【PRiVACE営業開始!】阪急2300系導入で京都線の新旧特急用車両はどうなる?

鉄道
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皆様、こんにちは。U5swです。

今回は、座席指定車両”PRiVACE”の営業が開始された阪急京都線において、今後の京都線の新旧特急用車両はどうなるのかの予想と、実際どうなっているのかの過程をお伝えします。

遂にPRiVACEと阪急2300系の営業運行が開始へ!

去る2024年7月21日より、阪急電鉄で初めての導入となる座席指定車両”PRiVACE”が、阪急京都線の特急・通勤特急・準特急の一部列車において営業を開始しました。併せて、PRiVACEが新製当初から組み込まれた新型特急用車両、2300系(2代目)の運行が始まった他、従来の特急用車両である9300系の全11編成の内6編成(9303F~9308F)に2300系のPRiVACE車両を組み替えた上で営業運行を開始しました。

京阪間の輸送では、既に京阪電鉄で導入されている「プレミアムカー」、JR京都線で導入されている新快速「Aシート」とそれぞれ無料速達列車の一部車両に座席指定車両を組み込んで運行していることもあり、これまで追加課金車両の設定のなかった阪急電鉄にも、いよいよ座席指定車両導入の波が来ました。

PRiVACEの1回の利用料金は500円であり、専用のWebサイト<https://privace.hankyu.co.jp/order/search.html>で購入するか、空席がある場合は車内でも購入可能です。

阪急電車は今後、新型の2300系の増備によってPRiVACEを連結した特急系統の列車を増発すると共に、最終的に2300系を12編成(2300F~2311F)導入し、全ての特急用車両を2300系に統一することを目標としています。すなわち、現在特急用車両の主役として約20年ほど活躍してきた9300系は、今後一般用車両に改造して使用する模様です(現在PRiVACEが組み込まれている9300系も、2300系の増備により再度組み替えが行われる模様)。

PRiVACE営業開始時の2300系と9300系の編成表は以下の通り

ここで、阪急2300系と阪急9300系の編成表を確認しておきましょう。なお、PRiVACEを組み込む前と組み込んだ後の両方を挙げています。

まずは9300系の編成表。8両編成11本が在籍しており、内6編成に2300系のPRiVACE車両が組み込まれており、PRiVACEによって組み替えられた中間車は休車状態となっています。

次に2300系の編成表。PRiVACE導入開始時点では8両編成1本と9300系に暫定的に組み込まれているPRiVACE車両6両が在籍しています。今後は、在籍している車番の最大がC#2361であり、この編成は将来的に2311Fに組み込まれる車両であることから、最低でも2311Fまで製造されることが確定しています。

よって、今後の2300系の製造は2301F~2311Fの8両編成11本が製造される見込みであり、その内2301F~2305Fの5編成はPRiVACE込みの8両分が、2306F~2311Fの6編成は、PRiVACE車両を除く一般車の7両分がそれぞれ新造される見込みでしょう。

2300系デビュー後、9300系9300Fが入場。そして大規模改造へ。

2300系とPRiVACEが揃ってデビューした数日後、9300系のトップナンバー編成である9300Fが改造のため正雀工場に入場されました。

先述の通り、今後京都線の特急用車両は2300系に統一されるため、従来の特急用車両9300系は順次一般用車両へ改造されることが決定しています。その第1編成として、9300Fが入場したということです。

そんな改造入場中の9300Fですが、気になる情報が2点あったので紹介しておきます。

①床下機器の一部が取り外されていることが確認

去る2024年7月27日に、正雀工場の外にて、9300Fに搭載されていた床下の一部機器が取り外されていることが確認されました。機器の形からしてVVVFインバータ等が取り外されていることから、改造と共に機器更新(現行の東洋IGBTから2300系と同等の東洋ハイブリッドSiCに更新?)するものと思われます。

【阪急】9300系9300Fの機器が取り外し |2nd-train鉄道ニュース
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9300系は一般車改造化と並行して、これまで乗り入れのなかった大阪メトロ堺筋線への直通運転を開始する可能性が挙げられていますが、堺筋線へ直通する車両は動力車(M車)と付随車(T車)の割合が1:1(4M4T)となっています。しかし、9300系は3M5Tと他形式よりM車の両数が少ない分、堺筋線の走行に対応できるのかが微妙なところでした。

よって、改造のタイミングで機器更新を行いつつ、T車の1両を電装化してM車とし、4M4Tの状態で走れるように対応する可能性があります(もしかすると3M5Tのままの可能性もアリ)。

9300系は昨年で運行開始から20年が経った比較的若い車両であり、機器更新するのは早めとも思われますが(関東圏の鉄道除く)、車内の改造を行うために長期休車することから、丁度更新のタイミングに良いと判断されたのでしょう。

どんな形で出場するのか、続報を待ちたいと思います。

②クロスシートが廃棄されていることを確認

床下機器の取り外しに続いて、去る2024年8月3日は、同じく正雀工場にて、9300Fのものであろうクロスシートが車外に出され、廃棄されている状態が確認されました。特急用車両から一般用車両に転用することから、車内の座席をクロスシートをロングシートに改造するための作業と言えるでしょう。

【阪急】9300系のクロスシートが廃棄されていることが確認 |2nd-train鉄道ニュース
HKさん撮影 2024年8月3日に、正雀工場にて阪急9300系のクロスシートが廃棄されていることが確認されています。 正雀工場へ入場中で、「PRiVACE」(2350形)の組み込みが予定されていない編成であった9300Fのものであることも考...

新たな特急用車両である2300系とこの9300系のクロスシートは形状や材質が異なるのと、既に20年以上使用された座席で劣化もあると思われることから、再利用等は行わず廃棄扱いとしたのでしょう。

③ その他、明らかにはなってないものの、個人的に気になるところ

上記の①、②のように、未だ明らかにはなっていないものの、個人的に9300系の改造で気になるところを挙げていこうと思います。

❶ 9300系初期車の種別行先幕と車内案内表示器の更新有無

まずは、9300系の内、初期に製造された3編成、9300F~9302Fにのみ該当する項目です。9300系の初期車に関しては、前面および側面の種別と行先表示が、フルカラーLEDではなく幕を採用しているところと、車内の案内表示器がLCDではなくLEDの1段スクロール式となっているところです。

これを改造と共に、種別・行先表示器を9303F以降と同様のフルカラーLEDに交換するのか、そして、車内の案内表示器を1300系以降の新造車、および7300系・8300系のリニューアル車同様の32インチハーフサイズのLCDに交換するのか、これが気になるところです。

種別・行先表示器に関しては、7300系だと幕のまま、8300系だとフルカラーLEDに換装している事例があり、どちらとも取れますが、もし堺筋線に乗り入れるとなった場合、”天下茶屋”や”天神橋筋六丁目”といった行先が入っているのかが不明なので、それに対応させるべくLED式に換装させると考えています。

車内の案内表示器に関しては、近年のリニューアル車ではデフォルトでLCDが搭載されていますが、元々案内表示器が付いている車両に関しては取り替える可能性があるのかは微妙なところです。コスト面を考えてそのままLEDにするのか、はたまた情報提供量を増やすためにLCDに換装するのか、どちらの可能性も十分考えられるので、注目しながら追っていこうと思います。

❷ 何両繋いで出場するのか?8両のまま?7両?はたまた…

次に気になることとしては、何両繋いだ状態で出場するのか?というところです。9300系は全編成8両編成を組成している形式ですが、京都線系統では8両編成の他、7両編成、6両編成(京とれいん雅洛とその代走、嵐山線多客時輸送のみ)、4両編成(嵐山線のみ)と4種類の両数バリエーションを持っています。

今のところは8両編成一般用車両として、堺筋線への乗り入れに対応した9300系が出場するものと見ていますが、元来のMT比の問題や改造コストを抑えるために、堺筋線には乗り入れない8両編成か、1両抜いた7両編成で出場する可能性も大いに考えられますし、大穴として4両編成に短縮の上、嵐山線専用車として6300系の置き換えに使用される可能性も挙げられています。

最近、阪急京都線系統では約17年も休車されていた7300系の中間車C#7851を復活させ、10両運転廃止に伴い余剰となった増結車を組み合わせて7両編成を組んで復活させるなど、3300系・5300系・6300系以外の車両は、長らく休車にしようと末長く大切に再活用する路線のため、9300系の編成短縮で余剰となった中間車は今後何かしらの形で復活させるか、2300系の中間車に編入の上再活用される可能性も十分考えられます。こちらも今後どうなるか注目したいところです。

まとめ:9300系がどのように生まれ変わるのかに注目。

いかがでしたでしょうか?

今回は阪急京都線の特急用車両の導入と今後に関してまとめていきました。

気になる阪急9300系の今後ですが、明らかになっていることと今後どのように生まれ変わるかの可能性を以下に簡潔にまとめておきます。

  • 明らかになっていること
    • 走行機器等の床下機器が取り外されていること→機器更新がほぼ確定
    • クロスシートの座席が廃棄されていること→ロングシート化がほぼ確定
  • 今後どのように生まれ変わるのかの可能性
    • 大阪メトロ堺筋線に乗り入れるか否か→乗り入れる場合、MT比の割合等はどうなるのか?
    • 何両編成で出場するのか→8両のまま?7両or4両に短縮する? 短縮した場合の余剰車の使い道はどうなる?
    • 種別行先の幕と車内案内表示器のLEDの交換はあるのか(9300F~9302Fの3編成限定)

約20年にわたり京都線の特急用車両として使命を全うしてきた9300系。今後2300系の導入によってその使命を譲り、一般用車両へ転身することとなりますが、果たしてどのような形で今後の京都線系統を支えていくのか? 今後も注目していきましょう!

今回はここまでとなります!最後までご覧いただきありがとうございました!

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