(白市19:54→岩国21:34) | 普通(白市19:57→五日市20:57) | |
普通(白市20:32→岩国22:09) | 普通(白市20:29→五日市21:35) | |
全日下り | 普通(広島22:04→岩国22:53) | 普通(瀬野21:40→岩国22:53) |
平日上り | 普通(五日市19:09→糸崎22:10) | 普通(広島19:30→糸崎22:10) |
普通(五日市19:32→広島19:50) | ※運転取りやめ | |
普通(広島21:45→安浦23:00) | 普通(五日市21:06→広島23:00) | |
全日上り | 普通(岩国<平日>20:06,<土休日>20:04→西条21:44) | 普通(岩国20:06→瀬野21:26) |
個人的に気になった点としては、
と言ったところでしょうか。
海田市駅での山陽線⇄呉線の接続、横川駅での可部線→山陽線の接続を改善し、利便性を向上します。詳細は以下の通り。
2022年3月12日のダイヤ改正と同時に、山陽線の南岩国〜徳山間でICOCAを始めとした全国共通ICカードが利用可能となります。同時に、ICOCA定期券やICOCAのポイントサービスも利用することができます。
ICカードを利用できる区間が広がり、ますます活用しやすくなりますが、ここで疑問となるのが、岩国〜櫛ヶ浜、徳山間で並行して走る「岩徳線」は、ICカード非対応となっています。仮に岩国〜徳山間を通過利用するとして、ICカードのまま岩徳線を利用することができるのでしょうか?
事実、山陽線は岩徳線よりも遠回りなルートを通っていますが、運賃は通過利用に限り岩徳線経由で換算されるため、問題は少ないです。しかし、ICカードを利用できない区間でも通過利用を容認するのか? ここに関しては特に言及されていないので疑問です。
対策としては、岩国駅に乗り換え改札を設置して、不正利用のないようにするのが最善策です。これは、岩国駅は岩徳線と山陽線でホームが完全に分かれていることで実現可能と考えているからです。
2022年2月に発表されたプレスリリースによると、来年の2023年春に、山陽線の徳山〜下関間でも全国共通ICカードが利用可能となるようです。これにより、山陽線の全ての区間においてICカードが利用可能となります。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220209_01_icoca.pdf
なお、下関駅に関しては、JR九州の「SUGOCA」のエリア内となっており、来年春の拡大によって遂に「ICOCA」と「SUGOCA」のエリアが繋がることとなります。ただし、下関駅を境に会社が変わるため、通過利用ができる可能性は低いと思われます。
実際に、JR西日本とJR東海の境界駅である米原駅は、近年JR東海のICカード「TOICA」のエリアに米原駅が加わりましたが、米原駅を介しての通過利用はできなくなっています。このような対応を今後下関駅でも行うのかは注目ですね。
さらに、山口線の湯田温泉駅と山口駅の2駅においても、ICOCAのきっぷ機能に限り対応するとのことです。
長年ICカードの恩恵を十分に受けられていなかった山口地区の山陽線において、念願の全線ICカード対応となります。
いかがでしたでしょうか?
今回は2022年3月のダイヤ改正関連から、JR西日本の広島地区の改正概要を説明しました!
のぞみ号の延長に伴う帰宅時間帯のアクセス向上や接続改善によって、メリットの部分が増えた一方で、利用状況を鑑みたテコ入れが未だに続いています。
今後の情勢も踏まえて、広島地区のJRがどのようになっていくのか、引き続き注目して行こうと思います。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきましてありがとうございました!