【全路線で世代交代】都営地下鉄4路線の車両置き換え事情に関して解説!(2021.11.27更新)

鉄道
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皆様、こんにちは! U5swです。

今回は、都営地下鉄の4路線の車両置き換え事情に関して説明していきます!

都営地下鉄の4路線を簡単に説明

都営地下鉄は、浅草線、三田線、新宿線、大江戸線の4路線によって運営されている公営の地下鉄であり、銀座線や丸ノ内線といった東京メトロとは完全に別の会社となっています。

都営浅草線

  • 営業運行区間:西馬込〜押上間(18.3km)
  • 駅数:20駅
  • 開業日:1960年12月4日
  • 軌間:1435mm(標準軌)
  • 保安装置:C-ATS
  • 最高速度:70km/h
  • 線路数:複線
  • 編成両数:8両
  • 相互直通会社:京急、京成、北総・千葉ニュータウン、芝山(芝山車は乗り入れない)

都営三田線

  • 営業運行区間:目黒〜西高島平間(26.5km、目黒〜白金高輪間は東京メトロ南北線との共用区間)
  • 駅数:27駅
  • 開業日:1968年12月27日
  • 軌間:1067mm(狭軌)
  • 保安装置:新CS-ATC(ATO,TASC)
  • 最高速度:75km/h(白金高輪〜西高島平間)、80km/h(目黒〜白金高輪間)
  • 線路数:複線
  • 編成両数:6両、8両(2022年に対応)
  • 相互直通会社:東急、相鉄(2022年度下期乗り入れ予定)

都営新宿線

  • 営業運行区間:新宿〜本八幡間(23.5km)
  • 駅数:21駅
  • 開業日:1978年12月21日
  • 軌間:1372mm(馬車軌道)
  • 保安装置:D-ATC
  • 最高速度:75km/h
  • 線路数:複線
  • 相互直通会社:京王

都営大江戸線

  • 営業運行区間:都庁前〜後楽園〜大門〜六本木〜都庁前〜光が丘間(40.7km)
  • 駅数:38駅
  • 開業日:1991年12月10日
  • 軌間:1435mm(標準軌)
  • 保安装置:新CS-ATC(ATO,TASC)
  • 最高速度:70km/h
  • 線路数:複線
  • 相互直通会社:なし

各路線における車両置き換え事情

浅草線 〜5500形への統一目前へ〜

浅草線では、1991年から主力として活躍を続けていた5300形を、新型車両の5500形に置き換えるため、2018年から世代交代を行なっています。2021年11月現在、5300形は最後の1本を残すのみとなり、完全置き換えまで秒読みとなっています。

もうすぐ完全引退となる5300形。

導入が完了する5500形(PhotoACより引用)。

5300形から5500形に置き換えた理由としては、

  • 5300形が登場から30年経っており、老朽化が進行していたため
  • 浅草線のリニューアルプロジェクトの一環として5500形を導入したため
  • 5300形の営業最高速度が110km/h(5327Fのみ120km/h)までなのに対し、5500形の営業最高速度が120km/hに対応している事による、将来的な運行範囲の拡大のため

という3点が考えられます。特に、最高時速が120km/hに対応していることにより、2021年現在、京急車で固定されている日中の快特(高砂、青砥〜京急久里浜、三崎口間)や、京成車と京急車で固定されている、成田スカイアクセス線のアクセス特急の運用にも入ることが可能なので、より柔軟な運用を組むことが可能となります。

三田線 〜8両化に向けて、6500形の導入へ〜

三田線では、1993年から主力として活躍し続けている6300形のうち、前期車の13編成を、後継の6500形に置き換えることが決定しており、6500形は2022年にデビューする予定となっています。

6500形に置き換えられる6300形前期車。
2022年にデビュー予定の6500形(PhotoACより引用)。

製造から30年弱経った前期車の老朽化に伴う置き換え、ラッシュ時の混雑が慢性化していることによる6両から8両化へのの必要性、および2022年下期に開業予定の相鉄・東急直通線の開業と相鉄線への相互直通運転を控えているため、新型車両導入に至りました。

6500形は現在、デビューに向けて三田線や東急目黒線で試運転を行なっており、準備万端となっています。また、現在は相鉄直通対応には非対応ですが、直通対応準備工事は行われている模様で、将来的に相鉄線に乗り入れる可能性があります。

一方、6300形の後期車に関しては引き続き活躍する見込みですが、8両化するかどうかは未定であり、もしかすると、6500形によって後期車も置き換えられるのではないかという可能性が考えられます。

新宿線 〜10両編成統一化に向けて、10-300形前期車が早くも置き換えへ?〜

新宿線では、2004年より、10-300形が活躍しており、その前期車(1,2次車)の12編成は、JR東日本E231系をベースとした車両、後期車(3次車)の16編成は、JR東日本E233系をベースとした車両となっています。編成両数は、前期車が8編成が8両、4編成が10両(落成当初は8両も2010年に新造中間車を組み込み10両化)、後期車が全て10両となっています。

8両編成の10-300形前期車。置き換えの対象である。
10両編成の10-300形。置き換え対象ではない。
10両編成の10-300形後期車。増備により8両編成を置き換えへ。

元々新宿線の車両は8両編成が基本でしたが、新宿線および乗り入れ先の京王線の混雑緩和を目的に10両編成化が行われており、8両編成は少数派となっています。

そんな状況の中で、つい最近ですが、

「8両の10-300形8編成を、10両の10-300形8編成に置き換える」

という気になる話題が入ってきました。置き換えの意図としては、

  • 都営新宿線に乗り入れる全ての車両を10両編成に統一し、より利用しやすくするため
  • 前期車がE231系ベースのため、E231系ベースの新造中間車を製造することが困難であるため

という2点が考えられます。まず、10両編成に統一することで混雑緩和をより促進できますし、両数の統一で利用客を混乱させない効果が期待できます。

次に、E231系をベースとした車両は現在全国的に製造されておらず、変に中間車を組み込むよりは、E233系ベースの後期車へ一気に置き換える方が手間がかからないことから、置き換えに至ったのだと考えられます。

しかし、2004年に登場した前期車が、20年も経たない内に役目を終えてしまうことにもなり、多少勿体無い感じもしますが、かつて先代の10-000形の中間車に10-300形前期車の先頭車を組み込んだ変態編成「10-300R形」が、たった12年で役目を終えていることを考えると、置き換えは致し方ないものと思われます。

(P.S 11.27) 2022年3月までに、10-300形の後期車を集中投入し、8両編成の前期車を一気に置き換え、都営新宿線内を走る全車両を10両編成に統一する計画が進行しています。現在後期車の車両搬入が進んでおり、近日デビューする模様です。今回で前期車が一気に少なくなるため、記録は今の内に行いましょう!

大江戸線 〜12-600形への統一に向けて置き換え進む〜

2012年より導入が進められている12-600形。当初は、ホームドアの導入による所要時間の増加から、ラッシュ時における混雑緩和を目的とした輸送力増強に伴い導入されました。

現在置き換えられている12-000形。
甲種輸送で運ばれている12-600形(3次車)。

その後は先代の12-000形の置き換え用として増備が進められ、2014年に1,2次車置き換え用に6編成導入され、2018年から、3次車置き換え用と更なる輸送力増強に伴い、モデルチェンジした3次車が導入されています。

まとめ:どの路線も世代交代に向けて進行中

いかがでしたでしょうか?

今回は都営地下鉄4路線の世代交代に関して説明しました!

もうすぐ完了する浅草線、現在進行中の大江戸線、もうすぐ始まる三田線、新宿線と、世代交代のタイミングはそれぞれですし、ブランドイメージアップや各路線の事情とそれに伴う課題解決を目的に世代交代が進んでいます。

今回の世代交代で退く車両に関しては、しっかり記録をした上で、新たにデビューする車両の活躍に期待していきましょう!

今回はここまでとなります!最後までご覧くださいましてありがとうございました!

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