皆様、こんにちは。U5swです。
今回は待ちに待った、相鉄の2025年春ダイヤ改正内容が発表されたので、詳しく深掘りしていきます！
ダイヤ改正のトピック
今回のダイヤ改正日は、JR各社に合わせた2025年3月15日(土)です。改正のトピックは以下の通りとなります。
- 夕夜間帯の横浜発の優等列車について、一部の快速を特急へ格上げ
- 東海道新幹線との乗継を改善するために、一部列車の時刻を変更
- 土休日、朝夕の東横線直通列車を海老名発着に変更、種別の格上げ
- 日中の湘南台→新横浜間の所要時間を3分短縮
次節より、各トピックの詳細を深掘りしていきます。
夕夜間帯の横浜発の優等列車について、一部の快速を特急へ格上げ
横浜駅から西谷以西の相鉄線沿線へ帰る方からすると、待ちに待ちすぎた優等列車のテコ入れが2年越しに行われることとなります。それが、
夕夜間帯の横浜発の特急を、一部の快速から格上げの形で新設
です。2023年3月の東急直通開始前までは、二俣川までノンストップの急行と快速が各毎時6本体制で運行していましたが、東急直通開始後は急行自体の運行が休止となったことで、全てが快速としての運行、しかも毎時10本化で優等列車は毎時2本分削減される形となりました。
しかも、快速は急行の停車駅に星川、西谷、鶴ヶ峰を加えたものとなっており、単純にその+3駅の利用者が加わっただけではなく、途中の星川で先行の各停に接続を行うため(一部の快速を除く)、快速の通過駅である和田町と上星川の利用者も快速に集中してしまいます。
よって、快速への混雑集中がエゲツなくなる一方で、各停の利用者が実質4駅分(平沼橋、西横浜、天王町、星川)しかないので、そこまで混雑が激しくならないという、種別による偏りが顕著に現れています。
このことから、特に急行を重宝していた二俣川以西の利用者(特に希望ヶ丘、三ツ境、瀬谷の3駅の利用者)からは、快速による鈍足化と快速によって加わった3~5駅分の利用者による混雑激化で、1日でも早い快速地獄解消、および急行の復活(百歩譲って下り通勤急行の新設)を願っていました。
但し、昨年のダイヤ改正では、一部快速の特急格上げ化を行ったものの、上りの横浜行きと、”帰宅ピーク時間帯を除いた”海老名行きが対象となっており、その要望は実現しないまま、引き続き快速地獄と付き合うことになりました。
そして、今年のダイヤ改正で、ようやく
“帰宅ピーク時間帯の一部快速の特急格上げ化”
が行われることとなりました。
17時台後半から20時台まで運行されていなかった時間帯にも毎時2~3本の特急を運行させることで、
- 従来の快速よりも速達化を図ること
- 二俣川・大和・海老名を乗継なしで早く辿り着けること
- 星川を通過することで、星川と星川乗継で和田町・上星川への利用客を各停に誘導して混雑の分散化を図ること
この3点を実現させる狙いがあると考えられます。
一方で、JRおよび東急から直通している特急の一部を各停に格下げすることとなりますが、西谷→海老名間の特急は改正前よりも増加させるとのことです。
また、上り(海老名→横浜)の特急も改正前より増発させるとのことです。
帰宅時間帯の横浜からの利用者からすると、ようやく快速地獄から解放されますし、特急停車駅利用者は乗換なしで早く目的地に辿り着ける良改正となります。但し、急行の復活を切望している特急通過駅(特に希望ヶ丘、三ツ境、瀬谷の3駅)利用者からすると、混雑は多少緩和されても、途中の西谷or二俣川で乗換を行う必要性が出てくるので、そこまで良いイメージは持たないものと思われます。
今回の改正でも急行の復活と下り通勤急行の新設は行われません。相鉄側の事情があるとはいえ、ここまで急行系統の復活がないとなると、沿線住民が復活に向けてしっかり要望を出すことが求められますね…
東海道新幹線との乗継を改善するために、一部列車の時刻を変更
新横浜駅での東海道新幹線(勿論、他路線も含む)との乗継改善に向けて、一部列車の時刻を変更して、より利用しやすくします。
早朝の相鉄→東海道新幹線(全日)
現行の湘南台5:30発の各停浦和美園行き<平日>or西高島平行き<土休日>は、新横浜に6:01着(土休日5:59着)となっていますが、これを6~8分時刻を繰り上げて湘南台5:23発とし、新横浜へ5:53に到着するダイヤへ変更します。
よって、新横浜6:00発のひかり533号広島行きに”急いだ上で”乗り継ぎが可能となるのに加え、新横浜6:03発の臨時のぞみ497号新大阪行きに乗り継ぐことが可能となります。
いずみ野線沿線からこの新横浜始発の2列車に乗り継ぐためには、湘南台5:00発各停横浜行きに乗車し、西谷で海老名発の特急渋谷行き<平日>or小川町行き<土休日>に乗り換えて新横浜へ向かうルートしかありませんでした。
今回の改正で時刻を前倒しすることで、新幹線への乗継に対し約20分遅く出発することが可能となります。
なお、これに併せて、いずみ野線下り(二俣川→湘南台)の1番列車の時刻を二俣川5:07発→5:02発へ繰り上げを行います。
また、平日限定ではありますが、西谷→新横浜間では西谷始発各停川越市行きが、改正後の各停とほぼ同時間帯に走るのに加え、平日の各停は新横浜で10分間停車(5:53着→6:03発)となりそうなので、西谷→新横浜間で各停川越市行きと発車時刻を入れ替え、新横浜で各停が各停に抜かされる待避が増えるかもしれません…
深夜の東海道新幹線→相鉄(土休日のみ)
現行の22時台後半〜終電の新横浜発のダイヤは以下の通りになります。
- 22:46 特急海老名
- 22:51 各停西谷
- 23:01 各停海老名
- 23:25 各停湘南台
- 23:41 各停海老名
- 24:03 特急海老名
- 24:19 各停海老名
これを見ると、発車列車の間隔が5分→10分→24分→16分→22分→16分となっており、特に22:46発から23:01発にかけて間隔が狭い一方で、23:01発の次が23:25発と24分のダイヤホールが発生している“極端なダイヤ”となっています。
これを改正後は以下のように是正します。
- 22:46 特急海老名
- 22:59 各停海老名
- 23:15 各停西谷
- 23:27 各停湘南台
- 23:45 特急海老名
- 24:03 特急海老名
- 24:19 各停海老名
ご覧の通り、現行23:01発の各停海老名行きと現行22:51発の各停西谷行きの発着順序を入れ替え、現行23:25発の各停湘南台行きと現行23:41発の各停海老名行き(改正後は特急へ格上げ)を多少時間調整を行った結果、発車列車の間隔が、
13分→16分→12分→18分→18分→16分
とほぼ均等化されました。
なお、発車順序を入れ替えた両列車ですが、
- 各停西谷行き→西高島平発目黒線直通列車、新横浜22:49着
- 各停海老名→和光市発東横線直通列車、新横浜22:56着
となっており、改正後は各停海老名行きが新横浜23:01発となり、新横浜で3分間停車となります。一方で、各停西谷行きが新横浜23:15発となることから、
新横浜でまさかの”26分間停車”する列車
が爆誕してしまいます… 新横浜で折り返し運転を行う列車ですら20分は超えないのに、相鉄へ直通する列車でこんな長時間停車を行う列車が出てくるとは思いませんでした…
また、東急→相鉄の直通列車同士での追い抜き&待避が初めて設定されることとなります。
各停西谷行きに乗車してきた乗客は、新横浜で各停海老名行きに乗り継ぐことで相鉄線方面へ先着できます。また、東急目黒線・新横浜線からは後続の各停新横浜行き(赤羽岩淵21:55発、目黒22:39発、日吉23:04発、新横浜23:10着)から各停西谷行きに乗り継ぐことが可能です。
土休日、朝夕の東横線直通列車を海老名発着に変更、種別の格上げ
湘南台発着の一部を海老名発着へ変更
直通開始からは基本的に湘南台発着で運行を続けてきた東横線直通列車ですが、この改正で朝と夕方に“海老名発着”の東横線直通列車が新たに設定されることとなります。対象列車は以下の通り。
上り(海老名→東横線方面)朝時間帯
- 海老名7:33発 特急川越市行き
- 海老名7:56発 各停和光市行き
下り(東横線→海老名)夜時間帯
- 池袋18:16発(？) 特急海老名行き(海老名19:35着)
- 川越市18:09発(？) 特急海老名行き(海老名20:15着)
以上の4本が海老名発着に変更となります。また、海老名への送り込み&返却運用も兼ねて、以下の列車も運行されると予想します。
下り(東横線→海老名)朝時間帯
- 現行渋谷6:17発 各停湘南台行き→各停海老名行きに変更？
- 現行渋谷6:45発 各停湘南台行き→各停海老名行きに変更？
上り(海老名→東横線or相鉄横浜)夜時間帯
- 現行湘南台19:50発 各停和光市行き→海老名始発に変更？
- 現行湘南台20:30発 各停横浜行き→海老名始発に変更？種別変更？
また、この変更に合わせる形で、一部の海老名発着列車が湘南台発着へ変更となるでしょう。
朝時間帯にいずみ野線特急増発
現行の湘南台8:23発各停川越市行きを、湘南台8:33発特急川越市行きに種別格上げを行い、湘南台・いずみ野から新横浜・副都心・川越方面への速達輸送を強化します。なお格上げに伴う補填として、西谷始発の各停横浜行きが湘南台始発へ延長されるものと思われます。
土休日のいずみ野線特急は、現行ダイヤだと湘南台21:55発の特急渋谷行きの1本しかありませんでした(23年開業時はこの列車と早朝下り1本、朝上り1本の3本があったが)。
今回の改正で朝の1本が復活することとなり、再び増発(となるかは不明)となりましたが、需要が少ないいずみ野線特急において、果たして需要のある列車となり得るのでしょうか？
今になって急に推し始めた川越散策…？
以上のような東横線直通列車のテコ入れが行われることとなりましたが、プレスリリースを見ると、“川越散策”というワードが出てきました。
即ち、相鉄も土休日に東横線直通列車を利用して、川越といった観光地をはじめとした新横浜・副都心方面へのお出かけアピールを始めたと捉えていいのでしょうか？
ちなみに、“JR直通の川越行きも併せてご利用ください”と案内していますが、副都心方面へのお出かけには役立つものの、大宮を経由して遠回りで川越へ向かうことから、個人的には川越観光にJR直通はあまりお勧めしません(小声)。
日中の湘南台→新横浜間の所要時間を3分短縮
湘南台から新横浜へ直通する東横線直通列車について、現行は同区間において約33分で結んでいるところを、“改正後は3分短縮して30分で走破する”こととなりました。
現行のダイヤだと、二俣川で海老名発快速横浜行きの待ち合わせを行うために4分間停車していますが、3分短縮するとなると、“二俣川での待ち合わせを行わず”に走ることが必須となります。
そうなると“二俣川で海老名発快速横浜行きを待たせた上で先に発車する”のか、“接続駅を西谷に変更し、西谷で海老名発快速横浜行きを待たせる”形にするものと思われます。
ところで、最初の横浜発特急海老名行き増発のトピックで、改正前後の特急の本数を比較を行った際に気づいたこととして、
“特急の発車時刻が毎時09分発基準から、毎時07分基準に変更されている”
ことが読み取れます。このことから、相鉄下りの横浜発優等列車(特急,快速)のパターンダイヤは毎時07分基準に変更されるものと推測されます。
これに併せて、日中のパターンダイヤで大きな変更が現れることが考えられます。予想ダイヤに関しては、固まり次第公開しようと思います。
その他
平日朝の海老名→横浜の速達を強化
現行の海老名6:45発特急大宮行きに関して、西谷で各停横浜行きに接続する形となっていますが、これを二俣川で各停横浜行き、西谷で通勤急行横浜行きの接続に変更することで、海老名→横浜間の所要時間を現行より“6分短縮”されます。
新型車両13000系の導入
これは改正の趣旨とは外れるものの、改正プレスリリース発表の直前に発表された、新型車両”13000系”の導入です。
相鉄グループで進められてきた”デザインブランドアッププロジェクト”によって、これまで既存車両の“ヨコハマネイビーブルー化”や12000系、20000系・21000系の導入とJR線、東急線直通運転開始に伴う都心進出、駅構内の改良工事が進み、従来の相鉄のイメージが変わりつつあるこの頃、更なるブランドアップの実現に向けて、13000系の導入が決定しました。
導入のコンセプトとしては、相鉄への”次のステージ”、”未来”を意識し、よりエレガントさのあるデザインで、相鉄の更なる認知向上、イメージアップに繋げていくとのことです。また、2027年に、瀬谷駅北2kmほどの場所において、「2027年国際園芸博覧会（GREEN×EXPO 2027）」が開催される予定であり、多くの博覧客が訪れることを見据えており、こちらも導入に向けての理由の1つと考えられます。
13000系は2025年度より順次導入する予定であり、既存の8000系を中心に置き換えが進められることでしょう。
個人的に気になる点を挙げるとすると、13000系は“他社線への直通に対応するのか”というところです。12000系の続形式ということ、乗車人員を極力増やすために”拡幅車体”を導入しそうなところから、“JRベース”の車両になることが有力視されています。
但し、JR線への直通を行うのかは微妙であり、そこまでJR線直通を増やさねばならない状況でないことから、11000系以来となる”相鉄線内専属車両”となる可能性も否定できません。
その一方で、乗り入れ先のJR埼京線では、将来的に”ワンマン運転”を行うことが既に発表されており、相鉄・JR直通線のみが乗り入れる大崎〜羽沢横浜国大間もその対象として含まれています。また、12000系はワンマン運転対応設備を有していないことから、12000系を継続使用するとなると改造工事を必要としますが、13000系をJR線ワンマン運転対応の設備を有した状態で導入し、12000系を”相鉄線内専属車両”に回す可能性も僅かながらあります。
過去にJR線直通用車両として当初は11000系の対応を行おうとしましたが、改造の手間を考えた際に、12000系を導入した方がいいという判断で11000系はJRに入らないまま終わったというケースもあった(※)ので、ほぼ同様のケースが13000系導入によって起こり得る可能性も否定できません。
※11000系は12000系やE233系7000番台と逆組成だったこと、相鉄のブランドアッププロジェクトの向上を目的とした、複合的な理由で直通対応が見送られたという事情もある。
但し、12000系も導入からまだ6年も経っていない若手の車両ではあるので、そこまで早い段階でJRを追い出されるとは考えづらいので、全ては13000系導入で明らかになるでしょう。
まとめ: 近年の課題を少し解決？した改正内容
いかがでしたか？
今回は相鉄線の2025年ダイヤ改正内容を紹介しました！
帰宅ラッシュ時の特急格上げによる輸送改善、間隔調整、東横線直通列車の海老名発着列車増加など、近年の課題を少し解決した内容かなと思いました。
今後改正後の時刻表が出るので、そこでまた新ダイヤの考察を行いたいと思います！
今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました！
ダイヤ改正のプレスリリースはこちらから↓
https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2025/pressrelease/pdf/r25-16-dqe.pdf
