皆様、こんにちは。U5swです。
今回は、都心を走る主要路線が、減便によって5分ヘッドになってしまっている理由を紹介します。
5分ヘッドとは?
まず、5分ヘッドについて説明します。大半の鉄道路線は、利用客に時刻表をわかりやすく覚えることができるよう、等間隔でのパターンダイヤを採用しています。5分ヘッドの場合、その路線の列車が5分の等間隔を保ちながら運行するパターンダイヤであり、10分間に2本、30分間に6本、1時間に12本の列車を運行することとなります。
例えば、埼玉県の大宮駅と神奈川県の横浜駅を結ぶ京浜東北線では、日中時間帯は以下の区間でパターンダイヤを構成しています。
- 大宮〜南浦和間:10分ヘッド(1時間に6本)
- 南浦和〜蒲田間:5分ヘッド(1時間に12本)
- 蒲田〜横浜間:10分ヘッドと5分ヘッド<列車①-10分-列車②-5分-列車③の変則パターンダイヤ>(1時間に9本)
また、基本的にパターンダイヤは、1時間=60分(または2時間=120分)を基準に定められており、等間隔の数字は60or120の約数を中心に定められています。主な等間隔ダイヤは以下の通り。
- 3分ヘッド(1時間に20本)
- 4分ヘッド(1時間に15本)
- 5分ヘッド(1時間に12本)
- 6分ヘッド(1時間に10本)
- 7.5分ヘッド(1時間に8本)
- 10分ヘッド(1時間に6本)
- 12分ヘッド(1時間に5本)
- 15分ヘッド(1時間に4本)
- 20分ヘッド(1時間に3本)
- 30分ヘッド(1時間に2本)
- 40分ヘッド(1時間に1-2本、2時間に3本)
- 60分ヘッド(1時間に1本)
- 120分ヘッド(2時間に1本)
今年、都心を走る主要路線が続々と5分ヘッドへ!
さて、5分ヘッドの話に戻しますが、2022年に入り、都心を走る主要路線が、減便によって日中時間帯の運行間隔が5分ヘッド(1時間に12本)に見直されています。近年の新型感染症の流行に伴う鉄道需要の低下から、全国的に減便や見直しが相次いでいますが、都心の鉄道ネットワークの中心となる路線にも、その対象となっています。
今回、その対象路線は以下の3路線となります。
- JR山手線
- 東京メトロ銀座線
- 東京メトロ丸ノ内線(中野坂上〜池袋間)
その内、JR山手線では、2022年3月12日のダイヤ改正で、東京メトロ銀座線と丸ノ内線は2022年8月27日のダイヤ改正で、いずれも日中時間帯に5分ヘッドに見直されました。改正前は、
- JR山手線:1時間あたり16-17本(3-4分ヘッド)
- 東京メトロ銀座線:1時間あたり18本(3-4分ヘッド)
- 東京メトロ丸ノ内線:1時間あたり13本(荻窪〜中野坂上間は1時間あたり11本で、改正後は10本に減便)
JR東日本、東京メトロのダイヤ改正プレスリリースはこちら。
❶JR東日本2022年春ダイヤ改正<※山手線に関しては、日中帯の運転本数を見直すとしか明記されていない>
https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211217_ho01.pdf
❷東京メトロ2022年8月ダイヤ改正
https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews220707_2.pdf
減便の理由は利用者が少なくなったから? これ以外にも考えられる理由を挙げてみた。
さて、上記の3路線が5分ヘッドへの見直しの対象となったわけですが、今回の改正は単純に新型感染症による利用者減で需要が低くなったから減便したのでしょうか?
個人的には、需要減による見直しが理由の大半だと思っていますが、もう1つ別の理由もあると考えられます。それが、
「対面接続を行う他路線との乗り継ぎを改善するため」
という理由です。
次に、上記の3路線と、それぞれが対面接続を行う対象の路線と駅を紹介します。
JR山手線<JR京浜東北線(田端〜田町間各駅)>:11~15時台
東京、上野、池袋、新宿、渋谷、品川と都心のターミナルを結ぶ環状線で、首都圏に住んでいる方なら誰しもが利用したことのあるJR山手線。2020年には高輪ゲートウェイ駅が開業したことでも話題になりました。
首都圏の最中心路線であることから、かつてはラッシュ時を中心に混雑が激しく、日中時間帯でも高頻度運行を行なっており、以前はラッシュ時の混雑対策から、一部車両に片側6つの扉を持ち、折り畳みの座席を採用する車両が活躍していました。
しかし、年々山手線を並行して走る路線が新たに開業し、山手線内の混雑が緩和されています。その代表例として、
- 埼京線、湘南新宿ライン(大崎〜池袋間、線路は山手貨物線を使用)
- 東京メトロ副都心線(渋谷〜池袋間)
- 上野東京ライン<東海道線、常磐線>(品川〜上野、日暮里間)
が挙げられます。よって、山手線の列車本数は減少傾向にあり、最近車両をE231系からE235系に置き換える際、全体の編成数52編成から50編成に減少しているのもこの効果が大きいでしょう。
これに加え、新型感染症による需要減から、2022年3月に日中時間帯の山手線が5分ヘッドになるまで減便がなされましたが、この理由として、需要減の他に、田端〜田町間の各駅で並走する京浜東北線の存在があります(厳密には田端〜品川間で並走しているが、田町〜品川間は路線別になるため対象外)。
5分ヘッドの説明の例にも挙げましたが、京浜東北線は南浦和〜蒲田間を5分ヘッドで運行しており、山手線と並行する区間も5分ヘッドで運行しています。よって、日中時間帯は山手線も京浜東北線も同じ5分ヘッドになることから、山手線⇄京浜東北線で乗り継ぎを行う際、どの列車でも等間隔で乗り継ぎを行うことができます。
また、京浜東北線の日中時間帯は田端〜田町間で快速運転を行なっており、快速が通過する西日暮里、日暮里、鶯谷、御徒町(平日のみ通過)、有楽町、新橋の各駅へは、並行する山手線に乗り換える必要があります。
ここで、山手線と京浜東北線の乗り継ぎ時間を表にまとめます。
駅名 | 山手線外回り時刻表 (1時間あたり) | 京浜東北線南行時刻表 (1時間あたり) | 山手線→京浜東北線 乗り継ぎ時間 | 京浜東北線→山手線 乗り継ぎ時間 |
---|---|---|---|---|
田端 | 3,8,13,18,23,28 33,38,43,48,53,58 | 4,9,14,19,24,29 34,39,44,49,54,59 | 1分 | 4分 |
上野 | 1,6,11,16,21,26 31,36,41,46,51,56 | 3,8,13,18,23,28 33,38,43,48,53,58 | 2分 | 3分 |
東京 | 3,8,13,18,23,28 33,38,43,48,53,58 | 0,5,10,15,20,25 30,35,40,45,50,55 | 2分 | 3分 |
田町 | 2,7,12,17,22,27 32,37,42,47,52,57 | 2,7,12,17,22,27 32,37,42,47,52,57 | 0分 | 0分 |
まず、山手線外回りと京浜東北線南行の時刻表と乗り継ぎ時間をまとめました。
ここで、田端→田町間のそれぞれの所要時間は、
- 山手線外回り:24分
- 京浜東北線<快速>南行:18分
と、両者で6分の所要時間の差があります。
よって、上記の表から読み取れることとして、
- 池袋方面から乗車した山手線外回りの電車を田端駅で下車し、京浜東北線南行の快速電車に乗り継ぐと、上野、秋葉原、神田、東京、浜松町〜品川の各駅に早く到着できる
- 池袋方面から乗車した山手線外回りの電車を田端駅で下車し、京浜東北線南行の快速電車に乗り継ぐと、田町駅(浜松町駅でも可)で1本前の外回りの電車に追いついて乗り継ぐことが可能<※但し、いずれかの路線に遅延が発生していた場合、接続を取らないこともあるので注意>
ということが分かります。
駅名 | 山手線内回り時刻表 (1時間あたり) | 京浜東北線北行時刻表 (1時間あたり) | 山手線→京浜東北線 乗り継ぎ待ち時間 | 京浜東北線→山手線 乗り継ぎ待ち時間 |
---|---|---|---|---|
田町 | 0,5,10,15,20,25 30,35,40,45,50,55 | 0,5,10,15,20,25 30,35,40,45,50,55 | 0分 | 0分 |
東京 | 4,9,14,19,24,29 34,39,44,49,54,59 | 2,7,12,17,22,27 32,37,42,47,52,57 | 3分 | 2分 |
上野 | 1,6,11,16,21,26 31,36,41,46,51,56 | 4,9,14,19,24,29 34,39,44,49,54,59 | 3分 | 2分 |
田町 | 4,9,14,19,24,29 34,39,44,49,54,59 | 4,9,14,19,24,29 34,39,44,49,54,59 | 0分 | 0分 |
次に、山手線内回りと京浜東北線北行の時刻表と乗り継ぎ時間をまとめました。
ここで、田町→田端間のそれぞれの所要時間は、
- 山手線内回り:24分
- 京浜東北線<快速>北行:19分
と、両者で5分の所要時間の差があります。
よって、上記の表から読み取れることとして、
- 大崎方面から乗車した山手線内回りの電車を田町駅or浜松町駅で下車し、京浜東北線北行の快速電車に乗り継ぐと、東京、神田、秋葉原、上野、田端へ早く到着できる
- 蒲田方面から乗車した京浜東北線北行の電車を田町駅or浜松町駅で下車し、山手線内回りの電車に乗り継ぐと、快速通過駅へスムーズにアクセスできる
- 大崎方面から乗車した山手線内回りの電車を田町駅(浜松町駅でも可)で下車し、京浜東北線北行の快速電車に乗り継ぐと、田端駅で1本前の内回りの電車に追いついて乗り継ぐことが可能<※但し、いずれかの路線に遅延が発生していた場合、接続を取らないこともあるので注意>
ということが分かります。
これが両方向ともいずれの電車で利用することができ、乗り継ぎチャンスは毎時12回確保されていることから、快速停車駅への速達性、および快速通過駅へのアクセスの両立がうまく行っていることが確認できます。
以上より、先述した山手線に並行して走る路線が続々と開業したことによって、山手線の混雑緩和をアシストしていることもあり、今回の減便による適正化に加えて、並行して走る京浜東北線との接続の間隔を統一して、利用者に理解しやすくしていることが分かります。
これまで山手線を利用している方からすると、「山手線は待たずにすぐ電車に乗れる路線」というイメージが付いていることもあり、5分間待たないと行けなくなったことに対しデメリットを感じる方がほとんどだと思います。しかし、対面接続が可能な京浜東北線との接続が改善されていることを踏まえると、決して「改悪」とは言えないと思います。
東京メトロ銀座線<表参道駅(東京メトロ半蔵門線)、赤坂見附駅(東京メトロ丸ノ内線)>:11~14時台
渋谷を起点に表参道、赤坂見附、新橋、銀座、日本橋、上野を経由して浅草までを結ぶ都心の主要路線です。複数のターミナル駅やビジネス街、観光地を結ぶことから1日を通して利用者が多い路線です。但し、銀座線の車体長が16mと他の路線よりも小さく(ほとんどの鉄道は18mや20mの車体長である)、6両編成と都心基準ではとても短い編成の部類に入るため、輸送力が他の路線よりも低い分、運行本数を増やすことで混雑緩和に努めてきました。
しかし、こちらも今回の改正で5分ヘッドにまで見直され、日中時間帯の輸送力は大幅に低下することとなってしまいました。特に銀座線は毎時18本から毎時12本と、6本減便となり、単純に輸送力が2/3となったことから、いかにこの減便が大きいかが分かります。
この容赦ない減便に利用者からは不満の声が出ていますが、この銀座線の減便にも、他路線と対面接続のできる駅の存在が大きく関わっています。
それが、「表参道駅」と「赤坂見附駅」の2駅です。
表参道駅(東京メトロ半蔵門線):11~14時台
渋谷駅の1つ隣に位置する表参道駅は、銀座線の他に半蔵門線と千代田線の3路線が乗り入れる駅です。その中でも銀座線と半蔵門線は渋谷駅から青山一丁目駅までほぼ並行して走っており、その中でも表参道駅は、
- 銀座線の浅草方面行き列車と半蔵門線の押上方面行き列車が対面接続できるホーム
- 銀座線の渋谷方面行き列車と半蔵門線の渋谷方面行き列車が対面接続できるホーム
を有しており、乗り継ぎを行う利用客も多く見られます。
その半蔵門線ですが、日中時間帯は5分ヘッドで運行されており、今回改正で5分ヘッドになった銀座線と間隔が揃います。そのため、表参道駅での銀座線⇄半蔵門線の乗り継ぎ待ちの間隔が一定となり、分かりやすくなります。
ここで、表参道駅での各方面の時刻表と乗り継ぎ時間をまとめると、
方面 | 銀座線時刻表 | 半蔵門線時刻表 | 銀座線→半蔵門線 乗り継ぎ待ち時間 | 半蔵門線→銀座線 乗り継ぎ待ち時間 |
---|---|---|---|---|
銀座線浅草方面 半蔵門線押上方面 | 1,6,11,16,21,26 31,36,41,46,51,56 | 4,9,14,19,24,29 34,39,44,49,54,59 | 3分 | 2分 |
銀座線渋谷方面 半蔵門線渋谷方面 | 1,6,11,16,21,26 31,36,41,46,51,56 | 0,5,10,15,20,25 30,35,40,45,50,55 | 4分 | 1分 |
以上のように全列車が毎時12本で一定間隔で乗り継ぐことができます。
表参道駅での対面接続は、主に渋谷駅と渋谷駅でどの路線に乗り換えるかによって非常に効果を持ちます。というのも、銀座線の渋谷駅は地上にホームがあるのに対し、半蔵門線の渋谷駅は地下にホームがあります。また、渋谷駅での乗り換え路線において、JR線と京王井の頭線は地上ホームのため、銀座線の渋谷駅を利用する方が便利であり、副都心線と東急東横線は地下ホームのため半蔵門線の渋谷駅を利用する方が便利です。よって、目的地に応じて地上か地下かを選択する上で、表参道駅は重要な役割を持ちますし、乗り継ぐ場合に待ち時間が統一されていれば余裕を持って乗り継ぎが可能です。
ちなみに、対面接続ではないものの、千代田線も日中時間帯は5分ヘッドで運行されているので、銀座線乗り継ぎ時間も全列車で統一されています。
赤坂見附駅(東京メトロ丸ノ内線):11~14時台
お出かけの街赤坂や、行政の中心永田町の間に位置する赤坂見附駅。銀座線と丸ノ内線が乗り入れていますが、永田町駅とは公式の乗り換え駅であるため、半蔵門線、有楽町線、南北線とも乗り換えが可能です。
その赤坂見附駅の駅構造は、
- 銀座線の浅草方面行き列車と丸ノ内線の東京・池袋方面行き列車が対面接続できるホーム
- 銀座線の渋谷方面行き列車と丸ノ内線の新宿・荻窪方面行き列車が対面接続できるホーム
となっており、両路線で乗り継ぎしやすい構造となっています。
今回の改正において、銀座線も丸ノ内線(中野坂上〜池袋間)も揃って5分ヘッドになったため、赤坂見附駅で乗り継ぎ時間が統一されることとなりました。
ここで、赤坂見附駅での各方面の時刻表と乗り継ぎ時間をまとめると、
方面 | 銀座線時刻表 | 丸ノ内線時刻表 | 銀座線→丸ノ内線 乗り継ぎ待ち時間 | 丸ノ内線→銀座線 乗り継ぎ待ち時間 |
---|---|---|---|---|
銀座線浅草方面 丸ノ内線池袋方面 | 3,8,13,18,23,28 33,38,43,48,53,58 | 0,5,10,15,20,25 30,35,40,45,50,55 | 2分 | 3分 |
銀座線渋谷方面 丸ノ内線荻窪方面 | 0,5,10,15,20,25 30,35,40,45,50,55 | 2,7,12,17,22,27 32,37,42,47,52,57 | 2分 | 3分 |
どちらの方面も2-3分で乗り継ぎが可能なので、余裕を持って乗り継ぎができることができます。
東京メトロ丸ノ内線<赤坂見附駅(東京メトロ銀座線)>:11~14時台
JR中央線との接続駅荻窪から、中野坂上、新宿、四ツ谷、赤坂見附、銀座、東京、大手町、後楽園を経由して池袋までを結ぶ都心の主要路線です。また、今回の改正で3両編成の運行を終了した方南町支線(方南町〜中野坂上間)も含まれています。
新宿や東京、池袋といった主要ターミナルを経由することから、利用者はとても多く、朝ラッシュ時には脅威の毎時28本運行を行うほどの過密路線です。車体長が18mの6両編成で運行されており、銀座線よりは収容力が勝るものの、都心の中では両数の少ない路線のため、このような高頻度運転が行われています。
そんな丸ノ内線も、日中時間帯の運行が毎時13本から1本減らされた毎時12本運行となりました。減便にはなったものの、5分ヘッドと分かりやすくなりましたし、上記の銀座線赤坂見附駅で、銀座線との等間隔乗り継ぎができるようになりました。
今後需要が回復した場合、日中時間帯の増発は行われる?
以上、特定の区間および駅において、他路線との対面接続の面で、5分ヘッドの減便が必ずしもマイナスではないということをお伝えしました。
しかし、他路線との乗り継ぎに関しては、恩恵を受ける利用客が限定的になってしまうのは言うまでもなく、おそらくほとんどの利用者が、減便による待ち時間増加、および車内混雑の影響を受けてしまっているものと思われます。
そこで疑問に挙がるのが、
「もし感染症が収束し、利用者が増加、回復してきた場合、再度増発する可能性はあるのか?」
ということでしょう。ここからは個人的な予想になりますが、
「現段階では増発するorしないの両方の可能性が考えられる。山手線に関しては現状維持の可能性が高く、銀座線と丸ノ内線に関しては増発対応する可能性が高い」
としています。
まず、山手線に関しては、先述の通り、
- 山手線に並行して走る他路線が続々と増えている(湘南新宿ライン、上野東京ライン、)
- 京浜東北線との並行区間が長く、5分ヘッドを互いに統一させることで山手線⇄京浜東北線の乗り継ぎがしやすくなる
ことから、無理に増発対応しなくても需要を賄えるかなと思っています。編成両数も11両と長い方のため、5分ヘッドでもそこまで深刻な混雑になるとは言えないでしょう。但し、他の並行路線が走っていない区間(例:池袋〜田端間、品川〜大崎間)だと、多少混雑に対する懸念は出てくるかもしれませんが…
次に、銀座線と丸ノ内線ですが、こちらに関しては山手線と事情が異なり、
- 新宿や渋谷、東京、上野といったターミナルの経由に加え、赤坂見附といった都心の中心部を通ること
- 銀座線が16m6両編成、丸ノ内線が18m6両編成と車体長、両数共に少ないので、車内の収容力に課題があること
から、もし利用者が回復した場合は、増発の対応を行わなければなりません。
銀座線は表参道駅で半蔵門線と対面接続を取り、銀座線と丸ノ内線の赤坂見附駅でも互いに対面接続を取る上で5分ヘッド統一は有効と言ってますが、山手線と京浜東北線の関係とは異なり、1駅限りの関係となっているため、間隔統一による恩恵は一部に限られてしまい、ほとんどの利用者は本数の少なさで待ち時間および車内の混雑で多少不便を強いられていることと思います。
ただ、増発するとしても急に増発という形は考えられないため、5分ヘッド→4分ヘッド→3分ヘッドのように段階的に元に戻していくものと思われます。
今後の情勢によりますが、利用者が回復した状態で日中時間帯に5分ヘッドを維持して乗客全員を捌き切る余裕はないと考えられるので、増発するものと予想します。
余談: 方南町支線の本数と間隔、および直通列車の間隔はどうにかならないだろうか?(11~14時台限定)
ここで1つ余談ですが、今回丸ノ内線のダイヤ改正に関して関連事項を調べていたところ、個人的に改善して欲しいと思う区間があったため取り上げます。それは、方南町支線の日中時間帯のダイヤです。
今回のダイヤ改正で、長年運行していた支線用の3両編成の車両が引退し、方南町支線を走る全ての列車が6両編成に統一されました。2019年7月の改正では、方南町から新宿、池袋方面への直通列車の運行も開始しています。
その方南町支線では、日中時間帯の運行本数は毎時7本(内池袋直通は2本)であり、運行間隔は6~11分間隔とバラバラです。また、改正前後の日中時間帯の本数に変化はないため、一部3両編成が走っていたのが6両編成に統一されたこともあって、輸送力は増強されています。
そのため、個人的には、
「日中時間帯は毎時6本(内2本は池袋直通)の10分ヘッドで運行するのがいいのでは?」
と思っています。
まず、10分ヘッドの等間隔であることから、ダイヤを覚えやすいメリットがあります。
次に、全列車が6両編成で運行されているため、毎時1本減便しても輸送力に何ら問題はないということです。
そして、1番重要なのは、中野坂上駅での本線との乗り継ぎ間隔が一定になることです。直通列車はもちろんのこと、支線内で完結する列車も、中野坂上駅の駅構造から乗り継ぎがしやすいことを活かして、新宿・東京・池袋方面、または荻窪方面へ同一ホームで乗り換えが可能です。
駅発着時刻 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
新中野発 | 02 | 09 | 14 | 19 | 27 | 34 | 39 | 44 | 49 | 54 | |||||||
中野新橋発 | || | 07 | || | || | 16 | || | 23 | || | 29 | || | || | 39 | || | || | 50 | || | 58 |
中野坂上発着 | 03 06 | 09 = | 10 11 | 15 16 | 18 = | 20 21 | 25 26 | 28 31 | 32 = | 35 36 | 40 41 | 42 = | 45 46 | 50 51 | 52 = | 55 56 | 00 01 |
接続時分 | 池袋行き | → 2分 | 池袋行き | 池袋行き | → 3分 | 池袋行き | 池袋行き | 池袋行き | → 4分 | 池袋行き | 池袋行き | → 4分 | 池袋行き | 池袋行き | → 4分 | 池袋行き | 池袋行き |
上記の表より、現行のダイヤだと間隔が均一な本線と不均一な支線が共存しているため、中野坂上止まりの支線から池袋行きの本線に乗り継ぐ場合、接続時間が2~4分とバラけています。特に、中野新橋を毎時29分、39分、50分に発車する中野坂上行きは、中野坂上駅で池袋行きが発車した1分後に中野坂上駅へ到着するため、ホームでの待ち時間が余計に多くなってしまいます。
駅発着時刻 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 | 荻窪始発 | 荻窪始発 | 方南町始発 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
新中野発 | 02 | 09 | 14 | 19 | 24 | 32 | 39 | 44 | 49 | 54 | ||||||
中野新橋発 | || | 07 | || | || | 17 | || | || | 27 | || | 37 | || | || | 47 | || | || | 57 |
中野坂上発着 | 03 06 | 09 = | 10 11 | 15 16 | 19 = | 20 21 | 25 26 | 29 31 | 33 36 | 39 = | 40 41 | 45 46 | 49 = | 50 51 | 55 56 | 59 01 |
接続時分 | 池袋行き | → 2分 | 池袋行き | 池袋行き | → 2分 | 池袋行き | 池袋行き | 池袋行き | 池袋行き | → 2分 | 池袋行き | 池袋行き | → 2分 | 池袋行き | 池袋行き | 池袋行き |
そこで、方南町支線の間隔を10分ヘッドに統一することによって、時分が統一されると共に、中野坂上駅での支線→本線への乗り継ぎ時分も統一されて利用しやすくなると思います。
加えて、方南町⇄池袋の直通列車も30分ヘッドに統一されるため、荻窪〜中野坂上間も時刻も分かりやすくなります。
まとめ: 今後の需要次第で賛否両論分かれそう
いかがでしたでしょうか?
今回は東京都心の主要路線の日中時間帯の減便の理由に関して説明しました。
新型感染症による需要減が大きな理由ですが、一部駅や一部区間では間隔統一による乗り継ぎ時間が分かりやすくなるという意図もあります。
ただ今後の利用状況、需要の回復度によっては賛否両論分かれそうなので、どうなっていくかは追って見ていこうと思います。
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきましてありがとうございました!
(2023.10.21追記) 4月のダイヤ改正において、銀座線は4分ヘッドに増発済み。
去る2023年4月29日のダイヤ改正において、東京メトロは
日中時間帯の銀座線の運行間隔を5分ヘッドから4分ヘッドにし、1時間あたりの運行本数を毎時12本から毎時15本に増発
を行なっています。これにより、表参道駅での半蔵門線との乗り継ぎ、赤坂見附駅での丸の内線との乗り継ぎにおいて、等間隔での乗り継ぎができなくなっています。
銀座線は他の路線の車両より車体が小さく(16m3ドア)、お出かけ需要が回復してきた中で5分ヘッドでの運行は混雑が激化して限界と言われていたため、増便は当然と言えるでしょう。
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